効果的なESGパフォーマンスの実現に、詳細な指標と強固な学習文化が必要な理由

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  • 企業がサステナビリティへの口頭でのコミットメントを行動に移すべき時が来ている。

  • しかし、企業は適切なESG指標の定義、質の高いデータの収集、そしてそのデータを戦略に活用することに苦慮することが多い。

  • 詳細な指標に投資すると同時に強固な学習文化を築けば、ESGと財務パフォーマンスの向上につながる好循環を生み出せる。

今日、サステナビリティはあらゆる経営幹部の口に上るテーマのようだ。しかし、そうした言葉の多さに比べ、成果はやや期待外れである。その主な理由は、企業がサステナビリティの実践的な意味を具体化し、測定するのに苦労していることにある。指標を定め、データを収集しても、経営陣はその情報を戦略に活用することにしばしば苦慮する。データに基づかない意思決定は、進む方向も、どれだけ進んだかも示す地図を持たずに山を登るようなものだ。その結果、企業は、社会から「ネットポジティブ」やジェンダー平等の実現を求める声が高まるなかで、脆弱な立場に置かれる。

こうした課題を乗り越えるには、企業が環境・社会・ガバナンス(ESG)パフォーマンスの測定に注力することが重要だ。効果的なESG測定は容易ではない。企業のパフォーマンスを追跡、管理、開示するために必要なデータ、ツール、手法が関わる。関連団体、基準、規制が数多く存在し、いささか受け入れがたい「アルファベットスープ」を成している。さらに、ステークホルダーによって見解が競合し、対立することも多い。信頼、ロイヤルティ、心理的安全性といった課題に適した指標を定めるのは簡単ではない。加えて、企業が直接管理できる範囲の外にあるスコープ3排出量を測定する問題もある。

AMNC - 進化するESG要件への適応 - 英語
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データ不足が効果的なESGパフォーマンスを妨げる

経営幹部もこうした課題を認識している。共同で実施された国連グローバル・コンパクト(UNGC)/アクセンチュアの調査では、CEOの63%が、バリューチェーン全体にわたるESG測定の難しさは、自社業界におけるサステナビリティの障壁だと回答した。別の財務部門のリーダーを対象とした調査では、半数に満たない47%が主要業績評価指標(KPI)を設定し、その後、KPIの実績を追跡、把握、管理するためのデータを調達していた。各指標を裏付ける明確で信頼性の高いデータがあるとされたのは、約4分の1(26%)だった。

ビジネスリーダーは、こうした測定上の課題をどう乗り越えられるだろうか。

まず、ESGとその測定を企業のDNAに組み込むことから始まる。アクセンチュアと世界経済フォーラムは、サステナビリティを「後付け」から「組み込み」へと移行させる21の経営慣行を特定した。ESG測定に関しては、複数の時間軸にわたって投入要素、影響、リスクを分析する「詳細な指標」と、バリューチェーン全体のレジリエンスと俊敏性を高める、的を絞ったスキル開発を通じた強固な「学習文化」の面で、企業が能力を構築している。

「詳細な指標」と「学習文化」は、ESGを効果的に測定し、中核的な意思決定プロセスに統合しようとする企業にとって、特に重要である。Image: アクセンチュア/世界経済フォーラム『持続可能な組織の形成』、2021年

クリーンエネルギーへの移行に向けて、世界経済フォーラムはどのような取り組みを行っているか?

詳細な指標の導入

企業はまず、主要なESGのKPIを定義し、信頼性の高いデータを収集する必要がある。これが「詳細な指標」だ。目標は、サステナビリティパフォーマンスの進捗を継続的に測定・改善し、ESG要因に関連する投入、成果、潜在的リスクを監視することにある。

強固なパフォーマンス管理・報告能力の構築は、重要な第一歩である。好例は、ユニリーバが2016年に設置した指標チームだ。この専門チームはESG指標を戦略的に監督し、測定慣行の厳密性を確保するとともに、すべてのデータポイントに高度な専門性を持つ担当者を置いている。アクセンチュアも2021年12月に360°バリュー・レポーティングを開始するという重要な一歩を踏み出した。これは、財務およびESGに関する目標、進捗、パフォーマンスを明確に概観できるものだ。

組織は、関連するリスク管理慣行を通じて、将来のリスクを最小化し、機会を最大化することもできる。イベルドローラ・グループは、リスク管理においてTCFDガイドラインを導入している。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)のガイドラインは、気候関連リスクの特定、評価、管理の方法を扱う。イベルドローラはこのガイドラインを全社的なリスク戦略にも統合した。同社のリスク評価では、再生可能エネルギー、スマートグリッド、蓄電、デジタル化の分野で主導的な立場を取る場合、脱炭素化による機会はリスクを上回ることが示された。このことは、詳細な指標が企業戦略に直接反映できるし、そうあるべきことを示している。

学習文化の醸成

しかし、指標を定めてデータを集めるだけでは、持続可能な企業にはならない。組織の変革とパフォーマンス向上を促すために必要な知見を生み出すには、経営陣が「学習文化」を築き、従業員とより広いエコシステムの双方で、適切なスキル、能力、レジリエンスを育む必要がある。

まず組織は、従業員のデータリテラシーを高めることで、従業員の成長をどう支援できるかを検討すべきだ。社内の誰もがデータを読み、理解し、データについて意思疎通できることを目指す。アングロ・アメリカンは、スマートで持続可能な鉱業への変革を可能にする重要な要素として、データリテラシーの向上を挙げている。

次の段階はデータの専門知識だ。顧客向けサービスの改善には、的を絞った学習とデータ活用が欠かせない。シンガポールの開発銀行はアマゾン・ウェブ・ サービスと協力し、従業員がAIと機械学習の専門スキルを習得できるよう支援した。その結果、顧客に合わせたデジタルサービスの開発につながった。これには、従来、金融サービスへのアクセスが限られていた開発途上国の顧客も含まれる。

最後に、経営陣は自社組織の枠を越えてエコシステムの発展を検討すべきだ。例えば、排出量や廃棄物への対処に役立てるため、バリューチェーンのデータを共有し、そこから学ぶ方法を考える。好例はリオ・ティントとシュナイダーエレクトリックである。両社は脱炭素化と再生可能エネルギーのソリューションを加速させるために提携した。取り組みには、トレーサビリティと透明性の向上に向けた協力や、ブロックチェーンおよびモノのインターネット(IoT)技術の活用が含まれる。

組織のDNAにサステナビリティを組み込む

信頼性の高い強固なデータの流れと、組織全体に浸透した学習文化を組み合わせることで、組織は好循環を生み出せる。データを収集・分析し、結果から学び、戦略を練り直し、新たなデータを要する問いを見つける、という循環だ。こうして、組織のDNAにサステナビリティを根付かせ、事業価値と持続可能なインパクトを生み出すための強固な基盤を築くことができる。

サステナビリティDNAに関するアクセンチュアの調査全文はこちらでご覧いただけます。また、勤務先のDNAの強さを評価することもできます。

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