パキスタンのこの都市、牛のふんでバスを走らせる計画

A conductor leans on a bus as he waits for passengers at a bus stop in Karachi, Pakistan June 14, 2017. REUTERS/Akhtar Soomro - RC1AC4817190
Karachi's buses are already quite unique.Image: REUTERS/Akhtar Soomro
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大気をきれいにし、地球温暖化を招く排出を減らすため、パキスタンの港湾都市カラチは、ひときわ「汚い」燃料、つまり牛のふんで走る、よりクリーンなバスを導入する。

国際的な緑の気候基金の資金援助を受け、カラチはゼロエミッションのグリーン・バス高速輸送(BRT)ネットワークを開設する。バイオメタンを燃料とするバスを200台運行する。

地元住民は、2020年に運行開始予定の新しいバスシステムが大気汚染や道路騒音の軽減に役立つと述べた一方、市の低迷する交通システムを立て直すのに十分な台数がそろうか疑問視した。

「(カラチの)公共交通システムは完全に崩壊しており、ほとんどの人が配車アプリのタクシー(や)オートリキシャを使わざるを得ません」と、医薬品の営業担当として働く通勤者アフザル・アーメドさん(45)は語った。

約20年前、経営上の問題でカラチ交通公社が一部事業の廃止を余儀なくされると、圧縮天然ガスで走る中国から輸入されたバスは老朽化して道路から姿を消し、公共交通の苦境を深めたと、彼は指摘した。

パキスタンのイムラン・カーン首相の気候変動顧問、マリク・アミン・アスラム氏は、BRTシステムは緑の気候基金が承認した初の交通プロジェクトであり、「環境面と経済面で複数の恩恵」をもたらすと述べた。また、運行補助金は必要ないという。

プロジェクト文書によると、安価でクリーンなバスネットワークは1日当たり32万人の乗客に対応し、30年間で二酸化炭素換算260万トンの温室効果ガス排出を削減する。

BRTは全長30キロ(18.6マイル)の回廊で構成され、150万人の住民に恩恵をもたらす。新たにバス停25カ所を設け、安全な歩行者横断路、整備された歩道、自転車専用レーン、シェアサイクル施設も整備する。

国連の気候変動協議の下で設立された緑の気候基金は、発展途上国がクリーンな成長を遂げ、温暖化する気候に適応できるよう資金を提供する。総事業費5億8,350万ドルのうち、カラチのプロジェクトに4,900万ドルを拠出する。

その他の主な資金提供者は、アジア開発銀行と、カラチが位置するシンド州政府だ。

2016年2月25日、カラチの道路で、パキスタン陸軍参謀総長ラヒール・シャリフ将軍の写真が描かれた横断幕を掲げた街灯のそばをバスが通る。Image: ロイター/アクタル・スームロ

廃棄物を燃料に

4年間かけて導入されるBRTシステムには、ハイブリッドバス200台が配備される。カラチで牛乳を生産する水牛40万頭のふんを当局が回収し、そこから生成したバイオメタンで走行する。

アスラム氏によると、このプロジェクトでは、牛ふんをバイオガス施設でエネルギーと肥料に変えることで、毎日約3,200トンの牛ふんが海に流れ込むのを防ぐ。また、その廃棄物を湾に洗い流すために現在使われている淡水を5万ガロン以上節約する。

政策シンクタンク、環境と開発のためのリーダーシップ(LEAD)パキスタンのCEO、アリ・タウキール・シェイク氏は、バスが段階的に導入されるため、環境への総合的な影響を算出するのは複雑だと述べた。

パキスタンの当局はしばしば維持管理の予算が不足していると同氏は指摘し、バスが故障しても修理されない恐れがあると強調した。

「パキスタンには、援助機関のプロジェクト資金を最適な水準で活用できていないという実績があります」と同氏は語った。

しかし、すべてが順調に進めば、同国初の環境配慮型BRTシステムとして、このプロジェクトは他の地域における「気候変動に賢く対応する都市交通システム」の基盤になるだろうと、シェイク氏は述べた。

ラホール、ムルタン、ペシャワル、ファイサラバードなど他の都市の手本となり、政策立案者や計画担当者の公共交通への取り組みを一新する可能性があると、同氏は語った。

パキスタンのイスラマバードで、乗客がラワルピンディ・イスラマバード・メトロバスサービス(MBS)に乗車するために待っている。Image: トムソン・ロイター財団/イムラン・ムフタール

よりきれいな空気

シェイク氏はさらに、パキスタンは大都市でこうしたプロジェクトを始め、マイカーの利用を抑える必要があると述べた。交通による排出やスモッグを軽減し、大気の質と公衆衛生を改善できるという。

同氏は、都市人口の70%が公共交通を利用するという目標を設定するよう提案した。

大気汚染を和らげるもう一つの方法は、車両向けにより品質の高い石油燃料を輸入することだと、同氏は付け加えた。

「私たちは低品質の燃料を輸入しており、国内の製油所で精製できるのは第3級の燃料だけです」と同氏は語った。

環境弁護士のアフマド・ラファイ・アラム氏は、パキスタンの大都市で過去に実施されたBRTプロジェクトは、環境の持続可能性に重点を置いていなかったと述べた。

計画担当者は、交通システムをより広範な都市開発と結び付け始めるべきだと、アラム氏は述べた。

「排出を減らすため、公共交通の利用を促し、個人の車の利用を抑える、交通指向型の都市設計を導入する必要があります」と同氏は語った。

市民問題を取材するカラチ拠点のジャーナリスト、ジア・ウル・レーマン氏は、シンド州政府が過去10年間に市内で運行したバスは50台未満だった一方、民間のバスとミニバスは2万5,000台から8,000台に減少したと指摘した。

ストライキや政情不安の際にバスが放火されたことも理由の一つだと、同氏は述べた。

新しいバスシステムだけで市の交通問題を解決するのは難しいが、「通勤者にとって短期的な救済となり、大気汚染の軽減にも役立つ」だろうと、同氏は付け加えた。

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