空の交通に大きな変化が訪れようとしている。来年3月から、パイロットは できるようになり、 自ら航路を決め、地点から地点へ直行する計画を立てられる。
現在、フライトは明確に定められた回廊に沿って飛行する計画を立てなければならない。空にある道路のようなもので、幅は最大10マイルに及ぶ。新制度の下でも、フライトはスコットランド西部のプレストウィック管制センターによる航空管制を受けるが、パイロットは実際に飛ぶ航路をかなり自由に計画できるようになる。
英国の主要航空管制機関である NATSは、いわゆる 「航路自由空域」 への切り替えを決めた。まずはスカイ島とマン島の間にある、 1日あたり約450機が通過する 空域が対象となる。
導入の理由
航路自由空域では、航空機はより短く、より直線的な航路を取ることができる。これにより、飛行効率の向上、費用対効果の改善、エンジン稼働時間の短縮、燃料消費の削減、そしてそれに伴う環境上の利点など、複数の効果が期待される。
実際の運用では、パイロットまたは所属する航空会社が専用ソフトウェアを使って最適な飛行経路を決め、離陸前または英国の空域に入る前に、フライトプランと航路を提出する。これはオンライン、または無線を含む複数の方法で行える。
航路自由空域は、 自動従属監視放送(ADS-B)などの技術によって実現した。この技術は衛星測位を利用し、航空機が数秒ごとに正確な位置を発信できるようにするため、他の航空機のパイロットはそれに応じて航路を計画できる。
その結果、航空機は利用可能な空域をより有効に使い、互いに近い間隔で飛行できる。現在使われている、厳しく制限された航路は不要になる。ADS-Bを搭載する航空機は増加している。オーストラリアでは義務化されている。欧州では2017年から、米国では2020年から、ほとんどの航空機に義務付けられる。
パイロットが中央の調整なしに航路を計画するという考えは、安全上の懸念を招くかもしれない。しかし実際には、航空機は引き続き航空管制の監督下に置かれる。固定航路は確かに安全を保つために設計されたが、レーダーに基づく数十年前のシステムを採用しており、もはや必要ではない。
また、航空機が互いを避けて進路を変えるため、固定航路では遅延が増えると思うかもしれない。しかし航路は常時監視され、最大25分先まで予測されるため、実際にはそうした問題は軽減される。また、航路自由空域は高度25,000フィート(4.8マイル)を超える空域にのみ適用されるため、地上の人々に騒音被害をもたらすこともない。
より広い視点から
NATSは2017年から試験運用をスコットランドの残りの地域と北海の一部に拡大する計画であり、英国の高高度空域全体を航路自由にする 長期戦略 を掲げている(すでに非常に混雑しているイングランドとウェールズの大部分で実現するには、当然ながら、さらに綿密な計画が必要となる)。これは、欧州の航空管制システムの近代化を目指す 「単一欧州空域」 構想の一環として推進されている。同構想は、旅客数が増加するなか、2020年までに航空機が環境に及ぼす影響を10%削減する目標を掲げる。
欧州全域の航空交通調整機関である ユーロコントロール は、 2012年から2035年の間にフライト数が50%増加する一方で、 夜間と週末に中央ヨーロッパ上空で航路自由空域を導入すれば、年間の飛行距離を合計116万km相当削減できると推計している。航路自由空域はすでにスウェーデン、ポルトガル、アイルランドで導入されている。スカンジナビアのその他の地域、イタリア、そして中・東欧では、導入が計画されているか、一部で実施済みだ。また米国では、連邦航空局の NextGenプログラム の一部にもなっている。
注意すべき点
しかし、航路自由化には明らかな利点がある一方、航空交通量の増加を無期限に支え続けることはできないと主張する人もいる。最大の障壁となり得るのは、地上のインフラ(特に広大な土地を占める空港そのもの)と、ジェット燃料費の上昇だろう。
大都市の周辺では、空域はすでに混雑している。計画や管制を改善すれば空域をより有効に利用できるかもしれないが、安全な間隔を保ちながらこれ以上航空機を飛ばせなくなる限界はある。そして、代わりに道路インフラや高速鉄道を整備するのが解決策だとしても、それには独自の課題や議論が伴う。
また、航空機をめぐる環境問題への対処を、航路自由空域だけに頼ることはできない。ユーロコントロールの 中央予測 では、航空交通量の増加が見込まれるにもかかわらず、2035年までに総排出量はわずかに減少する可能性がある。ただし、その予測は燃料効率の改善が続くことを前提としており、それが確実とは言えない。
したがって航空管制は、空港内の地上走行経路の最適化や、フライトの順序付けなど、汚染を減らす別の方法にも取り組む必要がある。これは、移動距離に対する離着陸の影響により、短距離便は長距離便よりも汚染が大きいという事実に基づく。実際、航空路の自由化とは対照的に、経路を最適化する自動システムが検討されるなか、地上走行経路の管制を より一元化する動き が生じる可能性がある点は興味深い。
同じ理由から、航空交通システムと資源を可能な限り効率的に活用するため、計算探索や数学的モデリングにおける新技術を十分に探究し、検証することが重要だ。広大な空域を航路自由にする取り組みを、航空業界を環境重視で近代化する、より広範な動きの一要素として捉える限り、最終的には正しい目的地にたどり着けるはずだ。
本記事は The Conversationとの協力により掲載しています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:アレクサンダー・ブラウンリーは、スターリング大学の上級研究助手。エドマンド・バークは、スターリング大学の研究担当副学長。ウナは、スターリング大学の博士研究員。
画像:2008年10月5日、イングランド中部のイースト・ミッドランズ空港で、日没時に着陸するイージージェット機。REUTERS。


