自然の炭素吸収源は、大気中のCO2のおよそ半分を吸収します。
海洋や森林からゾウ、菌類まで多岐にわたり、炭素除去に向けて今日すでに利用できる数少ない解決策の一部です。
気候危機への対処に役立てるには、これらを保護することが不可欠です。破壊されると、蓄えられた炭素が大気中に再び放出されるためです。
自然を活用した気候対策は、ネットゼロ達成への取り組みにおいて重要な役割を担います。炭素を取り込み、貯蔵する環境である自然の炭素吸収源は、すでに人間が排出する炭素の半分を吸収していると推定されています。これらの排出は、気候危機を引き起こしています。
世界経済フォーラムの2023年のボランタリー・カーボン市場に関する報告書が指摘したように、海洋や森林などの自然の炭素吸収源は、「炭素除去に向けて今日すでに利用できる数少ない解決策の一部」です。
では、炭素吸収源とは何で、どのように機能するのでしょうか?
簡単に言えば、炭素吸収源とは、排出する量より多くの炭素を吸収するあらゆるものを指します。特に、取り込んだ炭素を恒久的に貯蔵できるものが該当します。炭素吸収源は排出削減の代わりにはなりませんが、気候リスクの一部を相殺できます。
炭素吸収源には驚くほど多様な形があります。しかし、この重要な役割を果たし続けるには、いずれも保護が必要です。熱帯雨林の場合のように損なわれると、蓄えられた炭素が大気中に再び放出されるからです。
世界最大級の炭素吸収源をいくつか見てみましょう。
海洋
国連は海洋について、「単に『地球の肺』であるだけでなく、最大の炭素吸収源でもある」と表現し、気候変動の影響を和らげる重要な役割を担うとしています。海洋は世界の酸素の半分を生み出すだけでなく、すべての炭素排出量の25%も吸収します。
気温が上昇するなか、海洋は大気中の余分な熱の90%も吸収します。CO2濃度の上昇と相まって海水の酸性化が進み、海洋生物に被害を与え、最終的には気候安定化における海洋の役割を弱めています。
森林
樹木は炭素を取り込み、貯蔵しますが、今世紀に入ってから地表の森林面積は減少しています。Global Forest Watchがまとめたデータによると、世界の樹木被覆は8分の1減少し、2000年から2022年の間にCO2を1,950億トン放出しました。
NASAの衛星データによると、世界の森林は年間156億トンのCO2を吸収しますが、森林火災や森林伐採によってそのほぼ半分にあたる81億トンが大気中に放出されます。このことは、あらゆる地域で森林を保護する必要性を示しています。
土壌と岩石
科学者の推定では、地球の土壌には炭素が2兆5,000億トン含まれており、これは大気中の量の3倍、植物や動物に含まれる量の4倍にあたります。輪作などの持続可能な農法によって、その総量を毎年18億5,000万トン増やせる可能性があります。
岩石もまた、役割を担っています。特定の種類の岩石は、炭酸塩鉱物化と呼ばれる過程で自然に炭素を吸収します。現在、科学者たちはこの過程を加速する方法に取り組んでおり、2050年までに大気中の炭素を年間100億トン除去できる可能性があります。
菌類
足元には、気候危機との闘いにおける役割が大きく見過ごされてきた可能性のある、微小な菌類の秘密の世界が広がっています。糸状の菌根菌は植物の根に生息し、根の届く範囲を広げ、土壌から養分を取り込んで宿主植物と分け合います。
科学者たちは今、菌根菌が世界の炭素排出量の3分の1超を取り込み、貯蔵していると考えています。しかし、菌類は現代的な農法から保護される必要があります。専門家によると、リン酸系肥料は菌類の働きを妨げ、気候対策における重要な役割を損ないます。
ゾウ
大型哺乳類は、植物界を守るよりも乱す存在として捉えられがちです。しかし科学者たちは今、最大の動物でさえ、気候危機との闘いに重要な役割を果たすと考えています。自然の炭素吸収を加速させることで、その役割を担います。
たとえばゾウは、燃えやすい植生を食べて森林火災を抑えるだけでなく、植物を踏みつけることで、葉に含まれる炭素を土壌へ押し込む過程を加速させます。土壌中の炭素は、大気中に再び放出される可能性がはるかに低くなります。










