グローバリゼーション4.0は気候変動への取り組みにどう役立つのか

Melting ice floes.
It will take an unprecedented level of collaboration to keep global warming to less than 1.5°C.Image: Unsplash
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気候変動は、おそらく人類が直面する最も存亡に関わる課題であり、世界規模での緊急の行動を必要としています。

世界経済フォーラムの『グローバルリスク報告書2019』が明確に示すように、環境危機、とりわけ気候変動への取り組みの失敗は、今後10年間に世界が直面する可能性が最も高く、影響も最大級のリスクの一つです。実際、2018年には異常気象による損失額が過去最高を記録しました。

2018年、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によって、この危機はさらに明確に焦点が当てられました。同パネルの『1.5°Cの地球温暖化による影響に関する特別報告書』は、2018年10月に公表され、危険な気候変動を回避するには行動の猶予があと12年しかないとしています。

気候変動のリスクと、それが海洋や熱帯林、淡水資源を含むその他の重要な生態系に与える負荷について、科学がこれほど明確に警鐘を鳴らしたことはありません。それでも、氷河の融解への対応は氷河のように遅れています。とりわけエネルギー分野では解決策が次々と生まれている一方、課題の深刻さに見合う世界規模の行動は、いまだ始まっていません。

なぜでしょうか。

四半期ごとの報告サイクル、短期化する任期、危機への対応の必要性によって、意思決定者が見通す時間軸は年単位から週、日、時間単位へと短くなっています。気候変動に関する科学からの緊急のメッセージは、ニュースのサイクルや、ますます複雑化する世界の競合する課題の中で、十分に届きにくくなっています。例えば、経済、雇用、国家安全保障に及ぼす第4次産業革命の影響が、政治やビジネスのリーダーの注意の多くを占めています。雇用や成長の将来をめぐる不確実性が高まるなか、多くの政治家は気候変動のような複雑な地球規模の課題に協力して取り組むよりも、国内の不安に対する即効策を求めて内向きにならざるを得なくなっています。

気候変動に取り組むには、前例のない規模の協力が必要です。 Image: Unsplash

そのため、気候変動に関する他の関係者のリーダーシップも必要です。今日の複雑な世界で政府が対処しなければならない競合する課題の多さを考えれば、気候危機の解決を政府だけに期待することはできませんし、そうすべきでもありません。産業、技術、消費財・サービスの設計に必要な大規模なシステム転換を促し、温暖化を1.5°C未満に抑えるには、公共部門以外の多くの主体も参加する、前例のない水準の協力とイノベーションが必要だという認識が広がっています。幸い、ニュー・クライメート・エコノミーやエネルギー転換委員会など多くの調査は、こうした経済の変革が可能であるだけでなく、雇用を生み、将来のより良い成長を確かなものにすると指摘しています。

しかし、この転換を実現するには、新たな行動の組み合わせが必要です。例えば、民間部門と公共部門の内部および両者間で新たな連携の形を築くこと、志を同じくする政府、都市、州、地方の新たな連合を形成すること、そして政策実験や官民の取り組みに向けた新たなリーダーシップの基盤を構築することが挙げられます。それぞれの基盤は、産業、国、地域ごとに異なる課題に応じて設計されます。こうした重要な協力の好例はすでに数多く現れており、その一つがCEO気候リーダー同盟です。企業の合計売上高が1.5兆ドルを超えるこのCEOグループは、2015年以降、排出量を合計で9%削減しており、さらなる削減に取り組むことを約束しています。

次に、スピードの問題があります。IPCCによれば、行動の猶予はあと12年しかありません。十分な数の多様な行動を間に合うように動員できるでしょうか。ここでも、官民の新たな取り組みが重要な役割を果たします。第4次産業革命による急速な技術進歩を生かせば、気候に関する世界、地域、産業ごとの取り組みの進捗(または進捗の欠如)を監視、検証、報告する新たな手段も活用できるようになります。分散型の情報公開やリアルタイム開示の抜本的に新しい形が、その手段となる可能性もあります。こうした動きは今後数年間、課題の規模に照らして気候変動対策がどれほど効果的だと受け止められるかに大きな影響を及ぼすでしょう。特に若い世代にとってそうです。透明性の向上は認識を高め、行動への圧力を強めます。

IPCCの指針に沿って成功を収めるには、国際社会は気候変動対策の新たなアジェンダを受け入れなければなりません。全体として地球温暖化を1.5°C以内に抑えることに重点を置きつつ、パリ協定の目標達成、さらには上回るという各国政府の意欲を支え、後押しし、加速するために、多様なアプローチ、協力、取り組みを促すものです。

今日の世界で気候変動という課題に取り組むことは、行動のための世界的な官民「プラットフォーム」を構築することと捉えられるかもしれません。このプラットフォームは、定められた期間内に世界共通の目標を達成することを目指す一方、多様なパートナーがそれぞれ異なる行動に参加し、目標の実現を目指せるよう後押しします。これは実際、グローバリゼーション4.0が推進を目指す、新たな支援の仕組みの好例です。第4次産業革命によって急速に変貌する、ますます複雑な世界において、差し迫った地球規模の問題に対し、政府が機敏で協力的な解決策を見いだせるよう支援する、実践的な官民の枠組みです。

2019年を見据え、世界経済フォーラムは、国連事務総長が主催する重要な気候サミットを9月に支援できることを誇りに思います。このサミットは、気候危機への取り組みを支援するため、まさにこのような革新的なマルチステークホルダー協力の規模拡大を目指しています。そのため、今年のダボス年次総会が、今後数か月に必要な気候変動対策の再始動を後押しできることを大いに期待しています。その実現には、協力を促すダボスの精神と、行動のためのプラットフォームというアプローチの双方を推進し、グローバリゼーション4.0が求める、地球規模の課題に対する私たちの共同の問題解決を拡大していかなければなりません。

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