この週刊まとめでは、過去7日間の環境に関する主なニュースをお届けします。
主なニュース:昨年、WHOの大気質基準を満たした国はゼロ、生物多様性の損失がもたらす財務リスク、リスクが高まるグレートバリアリーフ。
1. 短報:今週読むべき環境・気候変動の主なニュース
中国は、2025年までに最大20万トンの炭素を排出しないグリーン水素を年間生産することを目指すとともに、長期的には業界の裾野を広げる取り組みを進めています。
ボスニアは今後5年間で20億ドルを再生可能エネルギー事業に投資する計画ですが、欧州連合の反対にもかかわらず、石炭火力発電所の稼働を続けます。
新たな研究により、気候変動の影響で、鳥が年の早い時期に産卵するようになっていることが分かりました。気候変動が動植物のライフサイクルを乱していることを示す、さらなる証拠です。
ドイツでは、3月中旬の世論調査で、週に1度の車の乗り入れを禁止する日曜日を支持すると答えた人が48%に上りました。
国連は、今後5年以内に世界中のすべての人を早期警戒のための気象監視網でカバーすると表明しました。「人類の半数はすでに危険地帯にいます」と、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は述べました。それでも、「世界の人々の3分の1、主に後発開発途上国や小島嶼開発途上国の人々は、依然として早期警戒システムの対象になっていません」。
世界銀行は、世界初の野生生物保全債券を発行し、南アフリカのクロサイの個体数を増やす取り組みに1億5,000万ドルを調達しました。銀行によると、5年満期の「サイ債」は、南アフリカのアッド・エレファント国立公園とグレート・フィッシュ・リバー自然保護区におけるクロサイの個体数の増加率に基づいて、投資家にリターンを支払います。
オーストラリア沖の海域では、グレートバリアリーフを脅かす、より頻繁で深刻な海洋熱波が発生する恐れがあると、先週の報告書は警告しました。これを受け、国連の調査団がリーフを訪れ、世界遺産を「危機遺産」に登録すべきかどうかを判断しています。
南極のコンガー棚氷が崩壊したことが、衛星データで確認されました。ガーディアン紙によると、面積が約1,200平方キロメートルあったこの棚氷は、地域で記録的な高温が続いた後に崩壊しました。
世界経済フォーラムは気候変動にどう取り組んでいるのでしょうか?
2. 昨年、WHOの大気質基準を満たした国はゼロ
新たな調査によると、2021年に世界保健機関(WHO)の大気質基準を満たした国はありませんでした。この調査は6,000を超える都市の汚染データを対象とし、新型コロナウイルス感染症対策のロックダウンによっていったん低下したスモッグ濃度が、一部地域で再び上昇したことも明らかにしました。
WHOは、PM2.5として知られる微小で有害な大気中粒子の年間平均値を1立方メートル当たり5マイクログラム以下にするよう推奨しています。低濃度であっても重大な健康リスクをもたらすとしています。
しかし、2021年に基準を満たした調査対象都市はわずか3.4%でした。大気質を監視するスイスの汚染技術企業IQAirがまとめたデータによると、PM2.5濃度が推奨値の10倍に達した都市は93に上りました。
「削減に向けて大きく前進している国はたくさんあります」と、IQAirの大気質科学マネージャー、クリスティ・シュローダー氏は述べました。「中国は非常に高い数値から出発しましたが、時間の経過とともに低下し続けています。一方で、状況が大幅に悪化している地域もあります」。
3. 生物多様性の損失が世界的な財務リスクに
新たな報告書によると、生物多様性の損失は世界の金融システムにとって見過ごされている脅威です。著者らは、中央銀行はこの問題への理解を深め、商業銀行が対策を講じるための監督上の期待事項を定める必要があると警告しています。
気候変動が議題の優先事項として急浮上する一方で、関連する生物多様性の損失は、それ自体が大きな経済的影響を及ぼし得るにもかかわらず、顧みられてきませんでした。金融システムのグリーン化ネットワーク(NGFS)と持続可能な金融政策に関する国際ネットワークによる報告書が、こうした状況を明らかにしました。
「食料や水、きれいな空気をもたらす自然生態系に深刻な損害を与えるペースで、私たちは生物多様性を損なっています」と、世界有数の中央銀行が参加するグループ、NGFSの議長であるラビ・メノン氏は述べました。「その結果、経済、金融、社会の安定に重大なリスクが生じるおそれがあります」。
「したがって、中央銀行と銀行監督当局は、この問題を理解し、生物多様性の損失に関連するリスクを評価する能力を高めるべきです」と、NGFSは述べました。





