気候危機に関連した記録的な干ばつや熱波により、自然界の一部が生存モードに追い込まれている。
水分を保つ必要があるため、木々は数か月も早く葉を落としており、これが「偽りの秋」を生み出している。
欧州の干ばつは過去500年で最悪となる可能性があり、世界のほかの地域でも極端な状況が起きている。
イングランドの田園地帯では、秋の黄金色や赤色が数か月早く訪れ、季節外れの景観の変化に野生生物の専門家が警鐘を鳴らしている。
英国の大部分では「偽りの秋」が起きている。記録的な熱波や干ばつを受け、自然界の一部が生存モードに入っている。
雨不足で木々にストレスがかかり、葉を落とす時期が通常より最大3か月も早まっている水とエネルギーを節約するためだ。
作物の不作や山火事につながる干ばつ
英国各地で偽りの秋の兆候が報告されているが、深刻で広範囲に及ぶ干ばつのため、世界のほかの地域でも見られる可能性がある。
欧州では、干ばつは過去500年で最悪となる可能性があり、作物の不作や山火事を引き起こしていると、欧州委員会は述べている。
「自然のタイミング」が狂っている?
欧州委員会によると、欧州連合(EU)の64%に干ばつ警戒情報または警報が出ている。中国でもここ数十年で最悪の干ばつが起きていると、フィナンシャル・タイムズは報じている。
英国のスティーブ・ハッセイ氏は、デヴォン野生生物トラストの代表として、 タイムズ紙にこう語った。「最も明白に見られるのは、一部の木が店じまいをして、実質的に早く活動を終えていることです……自然のタイミングがずれているなら、それは本当に大きな問題です」
英国の学校の夏休みが終わる前に、足元で乾いた葉がぱりぱりと音を立てるのは不安を誘う。そしてそれは、気候危機を示す懸念すべき兆候でもある。
英国気象庁の主任科学者スティーブン・ベルチャー教授は、気候に影響を与える人間活動がなければ、この夏に観測された40°Cの気温は英国では「事実上あり得なかった」と述べている。
こうした記録的な気温による干ばつが偽りの秋を引き起こしたと、ウッドランド・トラストのフリーサ・ウェスト氏は述べる。「乾燥した天候では、葉の糖分が濃縮され、葉はより多くのアントシアニン(赤やピンクの色素)を作り出します」
この色素の変化によって、葉は特徴的な秋の色に変わる。その後、木々は枝や幹の水分を保つために葉を落とす。
若い木は回復しない可能性がある
十分に根付いた木は根を広く張っており、偽りの秋を引き起こした乾燥状態を生き延びられるはずだ。
しかし、若い木や道路脇の質の悪い土壌に植えられた木は、回復できない可能性もあると、王立園芸協会の上級園芸アドバイザー、リー・ハント氏は BBC
に語った。ハント氏によると、木には「限界点」があり、失った水分を補えなくなると、ただ乾燥して枯れてしまう。
果実やベリーも数か月早く熟す
ウッドランド・トラストによると、偽りの秋だけが、気候変動によって2022年の「自然のサイクルを狂わせている」現象ではない。
同団体によると、干ばつの際に植物が乏しい水分を保つ必要があるため、果実やベリーは小さくなり、通常より数か月早く落ちる可能性がある。同団体には今年6月28日に熟したブラックベリーが見つかったとの報告が寄せられた。記録上、最も早い時期の一つだ。
夏の早い時期に果実が熟すと、年の後半には食べられなくなる。ウッドランド・トラストによると、冬に向けてエネルギーを蓄えるため果実に依存するハタネズミやクロウタドリなどの動物にとって、これは大きな打撃となる。
木々の再生と植樹に向けた世界的な取り組み
野生生物の専門家は、偽りの秋に鳥やハリネズミ、アナグマなどの動物が対処できるよう、庭に定期的に水を用意しておくよう人々に呼びかけている。
木々も支援を受けている。科学者たちは「霧の集水器」を使って、ポルトガルやスペインのカナリア諸島で木々に水を供給していると、ガーディアン紙は報じている。
集水器は、空気中の水分を取り込むプラスチック製の網だ。荒廃した景観に対処するための Life Nieblas計画の一環として開発された。
ほかにも、世界経済フォーラムの1t.orgイニシアチブの一環として取り組みが進められている。このプロジェクトは、民間部門を動員して「エコ起業家精神」を支援し、2030年までに1兆本の木を保全、再生、育成する世界的な取り組みを推進する。







