土壌科学者たちが部屋いっぱいに集まって息をのむには、相当なことが必要です。
先月、私はキャンベラで開催された全国土壌会議で発表し、400人の同僚に簡単な質問をしました。100年後も、土壌は今日と同じくらい食料生産で重要な役割を果たしていると思いますか?
大勢が一斉に手を挙げ、答えは明らかに「はい」ということで一致しました。私は異を唱え、「そうとは限らないと思います」と述べました。
会場にどよめきが広がりました。なぜそんなことを言うのか。あなたは土壌科学者でしょう。正気ですか?
100年は長い時間です。科学の展望は、せいぜい10年か20年先までのものに思えます。しかし、食料と環境をどう管理するかを考えるには、非常に長期的で、創造力に富んだ思考が必要です。
食料生産の未来が確かな地盤の上にあるのかという懸念を抱く一方で、希望もあります。
その希望の根底にあるのは、将来、100億人、150億人、あるいは200億人のすべてに、十分な量の良質な食料が行き渡るという願いです。それを実現するために、結局のところ、地球を薄く覆う土壌に頼る必要はないのかもしれません。
農業の未来
垂直農法や水耕栽培がすでに普及しつつあり、研究室で肉に似たタンパク質を生産する可能性も見えてきています。合成生物学は、その前進を可能にする方法の一つです。

では、100年以内に、天然の土壌を使わずにすべての食料を生産するための技術的な知識を得て、必要なインフラ投資を賄えるようになるでしょうか?
技術的には可能だと考えたいところです。しかし、その必要があるでしょうか。実現する意志はあるでしょうか。
食をめぐっては、現代における主要な潮流が二つあります。一つ目は倫理と環境を重視する潮流で、環境、あるいは動物にも害を与えずに食料を生産すべきだと考えます。土壌は環境の重要な構成要素であり、再生不可能な資源です。そこで、増え続ける世界人口を今後も支えられるのかという重大な問いが生じます。
もう一つはスローフード運動です。生産地が明確な高品質の食料を生産することを重視しています。「農場から食卓へ」や「畑から食卓へ」と呼ばれることもあります。
エネルギーと水の使用を管理する現代の食料生産技術は、すでに通常の露地栽培と比べ、単位面積当たり最大10倍の収量を実現できる可能性があります。この方法を高さ100段の垂直栽培空間に応用できます。
それだけでも、食料生産に現在使っている土地面積のわずか0.1%で済むことになります。これにより広大な土地を解放し、土壌を劣化から回復させ、地球全体の生態系を再生できます。これは環境倫理の問いに対するハイテクな解決策となるでしょう。
現在、食料生産に使われている土地を原生植生に戻せば、野生生物の保全や洪水対策に役立つほか、水をろ過し、栄養分を循環させる自然の緩衝地帯を確保できます。候補となるのは、生物多様性が豊かで水循環を担う能力が高い熱帯雨林の土壌や、洪水が起きやすい都市の上流にある湿地などです。

このアプローチは、必ずしもスローフード運動と相いれないわけではありません。むしろ世界の土壌への負荷を軽減し、高品質で倫理にかなった生産を続けるのに十分な良質の土壌を確保できるため、運動の目標達成に役立つ可能性があります。
より多くの人々に、より多くの食料を
国連食糧農業機関は、推定人口95億人の需要を満たすため、2050年までに農業生産を倍増させる必要があると予測しています。同時に、生態系の機能を維持しなければなりません。そのため、土壌とその生命を支える機能を守ることは、かつてないほど重要です。
オーストラリアでは土壌管理が改善してきたものの、まだ持続可能とは言えません。広範囲にわたる土壌の酸性化、耕作地の炭素量の減少、土壌侵食、養分の不均衡は、ほとんど対処されないまま、また衰えることなく続いています。この新しいアプローチでは、適切な土壌とテロワールを、高品質で持続可能なオーダーメイドの食料やワインの生産に充てられるでしょう。
北米、ロシア、ウクライナの肥沃なレス土壌は、世界でも最良の土壌と見なされることが多く、今後何世紀にもわたって穀物生産のために持続可能な形で管理できます。こうした食料生産性の極めて高い土壌の一部でさえ、農業が始まる前の状態に戻せる可能性があります。オーストラリアの有名な赤褐色土は、穀物生産に利用するよりも、森林造成に役立つかもしれません。





