ミツバチは、米国の食料供給の大部分を支える作物の受粉に欠かせない(推計では7%から30%)。毎年、米国で飼育されているミツバチの半数以上が、カリフォルニア州のアーモンド畑の受粉に必要とされる。
この需要により、養蜂は収益性の高い職業となった。ただし、巣箱を守れればの話だ。
ナショナル ジオグラフィックの「報道」によると、ミツバチの巣箱を盗む「ビー・ラスリング」は、養蜂家の生計を丸ごと奪いかねない犯罪として頻発している。
「完璧な犯罪です」と、自ら商業養蜂を営む警察の刑事ロウディ・ジェイ・フリーマンは同誌に語った。「白い防護服を着た人を見かければ、養蜂家に見えます。でも、泥棒かもしれない。見分けはつきません。」
ミツバチの盗難による損失は、数十万ドルに上ることがあり、損失にはミツバチそのものの費用に加え、受粉による収入の逸失も含まれる。ブルームバーグの報道(有料記事)によると、ある盗難事件の被害額は100万ドルを超えた。
ナショナル ジオグラフィックの取材に応じた農家のジェレミー・クーンヘンは、ミツバチがトラックで運び込まれるカリフォルニア州のアーモンド開花期をわずか数日後に控え、ミツバチや機材、受粉料の逸失で7万ドルの損失を被ったと語った。
アーモンドの開花期にカリフォルニア州へミツバチが集中することと、受粉の性質上、巣箱が屋外に置かれ、たいてい無人であることから、盗難犯にとっては格好の標的となる。また、盗難犯は群れを死なせずにミツバチをおとなしくさせ、運ぶ方法を知っている必要があり、養蜂の知識もある程度求められる。
米国は世界のアーモンドのおよそ80%を供給しており(PDF)、そのすべてがカリフォルニア州で栽培されている。アジアでのアーモンド需要の増加により、農家にとってアーモンド事業の収益性が高まった。労働統計局の報告によると、米国のアーモンド輸出は2005年から2015年の間に380%増加した。アーモンド価格は2014年に1ポンド当たり4ドルでピークを迎えたが、最近の傾向を見ると、再び上昇している。
その収益を背景に、作物の繁殖と成長を助けるミツバチにも、より高い価格が付くようになっている。
「養蜂を始めたころ、巣箱1つ当たりの貸出料は5ドルでした」と、アーモンド農家の2代目ダルジット・ラッカーはナショナル ジオグラフィックに語った。「今は180~200ドルです。標準は1エーカー当たり巣箱2つ。今年はミツバチに50万ドルを費やします。」






