「ゴーストバスターズ」のチームが、インド南東部沿岸沖にあるマンナー湾海洋公園の海域を巡回し、水中の脅威を探しています。
海洋科学者と支援スタッフは、スガンティ・デーヴァダーソン海洋研究所の協力のもと、海面の上下で海洋生物を脅かす、ゴーストネットとして知られる、紛失または放棄された漁具を探索しています。
ゴーストネットはサンゴ礁を窒息させ、海洋生息地を破壊し、魚類、海洋哺乳類、海鳥を絡めとります。さらに、船舶の推進器に絡まるなど、船にとっても危険です。
海に失われた漁具
ネットの所在を突き止め、回収することは大きな課題です。マンナー湾海洋公園は面積560平方キロメートルにおよび、その浅い沿岸海域には多くの小さな島々が点在しています。
「ゴーストネットを撤去することで、サンゴの保全に寄与するだけでなく、主に岩礁周辺の漁業資源に生計を依存する小規模漁業者の支援にもつながることを期待しています」と、同研究所所長のエドワード・パターソンはこう述べています。。
漁具は、嵐や強い潮流の中で失われることが多く、また他の漁師が海底に仕掛けた罠に絡まった後に失われることもあります。ネットは、その後も長年にわたって漁を続けます(そのため「ゴーストフィッシング」という言葉が使われています)。
海流によって遠くまで運ばれるため、ゴーストネットは国境を越えて広がります。推定によれば、オーストラリアの海岸に打ち上げられるネットの95%は、他国から流れ着いたものです。
世界的な漁業活動の拡大と、ますます耐久性の高い合成繊維で作られた漁具が、この問題を悪化させています。
他の海洋ごみと同様に、海流は失われた、あるいは放棄された漁具を「収束帯」へと押し流し、そこで廃棄されたプラスチックと混ざり合い、グレート・パシフィック・ガーベッジ・パッチのような浮遊するごみの島を形成します。
ゴーストギアの撲滅に向けて
手軽に解決できる方法はありませんが、国際連合は、ゴーストギアを抑制するための実践的な対策を示しています。その内容には、漁業界に問題について啓発すること、紛失した装備を報告し、海上で発見したネットを回収した漁業者に対してインセンティブを提供することなどが含まれます。
各港に回収施設を設置することは、漁業者が古くなった、損傷した、あるいは回収した漁具を、リサイクルに備えて迅速かつ安全に処分するのに役立ちます。
また、技術も紛失した装備の追跡と回収に役立っています。漁具にトランスポンダーを取り付け、GPSを用いて紛失した正確な位置を特定することができます。
海底画像技術は、船舶が海底の障害物を避けるのに役立ち、最先端の気象観測機器により、荒れた海域を回避することも可能になります。
また、一定時間以上水中に放置されると溶解する「脱出口」を備えた生分解性の魚罠など、革新的な解決策も存在します。
世界の海洋には、年間最大80万トンの漁具が残されている現状を踏まえると、早急な対策が求められています。
SDMRIのような団体は、地域の海域からゴーストネットを撲滅するために尽力しており、世界的なレベルでは、グローバル・ゴースト・ギア・イニシアチブが、政府、民間企業、漁業界、非政府組織、学術機関を結集し、この問題への対応に取り組んでいます。





