地球の表面の71%は海洋ですであり、数十億人の人々が生計を海洋に依存しています。海上輸送は国際貿易に欠かせない要素であり、国際貿易の90%超90%が海上輸送によって運ばれていると、国際連合(UN)の国際海事機関は述べています。
近年の海洋への関心の高まりは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも反映されており、目標14番は「持続可能な開発のために海洋、海及び海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」ことを目指しています。
ブルーエコノミーは重要性を増しており、世界中の政策立案者の間で勢いを得ています。海洋は重要な富の創出源であり、その年間価値は推定で1兆5,000億ドルに上り、世界で7番目に大きな経済規模に相当するため、これは驚くことではありません。
しかしながら、気候変動、人間活動、その他の負担の影響は海にも及んでおり、私たちは世界のサンゴ礁のほぼ半分を失ってしまいました。サンゴ礁は海洋の生物多様性にとって極めて重要であり、海洋生物種の4分の1を支えています。また、数億人もの人々が、生計、栄養、社会経済的な福祉をサンゴ礁に依存しています。
その広大さを考えると、海洋環境を保護しつつ、海洋経済の可能性をどのように引き出せるでしょうか。
革新的な海洋ファイナンス
海洋および沿岸のレジリエンスを強化するためには、革新的な金融ソリューションが必要となります。
ブルーファイナンス、特にブルーボンドは、これらの課題を克服する大きな可能性を秘めています。ブルーボンドは、調達した資金を海に配慮したプロジェクトに限定して充てる、革新的な海洋ファイナンスの手法です。
セーシェル共和国は昨年、世界初のソブリン・ブルーボンドを発行し、この小さな島嶼国のブルーエコノミーを推進するため、総額1,500万ドルを調達しました。世界銀行はこの債券の設計を支援し、副総裁兼財務担当のArunma Otehは、このブルーボンドは「地球をより良く守るための取り組みを支援するプロジェクトに投資家を結び付ける、資本市場の強力な役割を示すもう一つの好例です」と述べました。
その後、北欧およびバルト諸国の国際金融機関である北欧投資銀行は、「北欧・バルト・ブルーボンド」を1月に発行し、排水処理、水質汚染の防止、水関連の気候変動適応などのプロジェクトのために20億スウェーデン・クローナ(SEK)を調達しました。
昨年4月には、モルガン・スタンレーが世界銀行と協力して、1,000万ドル相当のブルーボンドを販売し、海洋のプラスチックごみ汚染の課題解決を目的としました。
国際的な非営利団体であるThe Nature Conservancy(TNC)は最近、「保全のためのブルーボンド」と呼ばれる仕組みを通じて、世界の海洋保全活動のために16億ドルの資金を動員する計画を発表しました。これは、慈善活動を活用し、先行資本を提供することで世界の海を守る革新的な金融モデルです。
ブルーボンドは、ブルーエコノミーを支援するために民間部門の資本を動員する機会をもたらします。資本市場は、環境の管理、とりわけ海洋および沿岸の保護において重要な役割を担っています。

アフリカのブルーエコノミーの強化
ブルーボンドのような革新的なブル―ファイナンスの手段は、アフリカのブルーエコノミーを支援するために不可欠な資金を提供することができます。
海岸線が47,000km以上に及ぶアフリカ大陸には、38の沿岸国および島嶼国があります。例として水産業および養殖業を見ると、国連食糧農業機関(FAO)の推計によれば、この分野は1,230万人以上を雇用し、約240億ドルの経済価値を生み出していると見られています。国連食糧農業機関。この分野は、数百万人のアフリカ人に食料安全保障と栄養を提供するうえで極めて重要です。
食料安全保障はアフリカにおける差し迫った課題です。気温の上昇と海洋酸性化が重なり、水生生態系が変化しています。これは漁業の持続可能性や食料安全保障だけでなく、雇用も脅かしています。生計を漁業に大きく依存している地域社会は、脅威にさらされています。
セーシェルの初のブルーボンドによる調達資金は、「持続可能な漁業プロジェクトを含む」取り組みの支援に充てられました。革新的な海洋ファイナンスの手段は、食料安全保障の強化、生計の保護、生態系の持続に資するよう、水産業などブルーエコノミーの分野への投資に活用することができます。
持続可能な海洋開発
グリーンボンドが資本市場を活用して環境問題に取り組んできた成功が、新興のブルーボンド市場の青写真となることが期待されています。どの新興市場にも言えることですが、これには一定の時間を要するかもしれません。
海洋はアフリカ経済の主要な推進力であり、イノベーションと成長に大きな可能性を秘めています。
海洋の膨大な可能性を活かし、その生物多様性を守るためには、政府、非営利団体、多国間開発銀行、金融セクターの間で、マルチステークホルダーによるアプローチと国際協力が必要です。
アフリカの各国政府は、ブルーエコノミーの価値を認識し、持続可能性と保全を中心に据えながら、投資を呼び込むために必要な政治的意思を示す必要があります。
