気候変動への適応に自然をどう生かすか

気候変動への適応に自然をどう生かすか
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雨季が訪れ、洪水で農地が水浸しになると、バングラデシュ北西部の貧しい家庭はかつて、生き延びるために木を伐るか、飢えに苦しんでいた。

しかし今では、氾濫原で魚を養殖している。この変化は、地域の森林を守るとともに、より極端な気象に対する人々自身のレジリエンス向上にも役立っている。

地域社会と環境の双方を守るこうした「生態系を活用した適応」は、自然界を破壊することなく、増加する世界人口が気候変動の影響を乗り越えるうえで不可欠になると、専門家らはリマで開かれた国連気候変動会議で述べた。

「大きな可能性を秘めている」と、ブラジルに拠点を置くアマゾナス持続可能財団の最高経営責任者、ヴィルジリオ・ヴィアナ氏は述べた。

こうした適応策は費用対効果が高く、時に生態系を損なうことのある工学的解決策に頼るのではなく、地域住民とともに実施できると同氏は述べた。

「例えば、土地の侵食や地滑りに対処するために重い建設資材や機械を使う代わりに、植生被覆を増やし、(さらに)木を植えるといった、生態系を活用した適応策なら、地域社会の参加を得ながら、より低い費用でこれらの問題に対処できます」と同氏は説明した。

CAREインターナショナルの環境・気候変動担当ディレクター、キット・ヴォーン氏によると、多くの政府は洪水を効果的に管理する唯一の手段はダムだと考えている。しかし森林や湿地、湖、河岸の氾濫原も天然のスポンジとして機能すると同氏は述べた。

それらは大量の水を吸収し、後になって下流へ、あるいは地下水へと、ゆっくり安全に放出すると同氏は述べた。

後発開発途上国グループのリマ会議アドバイザーで、世界最貧国のうち約50カ国を代表するサリームル・ハク氏によると、雨季に魚の養殖を始めて収入を増やしているバングラデシュ北西部の地域社会は、よりよく保護された氾濫原の森林からも恩恵を受けている。

河岸の森林は洪水時に大量の水を吸収し、そうでなければ水没しかねない家畜や家族を守るのに役立つと同氏は述べた。

こうした仕組みは「パキスタンのインダス川氾濫原のような開発途上国で、他地域への導入や規模拡大に大きな可能性がある」とハク氏は述べた。

インドの主要河川流域や上流域での大雨に加え、バングラデシュ北西部および北東部の降雨が、現在では7月から9月のモンスーン期に、同国の低地で人口が密集する地域の洪水を頻繁に引き起こしている。

バングラデシュは、国内北西部の多くの地区で洪水を深刻な問題と見なしており、そこでは多くの地域社会が「極度の貧困」に分類されている。

国連気候変動枠組条約の適応専門家、シアンフー・ルー氏は、洪水が悪化する問題となっているアフリカやアジアの他の開発途上国でも、生態系を活用した適応を用いるべきだと述べた。(サリーム・シャイク執筆、ローリー・ゲーリング編集)

本記事は、 トムソン・ロイター財団との協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:サリーム・シャイクはイスラマバードを拠点とする、トムソン・ロイター財団のフリーランスライターです。

画像:2014年6月4日、ローンセストン郊外のタスマニア北西部にある農地の上空に雲が見える。REUTERS。

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