過去7日間の主な環境関連ニュースを毎週お届けするまとめです。
主なニュース:洪水によりシドニー住民に避難命令、米最高裁の排出量に関する判決の波紋、国連海洋会議で環境団体が各国首脳に公約の履行を要求。
1. 今週読むべき環境・気候変動関連の主なニュース
米連邦最高裁判所は6月30日、画期的な大気浄化法の下で、環境保護庁(EPA)が既存の石炭火力発電所およびガス火力発電所からの温室効果ガス排出を規制する権限を制限した。この判決は、証券取引委員会が企業に排出量の開示を義務付ける取り組みに影響する可能性がある。
判決を受け、中国外務省の趙立堅報道官は、米国は気候変動に関する国際的義務を果たすべきだと述べ、「スローガンを叫ぶ」だけにとどまるべきではないとした。
一方、EU諸国は6月29日、気候変動対策のために提案された法案について合意に達し、2035年までに新車の化石燃料車販売を段階的に廃止することと、CO2コストから低所得層を守る数十億ユーロ規模の基金を支持した。
化石燃料が再生可能エネルギーを上回り、天然ガスの利用が過去10年で最高水準に達するなか、化石燃料は欧州連合で最大の発電源となったと、EU統計局が6月30日に発表した。
クリーンエネルギーへの移行に向けて、世界経済フォーラムは何をしているのか?
国際エネルギー機関(IEA)は、世界の原子力発電容量を2倍にする必要があると述べた。各国政府が輸入化石燃料への依存を減らそうとするなか、今世紀半ばまでにネットゼロ排出目標を達成し、エネルギー安全保障の確保に役立てるためだ。
世界の洋上風力発電業界は2021年に過去最高の実績を記録したと、世界風力エネルギー会議の報告書は6月29日に発表した。新規導入容量では記録を更新したものの、2030年までにIEAのネットゼロ目標を達成できない見通しだ。
オーストラリアの新労働党政権は、第一線の科学者を任命し、6カ月間にわたる同国のカーボンクレジット制度の見直しを主導させることにした。クレジットを獲得している一部のプロジェクトは、実際には炭素排出削減につながっていないとの疑惑を受けた措置だ。
NATOは、民間部門と軍事部門の温室効果ガス排出量を削減することを目指すと、イェンス・ストルテンベルグ事務総長は6月28日、同機構初の排出目標を発表する際に述べた。2030年までに少なくとも45%削減し、2050年までにカーボンニュートラルを実現する計画だ。
2. オーストラリアで洪水が続き、シドニー住民に避難命令
7月4日、豪雨が止まず、今年に入って3度目の洪水が発生した低地の一部地域で、シドニーの数万人に新たな避難命令が出された。
ニューサウスウェールズ州の一部地域では、過去2日間に1カ月分の雨が降り、川が増水し、シドニーの主要ダムであるワラガンバ・ダムが放流を余儀なくされた。
オーストラリア保険協議会の推計によると、3月と4月にニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州南東部で発生した洪水による保険対象の損害額は、48億豪ドル(33億米ドル)に上った。
オーストラリアでは、東海岸に平年を上回る降雨をもたらすことが多い太平洋の気象現象「ラニーニャ」が、2年連続で発生した。気象局によると、ラニーニャ現象は6月に終息したが、今年後半に再び発生する確率は50%だ。
海面水温の上昇と、インド洋ダイポールモード現象という別の気象現象により、平年より雨の多い天候が続いている。気象局は6月、インド洋ダイポール指数が5月に負の値に転じたため、オーストラリアの大部分で冬と春の降雨量が平年を上回る可能性が高まったと発表した。オーストラリアの冬は6月から8月まで。
専門家は、気温が高いほど大気中に多くの水分を保持できるため、大雨の頻度が増加していることは、気候変動によって予想される状況と一致すると述べた。
保険会社エーオンの上級自然災害アナリスト、トム・モートロック氏はロイターに、「ほとんどの気候モデルは、オーストラリアで降雨事象の頻度が増加することを示唆している」と語った。
3. 国連海洋会議閉幕、環境団体が各国首脳に公約の履行を要求
環境団体は各国首脳に対し、先週リスボンで開かれた国連海洋会議で交わした公約を守り、世界の海を守るためにできる限りのことをするよう求めた。
世界自然保護基金(WWF)のマルコ・ランベルティーニ事務局長は、「海洋の健全性に関して、世界の海洋、気候、沿岸地域社会が必要としているのは公約ではなく、確かな前進だ」と述べた。
会議には、各国首脳、科学者、NGOなど約7,000人が参加した。多くの参加者は、ウクライナ戦争によるエネルギー危機が気候変動対策を損なう可能性を懸念した。フランスのエマニュエル・マクロン大統領らは深海採掘への懸念を示し、一時停止を求める声も上がった。
参加者は、海洋生物を保護する国連指令の実施状況を評価した。
WWFは各国首脳に、機運を捉え、公海の保護をめぐる長年の課題、たとえばプラスチック汚染に対処するため、「強力な国際条約」を速やかに制定し、批准するよう求めた。
リスボン会議は、加盟国が8月に集まり、各国の管轄権の及ばない公海を保護する待望の条約の取りまとめを目指す前に開かれる、最後の大規模な政治会合となる。
グリーンピースのローラ・メラー氏は、リスボン会議の成否は8月に測られることになると述べた。




