気候変動を訴えて若者が街頭に繰り出す様子を目にし、海面上昇、氷河の融解速度、大気中の炭素の憂慮すべき量について毎日のようにニュースで報じられるのを見聞きするにつれ、多くの人々が行動したいという思いを抱いています。しかし、気候危機の深刻さは、特に環境分野で働いていない人々にとっては、圧倒的なものに感じられることもあります。取るべき簡単な手順が明確でなければ、無気力が忍び寄ります。
世界中の多様なコミュニティと、ほぼ20年にわたり気候変動対策のプロジェクトに取り組んできた中で、私はこの無気力を直接目の当たりにしてきました。誰もが抱く共通の問いはこのようなものです。「気候危機はすでに目の前に迫っている。では、私には何ができるのか」
行動を起こす方法は数多くあります。あなたがCEOであれ、学生であれ、プロのアスリートであれ、あなたの声には意味があります。私たちは誰もが独自の影響力を持っており、自身の影響圏全体に波及効果をもたらすことができます。私たちには、それぞれ個人の影響圏(社会的・家族的な人間関係)、コミュニティの影響圏(居住都市や地域の団体)、職場の影響圏(職場環境、学生の場合はキャンパス環境)、業界の影響圏(専門団体)、そして世界的な影響圏(ソーシャルメディアでのリーチや国際的な所属団体)があります。
私は、これらのネットワークを活性化し、人類が直面する最大の課題の解決に貢献するために取ることのできる5つのステップをまとめました。
1)議論を始める
研究によると、平均的な個人は毎日35,000件の意思決定を行っているという結果が示されています。もし、そうした選択のごく一部にでも気候変動対策の視点を取り入れたらどうなるでしょうか。何を食べるか。どこで買い物をするか。何を購入するか。どこで働くか。どの候補者に投票するか。あなたの選択は重要なのです。そして、日常的にあなたと接する人々(現実世界でもオンライン上でも)は、あなたの行動を見ています。
意思決定において気候危機を考慮すると、周囲はそれに気づきます。議論が始まり、あなたの決定の効果は何倍にも広がります。ブランドが、インフルエンサーに自社の服を着てもらい、自社の車を運転してもらい、自社のホテルを利用してもらうのは、人々が自分と関わりのある人、あるいは自分が見習いたいと願う人の好みに従う可能性が高いことを、ブランド側が理解しているからです。私たちは皆、仲間のグループを持っています。同じ交友関係の中で行動する人々です。気候に配慮した決定を一つ下すたびに、あなたは なぜ電気自動車を選んだのか、なぜ勤務先でカーボンニュートラルへの取り組みを導入したのか、あるいはなぜクリーンテック企業の株式を購入することにしたのか について、こうしたグループ内で議論を始めることになるのです。

2)人間関係の資本を活用する
あなたにとって特に重要な気候問題はありますか。あなたのネットワークの中には、変化をもたらす影響力や権限を持つ人がいるかもしれません。あなたのネットワークがあなたの日々の決断を見ているのと同じように、あなたが懸念を表明すれば、人々はそれに耳を傾けます。その後に何が起こるか、驚かれるかもしれません。
私たちは、自分が築いている人間関係のネットワークがもつ価値に、しばしば気づいていません。「六次の隔たり」という概念は、「六次の影響」にも当てはめることができます。環境課題を認識していても、必要な変化を実現できる権限のある立場にない場合でも、それを実現できる意思決定者とつながっているかもしれません。声を上げ、他者の行動を促してください。大衆に影響を与えるために、国家の指導者や有名人である必要はありません。
3)地域、地方、国家、そして世界の政策環境を理解する
政策環境は地域によって大きく異なります。既存の政策(環境に役立つものと害を及ぼすもの)について学べば学ぶほど、規制や法律がクリーン技術の普及を支える上で極めて重要な役割を果たしうることが分かってくるでしょう。世界の人口が都市へと移り住むにつれ、こうしたコミュニティの形成を導く政策は、エネルギー、廃棄物、水、土壌の健全性、その他の主要な影響分野において、取り去るものより多くを還元しなければなりません。
4)他者の声を広げる
においてパリ協定により、世界は規模の大小を問わず各国の指導者が結集し、一つにまとまる姿を目の当たりにしました。この種の公的な約束は、非国家主体にも野心を高め、同様の誓約を行うよう促しました。このため、パリでの合意は転換点であったと主張する人も多いでしょう。各国が排出量に対して責任を負う姿勢を示し、他国もそうできる、そうすべきであることを明確にしたのです。
しかし、物語はパリで終わったわけではありません。グレタ・トゥーンベリがダボスでカメラの注目を集めた際、「家が燃えているかのように目を覚まして行動してほしい」と大人たちに訴えたことで、人々は街頭へと繰り出しました。グレタの運動は新たな声が加わる契機となり、権力のある立場の人々にも行動を促しました。あなたのコミュニティの中にも「グレタ」のような存在を見つけ、その声を広げることが重要です。
また、該当する場合は、コミュニティの先住民にも目を向けてください。彼らは土地と密接に暮らす中で膨大な知識を蓄積してきており、今まさに その土地が急速に劣化していく最前線に立たされています。その専門知識は、広く発信される場を得ることで、真に変革をもたらす解決策を生み出すことができるのです。

5)旅路を認め合う
そうです、私たちは迅速に行動する必要があります。しかし、さらに重要なのは、共に歩み、同じ方向へ進むことです。それぞれが旅路のどこまで進んでいるかにかかわらず、統一された目標を追求する中で、互いを支え合わなければなりません。何十年も環境運動に携わってきた人もいれば、先週見た映画に触発された人もいるでしょう。それでも、どの一歩にも意味があります。大小を問わず、他者の前向きな取り組みを支えなければなりません。科学的知識の水準が他の人と同じではないという理由で、人々が行動をためらうようなことは許されないからです。
さあ、あなたは何を待っているのでしょうか。気候危機と闘うには、できるだけ多くの人々が一つの共通の目標、すなわち健全な地球の実現に向けて、力を合わせて取り組む必要があります。






