植物工学の画期的な進歩で、さらに何百万人もの人々を養える可能性

A French farmer walks in his sugar beet field in Epinoy, France, August 13, 2018. REUTERS/Pascal Rossignol - RC1CDA68DB80
A French farmer walks in his sugar beet field in Epinoy, France.Image: REUTERS/Pascal Rossignol
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米国の研究者らによると、日光をエネルギーに変える仕組みを調整する新たなプロセスにより、多くの主食作物の収量を40%増やせる可能性があり、さらに数億人を養える可能性がある。

米、小麦、大豆のほか、果物や野菜では、光合成の過程に自然に生じる「不具合」によって植物がエネルギーや資源を消費し、生産性が大幅に抑えられている。

「米国中西部の小麦と大豆の年間生産損失は……この地域だけで約2億人を養えるほどです」と、分子生物学者で筆頭著者のポール・サウス氏はトムソン・ロイター財団に語った。

イリノイ大学と米国農務省農業研究局の科学者らは、同じ不具合を持つタバコの光合成の仕組みを変えるため、細菌、緑藻、その他の植物の遺伝子を導入したと、学術誌『サイエンス』で報告した。

研究者らは3種類の遺伝的変異を試験・比較し、最も成功したものでは、実際の栽培環境で生産性を40%高めるのに十分なエネルギーと資源を節約できることを確認した。

Image: サイエンス

2年以上にわたる圃場試験で、遺伝子改変したタバコは、改変していない株より速く成長し、葉や茎を多くつけたと研究者らは述べた。

「植物の光合成の仕組みはほぼ同じなので、タバコで確認された利点は食用作物にも変化をもたらすと期待しています」とサウス氏は述べた。

ジャガイモ、ササゲ、大豆、米の収量を高めるため、今回の知見を応用する取り組みがすでに進められていると、同氏は付け加えた。

「このような技術が、遺伝子改変作物の健康・環境への影響を調べる厳格な規制承認プロセスを経るには10~15年かかります。したがって、今こうした技術に投資することがいっそう急務です」とサウス氏は述べた。

この研究は、世界の食料生産を持続可能な形で増やす国際プロジェクトの一環だ。資金提供者にはビル&メリンダ・ゲイツ財団と英国政府が含まれる。

しかし専門家らは、世界的な栄養不良危機への対処には、主食作物だけでなく栄養価の高い食品の生産を増やすことが不可欠だと指摘する。この危機により、成人の8人に1人が肥満である一方、9人に1人が飢餓に直面している。

「そうですね、あらゆるものをもっと増やす必要があります。人口はほぼ確実に100億人に近づき、人々の食生活もより豊かになっています」と、プリンストン大学講師で世界資源研究所の上級研究員、ティモシー・サーチンジャー氏は述べた。

持続可能な食料システムに関する最近の報告書を執筆したサーチンジャー氏は、トムソン・ロイター財団に対し、今回の最新の知見は「作物の収量を拡大する新たな方法につながる可能性がある、重要で有望な研究成果です」と語った。

「まだ多くの研究が必要ですが……研究者らが重要なC3作物に注目し始めたことをうれしく思います」と同氏は付け加えた。

「C3作物」とは、C3型光合成を行う主要な食用作物の大半を指す。異なる型の光合成を行う作物には、トウモロコシ、サトウキビ、モロコシがある。

高額な知的財産権を伴うことの多い農業分野の技術革新とは異なり、サハラ以南アフリカや東南アジアの小規模農家は、こうした画期的な技術をロイヤルティーなしで利用できると研究者らは述べている。

国連食糧農業機関(FAO)によると、1~10ヘクタールの土地を管理する小規模農家はアジアとサハラ以南アフリカの食料供給の最大80%を担っているが、その多くは極度の貧困状態にある。

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