世界で最も密猟・密売されている哺乳類を紹介しよう。アジアのセンザンコウ(ウロコアリクイ)は、国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧IA類に指定されている。しかし、IUCNの推計によると、過去10年間に100万頭ものセンザンコウが野生から捕獲されており、密猟者や密売業者の活動は止まっていない。
国連環境計画(UNEP)とインターポールによる2016年の報告書によると、センザンコウの肉やうろこが数十トンにのぼるほか、生きた個体も毎年密売されている。うろこは伝統医療に使われ、肉は高級食材とされている。
UNEPとインターポールの報告書は、動物の違法取引の新たな拠点としてミャンマーを挙げている。
図は、アジア各国からミャンマーを経由して中国へとセンザンコウが運ばれる様子を示している。報告書によると、2007年から2015年の間に、うろこ20トンが押収された。
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化学物質、海産物、紛争ダイヤモンド
UNEPとインターポールの報告書『環境犯罪の台頭』は、動物の密猟にとどまらず、環境関連製品の違法な国際取引がもたらす深刻な影響を評価している。
報告書は、「犯罪者の密売対象には、廃棄物、化学物質、オゾン層破壊物質、違法に漁獲された海産物、木材その他の林産物のほか、金やダイヤモンドなどの紛争鉱物も含まれるようになった」と詳述している。
UNEPとインターポールは、盗難・密売されたこれらの環境関連製品の総額が、最大2,580億ドルに達すると推計している。
この額により、環境犯罪は世界で4番目に規模の大きい犯罪取引となっており、かつてない速さで拡大している。報告書によると、環境犯罪は世界経済の成長率の2~3倍の速さで拡大している。
密売業者への対策
環境犯罪の範囲は広く、野生生物や天然資源の違法な搾取を阻止するための万能な解決策はない。
報告書は、環境犯罪に取り組むための5段階のアプローチを提案している。
第一に、情報の収集と共有を改善する。
第二段階では、政府に対し、環境法の支配を強化し、環境犯罪が平和、安全保障、持続可能な開発にもたらす脅威をより深刻に受け止めるよう求めている。
第三に、環境犯罪対策の指揮・統制を一元化する。ブラジルでは、機関が連携することで、アマゾンの違法伐採が大幅に抑制されており、このアプローチが成果を上げている。
第四の提言は、環境犯罪に取り組む機関に十分な資金と資源を確保することだ。
人々が環境関連製品の違法取引に手を染める主な理由の一つは貧困である。そのため、計画の最後の柱は、密売業者が生計を立てる別の手段を得られるよう、経済的・金融的なインセンティブを提供することだ。
報告書の著者らは、同じ経済的アプローチを需要の抑制にも活用できるとしている。





