サメは地球上で生態学的に特に重要な動物の一つですが、既知の全種の最大3分の1が絶滅の危機に瀕しています。
サメがいなくなると、何十億もの人々が頼りにする沿岸の食物網が乱れる可能性があります。
ある海洋生物学者が、サメのために私たちができる3つのことと、効果がない、あるいは有害ですらある行動を避ける方法を解説します。
サメは地球上で生態学的に特に重要であり、絶滅の危機が最も深刻な動物の一つです。最近の報告によると、既知の全サメ種とその近縁種であるエイの最大3分の1が絶滅の危機に瀕しています。持続不可能な乱獲が、圧倒的に最大の脅威です。
サメがいなくなると、何十億もの人々が食料を得るために頼る沿岸の食物網が乱れる可能性があります。食物連鎖から頂点捕食者がいなくなると、より小型の被食種が増えることで、残りの生態系も崩れていくおそれがあります。
長年、サメや海洋保全について一般の人々と話すなかで、多くの人がサメを気にかけ、助けたいと思いながらも、方法が分からないことに気づきました。解決策にはかなり専門的なものもあり、脅威の規模や広がりを理解し、その重大さを認識するのは容易ではありません。
同時に、こうした重要な問題は過度に単純化され、誤った情報さえ広く出回っています。そのため、善意から行動する人々が、専門家には効果がないと分かっている政策を支持してしまうことがあります。
私は海洋保全生物学者であり、この状況を改善するため、サメ研究者を対象に調査を行い、科学者が保全の前進につながる研究テーマを特定する取り組みを支援してきました。また、『Why Sharks Matter: A Deep Dive With the World’s Most Misunderstood Predator』という本も執筆しました。ここでは、サメのために誰もができる3つのことと、効果がない、あるいは有害ですらある行動を避ける方法を紹介します。
持続不可能な方法で獲られた魚介類を食べない
サメやエイ、そしておそらく海洋生物多様性全般にとって最大の脅威は、持続不可能な乱獲です。一部の漁法は海洋生物や生息地に甚大な被害をもたらします。
また、こうした漁法では混獲が多く発生することもあります。混獲とは、対象としていない種を意図せず捕獲することです。たとえば、マグロを狙う漁師が、近くを泳ぐウミガメやサメを誤って捕まえることがあります。
個人の消費者ができる最も効果的なことは、こうした有害な漁法で獲られた魚介類を避けることです。これは、一部の活動家が求めるように魚介類を完全に避けるという意味ではありません。魚介類は健康によく、おいしく、文化的にも重要です。環境に配慮し、持続可能な方法で漁獲する手段もあります。サメを対象とする持続可能な漁業さえ存在します。
カリフォルニア州のモントレー・ベイ水族館など、信頼できる団体は、魚介類の持続可能性ガイドを公開しています。そこでは、漁獲方法や養殖方法に基づいて、さまざまな魚介類を評価しています。専門家の間で評価の細部に意見の相違がある場合もありますが、消費者はこうした指針に従うことで、サメをはじめとする海洋生物全般の保護に役立てることができます。
有害な過激派ではなく、信頼できる環境保護非営利団体を支援する
多くの優れた環境保護非営利団体がサメの問題に取り組み、寄付や、選挙で選ばれた公職者などの意思決定者への働きかけといった参加の機会を提供しています。私の本では、こうした団体の多くを紹介しています。その中には、私のお気に入りのShark Advocates Internationalも含まれます。
残念ながら、誰にも何にも役立たない疑似科学を広める団体もあります。2021年の研究で、同僚と私はサメの保全に取り組む78の非営利団体の職員を調査し、これらの団体がサメ保全科学に関わっているか、またどのように関わっているかを調べました。
その結果、少数ながら声の大きい人々が、科学報告書を読んだことも科学者と話したこともなく、サメの助けにならない、明らかに誤った有害な見解を抱いていることが分かりました。たとえば、一部の団体は、乾燥フカヒレなどのサメ製品を運ばないよう航空会社に求めていますが、フカヒレの95%を大きく上回る量が海上輸送されていることや、持続可能な供給源があることには触れていません。
特に気になるのは、実情を反映していないこともある、素人によるオンライン署名活動です。たとえば2022年春、約6万人がフロリダ州にサメのヒレを切り取る行為の禁止を求める署名に参加しましたが、フロリダ州ではすでに1990年代初頭にサメのヒレ切りが禁止されていたことを認識していませんでした。本で説明しているように、意義ある保全目標のために科学を活用する団体を見極め、そうでない団体を支持しないことが不可欠です。
専門家の知見を参考にする
海洋科学、管理、保全の専門家の多くは、ソーシャルメディアで積極的に発信しています。彼らをフォローすることは、興味深い新たな科学的発見や保全上の課題を知るうえでとても有効です。
残念ながら、サメはメディアで扇情的に取り上げられることも多く、善意はあっても知識のない人々がソーシャルメディアで誤情報を広めることもよくあります。たとえば、ハワイが州の海域でのサメ漁を禁止したとして称賛する投稿を見たことがあるかもしれません。しかし、ハワイでの漁業の約99%が連邦政府管轄の海域で行われていることには、こうした投稿は触れていません。
こうした情報に惑わされないでください。信頼できる情報源から情報を得ることで、この興味深く生態学的に重要な動物について、なぜ人間の助けが必要なのか、そして最も効果的な行動は何かを、ほかの人々にも伝えることができます。






