絶滅とは何か。どう定義するだろうか?
「オックスフォード辞典」によれば、ある種に「生きている個体がいないこと」を指す。
ここまでは明快だ。それでも、中心的な課題は絶滅の意味を定義することではなく、ある種が生き残りをかけた闘いに完全に敗れたと、いつ判断するかにある。膨大なデータや複雑な数学モデル、慎重な判断を要する、複雑で長期にわたるプロセスだ。そして生物多様性の損失が加速するにつれ、判断はいっそう難しくなっている。
人間の影響
「地球は現在、6度目の大量絶滅のさなかにあります。そして、その主な要因は私たちです」と、国際自然保護連合(IUCN)の事務局長インガー・アンダーセン氏は2月に述べた。「適切な保全・保護への投資、健全な政策、賢明な介入によって、種を絶滅の瀬戸際から救い出すことはできます。しかし、いったん絶滅すれば、それは永遠であり、戻ってくることはありません。」
危機にある種を正確に測定し、定義することは、保全活動の重要な要素だ。
IUCNのレッドリスト(絶滅のおそれのある種のレッドリスト)は1964年に始まり、評価作業の大部分を担ってきたが、そのカテゴリーを見るだけでも、この問題がいかに厄介かが分かる。「絶滅」「野生絶滅」「絶滅の可能性あり」に加え、「深刻な危機(絶滅の可能性あり)」や「深刻な危機(野生絶滅の可能性あり)」など、複数のランクが設けられている。
IUCNは9万6,500種を超える種を調査し、2万6,500種以上が絶滅の危機に瀕していると推定している。両生類の40%、哺乳類の25%も含まれる。「絶滅の可能性あり」のリストには、1992年以来記録された目撃例がない大型コウモリの一種、インドネシアのアルーオオコウモリや、最後に目撃されたのが1985年のクリスマス島トガリネズミが含まれる。
こうした細かな区分は、プロセスの困難さと誤りやすさを浮き彫りにし、何年も慎重に監視し計画を立てても、誤った判断が起こりうる理由を説明している。最近、絶滅したと思われていたゾウガメがガラパゴス諸島で発見された。
「フェルナンディナ島で生きたゾウガメを見つけたことは、おそらく今世紀最も重要な発見でしょう」と、ゾウガメ復元イニシアチブのディレクター、ワチョ・タピア氏は語った。「フェルナンディナ島に生息するこの種の生きた個体が見つかったのは、112年前が最後でした。」
ヒョウを発見
予想外の場所に姿を現した例は、これだけではない。今年、ケニアでクロヒョウが撮影された。アフリカでは1909年以来、初めて確認された目撃例だ。

こうして絶滅の瀬戸際から戻ってきた動物たちは、まだ発見される前に絶滅してしまう種もあるなかで、損失の規模を定量化しようとする人々が直面する課題を示している。
結局のところ、こうしたリストの正確さよりも、意識を高めることのほうが重要だ。自然の破壊をデータや数字で捉えようとするのは、できる限り全体像を描き、より良い計画策定に役立て、政策立案と意識向上につなげるためだ。環境問題と自然界を大切にすることは、今年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の主要テーマだった。
世界経済フォーラムの『グローバルリスク報告書2019』は、人類が「破局へと眠りながら歩みを進めている」とし、異常気象、気候変動対策の不履行、自然災害を主要なリスクに挙げた。こうした危険が増すなか、行動を起こす必要性への認識も高まっている。
「IUCNレッドリストは、どこに懸念を抱くべきか、そしてこの世界の荒廃を防ぐため、どこで緊急に行動を起こす必要があるのかを教えてくれます」と、デイビッド・アッテンボロー卿は語った。「これは自然保護活動家にとって、素晴らしい行動計画です。」





