アマゾンを守る:先住民の文化はいかにコロンビアの熱帯雨林を守っているのか

Trees and foliage in the Amazon rainforest.
In nearly every Latin American country, indigenous lands showed lower deforestation rates than other forest areas, found a 2021 UN report.Image: Pixabay/rosinakaiser
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  • 先住民コミュニティは、コロンビアのアマゾン熱帯雨林を守る最良の守り手として広く認められている。

  • 森林として再生する農地を利用することから、自然そのものが権利を持つという考え方まで、そう言われる理由を紹介する。

2021年12月、コロンビアの川沿いにあるベラ・ビスタのコミュニティで、家族の食料用農地から作物を収穫するノルマ・ソウザ・マタピ。Image: トムソン・ロイター財団/ファビオ・クッティカ

ノルマ・ソウザ・マタピはなたを使い、根元からパイナップルを切り取ると、額に掛けた編み袋に入れる。コロンビアのアマゾン熱帯雨林の奥深くにある家族の食料用農地で作業をしている。

アマソナス県南東部のこの人里離れた地域では、先住民コミュニティが古くからの信仰体系と自然に根差した文化に基づき、ほぼ手つかずの森林を数千年にわたって守ってきた。

「女性たちは種を守り、家族やコミュニティの誰もが十分に食べられるようにし、踊りや集会に必要な食料も確保します」と、密林に囲まれた川沿いの小さなコミュニティ、ベラ・ビスタでソウザは語った。

昔ながらの休閑農法に基づき、ソウザはこの農地を5~7年間耕作する。その後、管理された焼畑で近くの別の区画に移り、土壌を回復させ、木々を再生させる。

「大地を休ませる時間を与えます。森の恵みで暮らしているから、森を大切にし、必要なものだけを取るのです」と、彼女は語った。そばにはキャッサバ畑、薬草園、儀式に使うタバコやコカの植物があった。

「私たちは何千年もここで暮らしてきましたが、森を破壊していません」と、マタピ先住民グループの一員であるソウザは語った。

先住民は、自分たちの土地がどのように分けられているかを頭の中に、時には紙の上にも地図として持っている。狩猟、漁業、農耕のための区域が定められている。

立ち入れない区域もある。聖地のほか、他者との接触を避けて暮らす小規模で孤立した先住民グループの近くにある土地も含まれる。

「木を切る前には、まずシャーマンの許可を得なければなりません。切ってよい樹種も限られています」と、コミュニティの「カピタン」でソウザの夫でもあるセレスティーノ・ユクナは語った。

漁業にも規則がある。アマゾンのほかの地域では魚を殺すために使われるダイナマイトの使用などは禁止されている。

また、「私たちは牛を飼いません。牛はあらゆるものと土壌を破壊するからです」と彼は語った。ペッカリー(小型の野生イノシシ)などの動物を狩るための槍を研ぎながらのことだった。

コロンビア、ベラ・ビスタ川沿いのコミュニティの「カピタン」、セレスティーノ・ユクナ。Image: トムソン・ロイター財団/ファビオ・クッティカ

森を守る人々

こうした慣習があるため、コロンビアのアマゾンをはじめ世界各地の先住民は、学者や環境保護活動家、多くの政府関係者から、森林を守る最良の担い手と見なされている。

アマゾン流域に残る手つかずの森林のほぼ半分は、先住民の領土内にあると国連は述べている。

2021年の国連報告書によると、ラテンアメリカのほぼすべての国で、先住民の土地はほかの森林地域よりも森林減少率が低かった。

アマゾン全域で森林減少がなお進むなか、地球最大の熱帯雨林に残るこうした重要な森林を守る効果的な方法を見つけることは、気候変動のリスクと急増する自然の喪失の双方に対処するうえで欠かせない。

樹木は、地球温暖化をもたらす二酸化炭素の世界排出量のおよそ3分の1を吸収する。その二酸化炭素は、石油、ガス、石炭の燃焼によって発生する。樹木は降雨の調節にも役立ち、作物に安定した水分をもたらし、食料の安定供給を支える。

国連の研究者によると、ブラジル、コロンビア、ボリビアのアマゾン流域地域で先住民の土地権を確立し、その後維持する費用は、1ヘクタール当たり年6ドル未満だという。

研究者らは、先住民の森林1億ヘクタール(中央アメリカ全域のほぼ2倍の面積)の土地権を確保する費用は、年間6億ドル未満と推計した。

先住民による森林管理の効果を示す証拠は、資金配分の優先順位にも影響を及ぼしている。先住民の文化を強化し、その権利と独自の知識を守るための支出が増えている。

英国、米国、ドイツ、ノルウェー、オランダなどの援助国政府は、約17億ドルを拠出すると表明した。11月のCOP26気候会議で、先住民と森林コミュニティが2025年までに土地権を前進させるための支援として約束された。

コロンビアのアマソナス、バウペス、グアイニアという孤立した熱帯雨林県では、1,100万ヘクタールを対象とする740万ドルの事業が、地域コミュニティを「先住民領域自治体」、すなわち国に認められた地方政府へと移行させ、土地に対するより大きな権限を持てるよう支援することを目指している。

「心の地図」

ベラ・ビスタから川を下ること数時間、つる植物が垂れ下がり、高いヤシの木がそびえる密林の中を曲がりくねって流れるミリティ・パラナ川沿いに、約35家族が暮らすプエルト・グアヤボのコミュニティがある。

集会所であり、伝統的な茅葺きの共同住居でもあるマロカには、コミュニティと自然との関係を導くシャーマン、エベリオ・ユクナが暮らしている。

その役割には、作物を育てるために割り当てられた小さな土地を焼く許可を与える前に、農民を蛇にかまれないよう守る儀式を行うことも含まれる。

彼の幅広い知識の根底には、水や森林を含む自然には精霊と所有者が存在し、何かを利用するにはその所有者の許可が必要だという信念がある。

コロンビアの川沿いのコミュニティ、プエルト・リブレで、古くからのマムベ儀式に使うコカの葉を粉にする先住民の男性。Image: トムソン・ロイター財団/ファビオ・クッティカ

シャーマンは、木を伐採する前に森の精霊とつながる治癒の儀式を行い、許可を求める。

「木々は人間のように扱われ、命の源です」と彼は語った。会合を始め、参加者を自然と結び付ける古くからのマムベ儀式の一環として、緑色のコカの葉の粉とタバコのペーストをかみながらのことだった。

「私たちは自然から生まれた存在で、大地から生まれました。自然の恵みで暮らし、自然に依存しています」と彼は語った。

「だからこそ、自然を大切にし、守らなければならないのです」と彼は付け加えた。儀式の踊りに使う伝統衣装や聖なる品々を収めた箱が、建物の木製の屋根裏に並ぶ下に座っていた。

精神的指導者として、エベリオ・ユクナは先祖伝来の文化的慣習や信仰が守られるよう責任を負っている。

「私は次の世代に伝えるべき心の地図を持っています。理論と実践、何が聖なるもので何がそうでないかを伝えなければなりません。私は人々の記憶なのです」と彼は語った。

迫り来る脅威

ミリティ・パラナ川沿いの各コミュニティでは、こうした信仰が高床式の老朽化した木造校舎で子どもたちに教えられている。校舎はかつて先住民の言語や踊りを禁じ、その後追放されたカトリック宣教師によって建てられたものだ。

今では先住民の教師が母語とスペイン語の両方で教え、月の周期に基づく生態暦を子どもたちに学ばせている。この暦は年に2回の主な収穫を可能にし、コミュニティの自給自足を支える。

先住民の指導者らは、自分たちの文化と先祖伝来の土地が、金鉱採掘業者や伐採業者から圧力を受けていると警告する。彼らはコロンビアのアマゾンのこの地域にはまだ入り込んでいないが、近づいている。

コロンビアのほかの熱帯林やアマゾンの各地、ペルーのマードレ・デ・ディオス地域などでは、断続的なゴールドラッシュと違法採掘によって、かつて手つかずだった森林が、砂丘の間に採掘跡のクレーターが沈む荒廃した土地へと変わっている。

コロンビアの川沿いのコミュニティで、アマゾンの先住民グループの主食作物であるキャッサバを調理する女性たち。Image: トムソン・ロイター財団/ファビオ・クッティカ

先住民の世界観では、自然は神聖なものであり、金やその他の鉱物を含む森と土壌のすべてを商品化することはできない。

「自然には命があり、私たちに恵みを与えてくれます」と、日陰のマロカの中で木のベンチに座る44歳の先住民指導者、アリリオ・ユクナは語った。

「金の採掘が合法か違法かは関係ありません。同じ被害をもたらします。金は商品でも、生産するものでもありません。私たちにとって、それは神聖なものです」と彼は語った。

アマゾンを守るため先住民と協力するコロンビアの非営利団体、ガイア・アマゾナスの代表フランシスコ・フォン・ヒルデブランドは、こうした見方は西洋文化と相いれないと語った。西洋文化では「自然を、人間の必要のために利用する対象物の集合体と見ています」。

「先住民は自然を、魂と力と所有者をそれぞれ持つ主体の集合体と見ています」。そのため、彼らの「開発」の定義は大きく異なると彼は語った。

こうした先住民の見方は、ボリビアからニュージーランドまで、河川や生態系に「自然の権利」を認める各国の法律に、ますます取り入れられている。

現在、少なくとも14か国で施行されているこうした法律は、たとえば樹木や動物に分け前を残さず、川の水をすべて人間の利用に割り当てることを防ぐ可能性がある。

自然や気候、先住民グループを守る必要性と、牛肉、大豆、鉱物、エネルギーなどの世界的な需要拡大との間で緊張が高まるなか、こうした法律を導入する国は増えるとみられる。

雇用創出や輸出収入の増加を目指し、石油や鉱業のロイヤルティで予算を支えることも多い熱帯雨林諸国には、とりわけ強い圧力がかかっている。重要な森林をそのまま保全するための緑の資金にはアクセスしにくく、代替策となる国際金融支援も不足している。

こうした奨励策や金融面の圧力が変わらなければ、誰もが代償を払うことになると、先住民の指導者や環境保護活動家は警告する。

「自然を尊重すれば均衡が保たれます。その規則に従わなければ、自然は報復します」とアリリオ・ユクナは語った。

「どのような開発であっても、自然との均衡と調和を保たなければなりません。そうでなければ、私たちはそれを望みませんし、存在し続けることもできません。」

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