アテネからメルボルン、ソウルからニューヨークまで、大都市は熱波や洪水から街を守り、人々の身体的・精神的な健康を高めるため、樹木の活用を進めていると、都市当局者や環境専門家は述べている。
韓国の首都ソウルは最近、2,000カ所を超える樹林地や庭園を整備した。オーストラリアのメルボルンは、樹冠被覆率をほぼ倍増させ、40%に引き上げる計画だ。目標年は2040年。
アテネは、気温を下げ、突然の豪雨からギリシャの首都を守るため、植樹の拡大を検討している。
「都市のヒートアイランド現象や突発的な洪水は深刻な問題です。樹木を非常に重視しなければならないと分かっていますが、これまでそうしてきませんでした」と、都市自然担当副市長でアテネの最高レジリエンス責任者を務めるエレニ・ミリヴィリ氏は語った。
アテネは2008年の経済危機からの復興が続いており、ビターオレンジやハナカイドウ、ハナズオウなどの樹木を維持管理する職員も不足していると、同氏は語った。今週、イタリア北部の都市マントヴァで開催されている世界都市林業フォーラムでの発言だ。
2030年までに300万本を植樹し、緑地を拡大する計画のミラノでは、過去20年間に気温が摂氏2度上昇し、暑さに関連する死亡者が増加したほか、洪水も悪化していると、同市の最高レジリエンス責任者ピエロ・ペリッツァーロ氏は述べた。
樹木を増やせば「大気汚染を減らし、都市空間の質を高め……気候変動の影響を軽減できる」と、同氏はトムソン・ロイター財団に語った。
冷房需要の増加により、「今では冬と夏で都市のエネルギー消費量に差がありません」と同氏は付け加えた。
アフリカのニジェールやセネガルの都市では、雇用を創出し、家族が食べる果物を提供するとともに、切実に求められている日陰を作るため、植樹が進められている。
健全な樹木
フォーラムの専門家によると、樹木や緑地はストレスを軽減し、人々が運動したり、交流したりする機会を増やす。
しかし、都市人口は2050年までに25億人増加すると予測され、住宅や交通網の需要が高まることで、緑地への圧力が強まっていると専門家らは述べた。
ニューヨークを拠点とするネットワーク100レジリエント・シティーズが水曜日に発表した報告書によると、専門知識やデータの不足、資金を呼び込む力の欠如から、都市は同じ役割を果たす「グリーン」なインフラよりも「グレー」なインフラ事業を選びがちだという。
その結果、沿岸都市を洪水から守るため、マングローブを植える代わりにコンクリートの壁を建設することもあり得る。マングローブは効果的で、費用が抑えられ、景観にも優れ、大気の質も改善すると、報告書を作成した100レジリエント・シティーズは述べた。
「自然を活用した解決策が非常に魅力的なのは、都市林のような一つの介入によって、洪水や熱波から大気汚染、公衆衛生まで、複数の危機やストレス要因に同時に対処できる点です。グレーなインフラでは、こうした対応はめったにできません」と報告書は述べた。
「幸せを生み出す」
都市の恵まれない地域では、樹木やその他の緑地が不足していることが多い。
気候変動の影響を受けるほぼすべての都市で、住民はより大きな平等と公平さを求めていると、C40の北米ディレクターでトロント市長を務めた経験もあるデビッド・ミラー氏は述べた。
「それは経済的な恩恵に関することが多いですが、緑地や森林、健康といった社会的な恩恵にも関わります」と同氏は語った。
ニューヨーク市は100万本の植樹を進め、特に恵まれない地域を中心に、どこで植樹が最も必要とされているかを地図に示していると同氏は付け加えた。
より多くの木を育てる必要があるのは大都市だけではないと、マントヴァ市長は述べた。
国際フォーラムが開かれているイタリア北部の小都市には、5万人が暮らし、樹木が1万6,000本ある。
市議会は、洪水や気温上昇から街を守るため、2020年までに樹木を2万5,000本に増やす計画だ。
「都市の規模の問題ではありません。気候変動はどこにでもあります」と、マッティア・パラッツィ氏はトムソン・ロイター財団に語った。
2年連続でイタリアで最も緑豊かな都市に選ばれたマントヴァは、欧州で最も汚染の深刻な地域の一つにあり、大気をきれいにするために樹木が必要だと同氏は述べた。
「緑地は幸せを生み出し……都市の将来の持続可能性にとって重要です」と同氏は語った。





