世界野生生物の日に希望をもたらす、10の保全ストーリー

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“Sustaining all life on Earth” is the theme of this year’s World Wildlife Day on 3 March.Image: Unsplash/A G
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  • 絶滅寸前まで追い込まれたザトウクジラの個体数は、国際的な捕鯨一時停止措置のおかげで回復しました。

  • イスラエルと近隣のアラブ諸国の科学者たちが協力し、紅海のサンゴ礁を守る取り組みを進めています。

  • イングランドでは400年ぶりに野生のビーバーの群れが確認され、そのダムが洪水の軽減に役立っています。

「地球上のすべての生命を支える」が、今年の世界野生生物の日(3月3日)のテーマです。

気候変動が自然界にかつてない打撃を与え、科学者たちが「第6の大量絶滅」

を警告するなか、地球の生物多様性を守るために、私たちには大きな課題が待ち受けています。しかし、その取り組みの一部はすでに始まっています。それを祝うのに、世界野生生物の日ほどふさわしい日はあるでしょうか。

協力すれば何が可能になるのかを示す、心を動かす保全の物語を10件ご紹介します。

1. 絶滅の危機から回復したクジラたち

捕鯨が禁止または規制されて以来、クジラの個体数は回復しているImage: Unsplash/vivek kumar

19世紀から20世紀半ばにかけて、肉や油、脂肪を得るために推定200万頭のクジラが捕獲され、殺されました。南大西洋西部のザトウクジラなどの種は絶滅寸前に追い込まれ、1986年には商業捕鯨が「一時停止」されました。その後まもなく、クジラ製品の国際取引が禁止され、先住民による自給目的の捕鯨には制限が設けられました。

その結果はどうでしょう。現在、ザトウクジラはよく見られるようになり、捕鯨以前の個体数にほぼ戻りました。東太平洋のコククジラも個体数が回復しています。

しかし、まだ取り組むべきことがあります。大型クジラ13種のうち6種は、今も絶滅危惧種または危急種です。アイスランドとノルウェーは捕鯨を続けており、日本も2018年に自国の領海で商業捕鯨を再開しました。

2. 紅海のサンゴ礁を守る共同の取り組み

世界各地で海水温の上昇が、繊細なサンゴ礁の生態系を乱しているImage: Unsplash/Francesco Ungaro

イスラエルと近隣のアラブ諸国の科学者たちが、紅海のサンゴ礁を守るために協力しています。

世界各地で海水温の上昇が繊細なサンゴ礁の生態系を乱し、サンゴは体内にすむ藻類を放出して白くなります。この「白化現象」は食物連鎖の重要な一部を破壊し、サンゴ礁を生物の乏しい海底の砂漠へと変えてしまいます。2030年までに、地球上のサンゴ礁の半分以上が脅威にさらされる可能性があると考えられています。

イスラエル、エジプト、サウジアラビア、イエメンなどの国々の科学者たちは、紅海が直面する最も差し迫った問題の解決策を共に探るため、スイスに研究センターを設立しようとしています。

3. イングランドで400年ぶりに確認された野生のビーバーの群れ

ビーバーは地域の生態系を支えながら、地域社会の洪水リスクを軽減することができます。Image: Unsplash/Ben Amaral

ビーバーは興味深い動物で、皆さんが思う以上に重要な存在です。英国では400年以上にわたって絶滅していましたが、2008年、デヴォン州のオッター川沿いで少数のビーバーが見つかりました。飼育施設から逃げ出し、そこでの環境が適していたようです。現在、川沿いには8つの家族群が暮らしており、研究者たちは地域の生態系にどのような恩恵をもたらすのかを調べています。

ビーバーの出現によって在来植物の再生が促され、巣穴はカワウソや水鳥など、ほかの野生生物の新たな生息地となりました。さらに、ダムで洪水の流れを食い止め、地域社会の浸水被害を軽減する助けにもなっています。

4. マウンテンゴリラの個体数が回復

ゴリラの個体数は増加しており、20世紀末までに絶滅する可能性があるという以前の予測に反しています。Image: Unsplash/Leila Boujnane

かつてマウンテンゴリラは、20世紀末までに絶滅すると予想されていました。しかし、新たな研究により、しばらくぶりに個体数が増加している可能性が示されました。

東アフリカのヴィルンガ山地で保全活動を継続した結果、マウンテンゴリラの個体数は2010年の480頭から2016年には604頭に増加しました。これにより、世界全体のマウンテンゴリラの個体数は1,000頭を超えました。

依然として絶滅危惧種に指定され、病気や人間の干渉に非常に弱い状況にありますが、これは正しい方向への重要な一歩です。

5. ハクトウワシの個体数がかつての水準を取り戻す

1995年、ハクトウワシは絶滅危惧種リストから危急種リストに移されました。Image: Unsplash/Nathan Lemon

約40年前、米国全土でハクトウワシの個体数が減少し、その姿を見かけることは極めてまれで、目撃は大きな話題となりました。米国の国の象徴は絶滅寸前で、回復の望みはほとんどありませんでした。違法な銃猟、農薬汚染、生息地の劣化や破壊が、いずれもハクトウワシの減少に影響しました。1963年までに、繁殖ペアはわずか487組となっていました。

それ以来、ハクトウワシを絶滅の危機から救うため、大きな進展がありました。1972年、餌を汚染していた有害な農薬DDTが米国で禁止されました。1973年には絶滅危惧種法が制定され、特にハクトウワシの保護に役立ちました。1980年代には米国各地で一連の回復計画が始まり、1995年までにハクトウワシは絶滅危惧種リストから危急種リストに移されました。

ハクトウワシは2007年8月9日、危急種リストから除外されました。

6. インドの野生トラの個体数が増加

インドの野生トラの個体数は、2015年以降33%増加しました。Image: Unsplash/ Mohan Moolepetlu

1世紀前、地球上には10万頭を超えるトラが生息していました。しかし、人間が生息地に進出し、トラを狩るにつれて個体数は減少し、2010年には過去最低の3,200頭にまで落ち込みました。

インドは、2022年までにトラの個体数を倍増させるという共通目標に取り組む13か国の一つです。インドの野生トラの個体数は、2015年以降33%増加したと推定されています。

7. モモイロペリカンの個体数が大きく回復

1985年、モモイロペリカンの個体数は安定し、絶滅危惧種リストから除外できる水準に達しました。lImage: Unsplash/The Tampa Bay Estuary Program.

1970年代までに、モモイロペリカンは米国からほぼ姿を消しました。ハクトウワシと同様の状況に陥り、食物連鎖に農薬DDTが入り込んだことで卵の殻が薄くなるなどの問題が起き、ひなの飼育が難しくなりました。

ペリカンは絶滅危惧種法によって、必要とされていた保護を受けました。1980年までに回復の取り組みは本格化し、1,276羽が人の手でルイジアナ州に再導入されました。

1985年、モモイロペリカンの個体数は安定し、絶滅危惧種リストから除外できる水準に達しました。2007年には、ルイジアナ州だけで24,000羽を超えるひなが数えられました。

8. ハイイロオオカミが米国の生息地を取り戻す

米国の48州で、5,443頭を超えるハイイロオオカミが繁栄していると考えられています。Image: Unsplash/Michael LaRosa

人間の干渉によって個体数が減る前、北米にはかつて200万頭を超えるハイイロオオカミが生息していたと考えられています。1960年にはわずか300頭が残り、ウィスコンシン州とミネソタ州の奥深い森林でかろうじて生き延びていました。1974年、ようやく絶滅危惧種法による保護を受けました。

それから40年以上がたち、人間がオオカミをかつての生息地に再導入したことで、個体数は大幅に回復しました。現在、米国の48州で5,443頭を超えるハイイロオオカミが繁栄していると考えられています。

9. トドが復活

現在、野生で繁栄するトドは70,000頭を超えています。Image: Unsplash/Joss Woodhead

トドは米国西海岸沿いに生息していますが、流し網、違法な狩猟、沖合での掘削や石油探査などの危険にさらされています。1979年には個体数が過去最低の18,000頭となり、その後も苦しい状況が続きました。

1990年、トドは絶滅危惧種リストに加えられ、東部と西部の個体群に分けられました。西部の個体群は苦境が続きましたが、東部の個体群は繁栄し、300%増加しました。2013年までに東部の個体群は絶滅危惧種とは見なされなくなり、西部の個体群の環境改善に向けた取り組みは続いています。

現在、野生で繁栄するトドは70,000頭を超えています。

10. 保全の象徴としてのパンダ

パンダは世界各地で保全の象徴にもなっているImage: Unsplash/Xtina Yu

2014年の最新の調査では、野生のパンダが1,864頭確認されました。決して多くはありませんが、1970年代に記録された過去最低の1,000頭からは改善しています。

1979年、WWFは、中国政府の協力を得てジャイアントパンダの保護を支援するため、中国と初の協定を結びました。1980年代、WWFが資金提供した調査と衛星画像により、四川省周辺でパンダに適した生息地が少なくとも50%減少していることが明らかになりました。1990年代には管理計画が導入され、WWFと中国林業部による10年間の協力が始まりました。

パンダの個体数を数えるには、今も多くの人手が必要です。40人ずつのチームが険しい山あいの竹林を踏査し、足跡やパンダの活動の痕跡を探します。

WWFがパンダをロゴに採用したこともあり、パンダは世界各地で保全の象徴となっています。

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