テクノロジーは海洋の少なくとも30%の保護達成にどう貢献できるか

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Achieving 30% protection of the whole ocean means the conservation of 109 million square kilometres.Image: Unsplash/Caleb George
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  • 2030年までに海洋の少なくとも30%を保護・保全すると誓約する国が増えています。

  • このように広大な海域を守るには、違法行為や生物種の移動を監視する最先端の新技術が必要です。

  • 幸い、この分野では新たな発明や技術面での連携により急速な進展が見られると、野生生物保全協会(WCS)のサイモン・クリップス博士は記しています。

南大西洋の夜は暗く、嵐が吹き荒れている。沿岸レーダーが、ある国の管轄権が及ぶ200海里の限界に向かう船を捉えた。当局が船舶の動きを追跡・監視するために義務付けている船舶自動識別装置(AIS)は、監視中の沿岸警備隊に、その船がパナマ船籍の産業用トロール船であることを知らせている。

海底の脆弱な生息環境を理由に新たに指定された禁漁の海洋保護区(MPA)に近づくと、船のAISは突然送信を停止し、船舶は「暗闇」に消えた。漁業保護と保全を担う当局に通報が入る。

通常なら、巡視船が利用できれば派遣して船の動きを確認するところだ。しかし今は夜で、嵐が吹き荒れ、海岸は荒波にさらされている。AISに不具合があり、船はMPA上をただ通過しているだけなのだろうか。それとも別の意図があり、トロール船は網を下ろして海底をさらい、MPAが保護する生息環境や自然を破壊しているのだろうか。

今年後半に生物多様性条約(CBD)締約国会議に臨む予定の国々の間で、海洋の少なくとも30%を保護・保全する誓約が広がっている。「30×30」と呼ばれるこの取り組みは、2030年までに30%を達成することを目指す。こうした約束があっても、将来のために切実に必要とされる保護と回復を実現するには、広大な海域をどう管理すればよいのだろうか。

上記の例は仮定の話だ。船の目的が悪質なものと判明し、事件が裁判での訴追に至れば、視覚的な証拠が必要になるかもしれない。レンジャーや警察、軍関係者を満載した船を出すには時間も費用もかかり、多大な追加資源を要するうえ、安全上のリスクも伴う。これは世界各地の海洋保護に携わる人々が直面する課題だ。

多くのMPAは、存続を脅かす脅威や予測される脅威から、重要な海洋生息環境や生物種を守ることを目指している。汚染や自然の搾取など、そうした脅威の大半は人間に起因する。MPAを効果的に機能させるには、科学的根拠に基づく進捗の監視、人間活動と環境の管理、監視活動、そして脅威を抑え、生物種や生態系を守るために定められた規則・規制の執行が欠かせない。

これを大規模に行うには多大な努力が必要だ。沿岸域と公海の両方を含む海洋全体の30%を保護・保全するには、1億900万平方キロメートル(4,200万平方マイル)を守らなければならない。これは米国全土の11倍を超える面積だ。

Global Fishing Watchの地図。6万5,000隻を超える大型漁船の動きをほぼリアルタイムで追跡する。Image: Global Fishing Watch

このように広大な海域を守るには、最先端の新技術が必要だ。幸い、この分野は急速に進展している。サンゴ礁のデータを記録する携帯型機器から、違法漁業を検知する衛星リモートセンシングまで、技術は幅広い。漁業や動物の移動を監視し、船舶の動きを見守り、違法行為を追跡し、汚染を観測し、国の排他的経済水域(EEZ)全域に目を配る海上監視は、海洋の持続可能な管理に不可欠だ。

しかし、保護の対象となる海域が大幅に広がるにつれ、従来の監視と執行には新たな技術の進歩を組み合わせる必要がある。

他の海事事業者による直接観察、合成開口レーダー、LiDAR(光検出・測距)、赤外線、音響、船舶監視システム、リアルタイムのAISなど、さまざまな情報源のデータを組み合わせることで、人間や、クジラや魚などの生物種の活動状況を把握できる。

先ほどの仮定の例で、船上の監視システムを切った漁船を考えてみよう。航行時の速力が12ノットから、トロール漁が可能な速力である3ノットに落ちたのかもしれない。魚を引き寄せるために利用していたジンベエザメの近くにいたのだろうか。裁判で使えるような船の活動画像を入手できるだろうか。

こうした情報はすべて、雑音の多いデータの海から見つけ出せる。レンジャーや当局が使う空間監視・報告ツール(SMART)システムなど、既存のシステムにデータをつなげれば、執行だけでなく日常的な管理にも役立つ強力なツールを開発できる。

ここで強調しておきたいのは、監視技術の利用は違法行為をする悪者を捕まえることだけが目的ではないという点だ。生物種の移動を監視すること(例えばクジラの音響モニタリング)や、MERMAIDのクラウドソーシング型サンゴ監視技術のように、異なる管理体制のもとで生息環境がどう変化するかを測定することも目的に含まれる。

海洋を守るには、監視と技術を、責任を共有する意識と結びつける必要がある。Image: Rhett A. Butler/Mongabay

この新技術は、レンジャーや小規模漁業者の追跡と保護にも役立つ。海の利用状況を把握し、商業活動の持続可能性を高める管理計画の策定につなげることができる。

世界最高水準の技術を用いた監視と執行も、生計を海に依存する人々、地域社会、各産業との関わりに取って代わるものではない。法律を守り、責任ある行動を取る必要性への意識を高めることは、WCSなどの組織の活動における重要な要素であり続けている。

持続可能な海を実現し、自然を守り、生物多様性の損失を食い止め、気候変動の脅威を減らすために、私たちは利用可能なあらゆる手段を用いて取り組みを強化しなければならない。

そうした手段には、高度な新技術も含まれる。自然保全の分野は、現実の課題に技術を応用するうえで、進歩に遅れずに対応するだけでなく、先導役も果たしているようだ。CBDで各国が最低30%の保護に踏み切るかどうかを決めるにあたり、私はぜひ実現してほしいと言いたい。保全に携わる人々は、成功を後押しする最新技術とともに、その場にいる。

本稿は論評であり、ここに述べられた見解は執筆者個人のもので、必ずしもMongabayの見解を示すものではありません。

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