環境汚染、絶え間ない交通渋滞、廃棄物で詰まった水路、経済格差、不健康、社会的疎外は、急速に都市化する地域の内外で急増するスラムや不法居住地に集中しがちです。
インドネシア諸島の多くの都市では、バタム、メダン、スマラン、スラバヤなど多様な都市で、過去10年間に人口が数倍に増加しました。最も顕著な成長例は巨大都市ジャカルタです。人口は1970年代のわずか500万人から、今日では約3,000万人を擁する広大な首都圏へと拡大しました。こうした急成長都市の持続可能性を確保するには、都市に流入する大勢の人々が定住し、雇用を見つけ、持続可能なコミュニティを形成できることが極めて重要です。
自律性を育む
Future Cities Laboratory(FCL)による研究プロジェクト「Tropical Town」は、住宅、エネルギー、水、廃棄物管理に関して都市居住地の自律性を高めることで、インドネシアの都市における急速な都市化の最も有害な影響を軽減することに焦点を当てています。要するに、建築・都市計画の提案は種となるパッケージです。このプロジェクトは、住居や居住地の開発に個人やコミュニティが取り組めるよう、中核的な技術一式、技術支援、能力開発プログラムを提供することを目指しています。
Singapore-ETH CentreのFuture Cities Laboratory(FCL)が開始したTropical Townは、インドネシア・ジャカルタのインドネシア大学、およびインドネシア・バタムの市計画局(BAPPEDA)との協力で開発されました。プロジェクトは、コミュニティ、地方政府、中央政府と協力し、バタムとジャカルタで初の「現地試験」を行う予定です。模範を示すことで、このプロジェクトはインドネシア諸島の他の地域、さらには他の熱帯地域にも持続可能な居住地を生み出すきっかけとなる可能性があります。
拡張できる住宅
新しい階を加えて垂直方向に拡張できる住宅を備えた、Tropical Townのモデル例。(写真:FCL / Singapore-ETH Centre)
プロジェクト構想の中心にあるのは、時間をかけて段階的に拡張できる住宅ユニットで、「 Rubah」または「 Rumah Tambah 」(インドネシア語で「拡張可能な家」)と名付けられています。この Rubahは仕事と生活のための空間を提供し、世帯の経済力が高まるにつれて階を追加し、垂直方向に拡張できます。
「 Rubah 」は、固定された基礎階と、新たな階を設けるために持ち上げることのできる屋根で構成されます。中核的な技術一式を備え、住民や地域のグループは、こうした追加階を自力で建設できるようになります。また、資源とエネルギーの管理において自律性を確立するためのノウハウも提供されます。これには、パッシブ冷却、雨水の収集、太陽光発電の技術が含まれます。
経済と社会生活
物理的な側面にとどまらず、Tropical Townプロジェクトは持続可能な都市居住地の経済的・社会的ニーズも考慮します。経済的持続可能性を確保するため、プロジェクトの構想では、準農村型の経済形態をTropical Townの経済計画に組み込み、多様な世帯経済を可能にします。こうした準農村型の形態には、竹林、家庭菜園や園芸、畜産などが含まれる場合があります。
急速に成長するこれらの都市では、しばしば農村地域から来た多様な移住者の集団が社会の基盤を成しています。そのため、この構想の中心的な要素は、公共空間と個人的な交流の機会を通じて、コミュニティの結束を育むことです。
Tropical Townの構想は、居住地ごとに1万人を支えることを目指します。目標は中程度から高密度の人口集積です。これにより、耕作可能地に対する一人当たりの占有面積と、道路、電力網、飲料水網など高額なインフラに対する一人当たりの必要量を抑えます。基本的に、Tropical Townの種となるパッケージは、新しい町の正確な形を決めるものではなく、時間をかけて環境面で持続可能で、社会的・経済的に強靱な居住地の発展を促します。
この記事は、 ETH Zurichとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:Stephen CairnsはSingapore ETH Centreの教授です。
2012年10月23日、政府が于家堡金融センターを建設している天津市浜海新区の海河岸で、住民が網を使って魚を捕っている。REUTERS/Michael Martina。



