第4次産業革命は、今行動すれば、ゼロカーボンの未来へ導くことができる

'At the moment the compass direction for this transformation is unclear'
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正確な時期は言えませんが、この2年ほどの間に、世界はある境界を越え、気候変動への漸進的な取り組みは選択肢から外れました。気温上昇を2°C未満に抑えるには、今や指数関数的な行動が必要です。

温室効果ガスの排出により、地球の気温は現在、1.1℃上昇しています。また、Geophysical Research Letters誌に掲載された最新の科学的評価によると、気温を下げる作用のあるものも含め、ブラックカーボン、硫酸塩、硝酸塩など、生命を脅かす大気汚染物質をすべて取り除けば、地球の気温はさらに0.5~1.1°C上昇する可能性が非常に高いとされています。深刻なメッセージです。地球規模の悪である地球温暖化は、もう一つの地球規模の悪である大気汚染によって覆い隠されています。これは、私たちが解決策を見つける段階にたどり着くのが本当に、あまりにも遅かったことを思い起こさせます。

世界経済フォーラムの2018年版グローバルリスク報告書は、このことを明確に示しています。今や、発生可能性と影響の両面で、3つの地球環境リスクが報告書の上位を占めています。異常気象、自然災害、そして気候変動を緩和するために必要な速度で行動できないことです。このメッセージは最近、G20金融安定理事会の議長であるマーク・カーニー氏によっても強調されました。同氏はこう述べています。「気候変動が金融の安定に対する明白かつ差し迫った脅威となる頃には、気温上昇を2度に抑えるにはすでに手遅れかもしれない。」

どれほど速く行動する必要があるのでしょうか。大まかな目安として、産業革命前からの気温上昇を2°C未満に抑え、高い成功確率を確保するには、温室効果ガスの排出量を10年ごとに半減させる必要があります。この指数関数的な道筋を、IT業界のムーアの法則に着想を得て「グローバル・カーボン・ロー」と呼んでいます。ムーアの法則とは、コンピューターの処理速度がおよそ2年ごとに倍増するという観察に基づくものです。

グローバル・カーボン・ローの枠組みは、パリ協定を捉えるうえで有用です。2050年以降のいつかにカーボンニュートラルを達成するという遠い目標を、今後10年間の短期目標へと置き換えます。そのため、企業や政治家にとって意味のある時間軸で取り組むことができます。また、国、企業、組織から家庭、個人に至るまで、この道筋に沿うすべての人が、自動的にパリ協定の「参加者」となります。協定離脱の決定を米国大統領が実行に移した場合でも、「参加」を続けたい米国の都市や州にとって、これは有用でしょう。

さらに重要なのは、グローバル・カーボン・ローの道筋が実現可能だということです。多くの分野で、企業は10年ごとに排出量を半減できます。実際、アップル、グーグル、インテルなどの企業は、さらに速いペースで排出量を削減しています。また、ICTセクターは、価値と繁栄を高めながら排出量をピークアウトさせました。昨年、私たちがこのカーボン・ローのロードマップを発表して以来、スウェーデンの主要企業ネットワークであるハーガ・イニシアチブは、ICT以外の企業もカーボン・ローを上回る成果を上げられることを示しました。そして今、スウェーデンのWWFは、企業の科学的根拠に基づく目標に向け、同様に野心的な道筋を採用しようとしています。

今こそ、カーボン・ローの考え方を指数関数的な行動へとつなげる必要があります。解決策は見え始めています。今年後半、サンフランシスコで、2015年のパリ気候協定以来最も重要なイベントとなる「グローバル・クライメート・アクション・サミット」が開催されます。このサミットの目標は、漸進的な行動から指数関数的な行動へ移行し、世界経済で最も革新的かつ破壊的な力を持つデジタル分野の力を生かすことです。

今年の世界経済フォーラムでは、元国連気候変動責任者のクリスティアナ・フィゲレス氏と私は、テクノロジー業界のリーダーたちと率直な対話を行い、この水準の意欲的な取り組みを後押しします。世界で最も破壊的な産業とともに、グローバル・カーボン・ローに沿った脱炭素の未来への世界的な変革を加速し、拡大する道筋を探ります。

理由は明快です。今後30年間で、人工知能、機械学習、モノのインターネットによって推進される第4次産業革命が、すべての人々の暮らしを変革します。現時点では、この変革が向かう先は明確ではありません。この変革が、繁栄とレジリエンスを備えたゼロカーボンの未来へ向かうようにする必要があります。

急速なイノベーションのサイクルによって、テクノロジー分野は目覚ましい指数関数的なムーアの法則の軌道を維持しています。今、グローバル・カーボン・ローにもこれが必要です。そのためには、業界が分野全体で連携し、こうしたイノベーションのサイクルを実現するロードマップが必要です。

ダボス会議2018を出発点として、主要テクノロジー企業の連合を結成し、サンフランシスコで歴史の流れを変える革新的なロードマップを発表します。私たちの目標は、テクノロジー分野で働く起業家やエンジニアなど1,000万人を、地球を守る担い手にすることです。こうした優れた人々が何に取り組むにしても、将来世代のための気候の安定性とレジリエンスを進むべき指針としなければなりません。

スティーブ・ジョブズはかつて、宇宙に一石を投じたいと言いました。彼はまさにそれを成し遂げました。今、私たちは世界に一石を投じる必要があります。世界には、それ以上のことが必要です。

2018年1月24日、ヨハン・ロックストローム氏は、クリスティアナ・フィゲレス氏(Mission2020、元UNFCCC事務局長)、アン・フィヌケイン氏(バンク・オブ・アメリカ)、テクノロジー業界のリーダーたちとともに、第4次産業革命のビジョンを形づくるフォーラムの朝食会で講演します。

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