世界では毎日、20億杯を超えるコーヒーが飲まれています。その一杯を淹れるのに使われたコーヒーかすの大半は捨てられ、毎年600万トンが埋め立て処分されています。
これは環境に悪影響を及ぼします。コーヒーかすが分解されるとメタンが大気中に放出されます。メタンは温室効果ガスの中で2番目に多く、地球温暖化係数はCO2の最大86倍です。
また、コーヒーを飲む人に温かさとカフェインをもたらした後も多くの用途がある貴重な資源を、大量に無駄にしていることにもなります。

コーヒーかすを再利用し、サーキュラーエコノミーに貢献する意外な5つの方法をご紹介します。
1. バイオ燃料
コーヒーをしばらく置いておくと、表面に光沢のある膜ができるのをご存じでしょうか。その膜は、コーヒー豆に含まれる天然の油分です。油分のすべてがカップの中に出るわけではありません。多くは抽出後に捨てられるコーヒーかすに残っています。
コーヒーかすに含まれる天然の油分は抽出してバイオ燃料に利用できます。最近の実験では、米国のチェーン店ダンキンドーナツが、コーヒー由来のバイオ燃料だけで稼働する小さな住宅を開発しました。
抽出後のコーヒーかすから油分を取り出し、アルコールと混ぜて、エステル交換反応と呼ばれる化学反応を起こします。これにより、コーヒー約80%、アルコール20%のバイオディーゼルと、副産物のグリセリンが生成されます。
バイオディーゼルを洗浄・精製して最終製品に仕上げ、一般的なバイオ燃料発電機で発電に使います。
コーヒーを原料とするバイオディーゼルは、ロンドンのバスでの試験運行にも燃料として使われています。
2. コーヒーかすの燃料ログ
この冬、暖を取るために従来の薪を燃やす代わりに、コーヒーかすの燃料ログを暖炉にくべてみてはいかがでしょうか。
英国企業のバイオビーンは、全国の事業所、大学、鉄道駅からコーヒーかすを回収しています。
ケンブリッジシャーにあるコーヒーリサイクル工場では、数千トンのコーヒー廃棄物をコーヒーかすの燃料ログ
に加工しています。コーヒー25杯分のかすから作られる同社の燃料ログは、窯で乾燥させた木材より燃焼温度が20%高く、燃焼時間も20%長いとバイオビーンは主張しています。また、コーヒーかすを埋め立て処分する場合に比べ、燃料ログを燃やしたときの排出量は80%少ないとも述べています。
3. 温室効果ガスを回収
埋め立て地でコーヒーかすを分解させてメタンを大気中に放出する代わりに、廃棄されたコーヒーかすに二酸化炭素とメタンを貯蔵する方法を、科学者たちが見いだしました。
英国物理学会の学術誌『Nanotechnology』に掲載された研究は、明らかにしています。コーヒーかすを水酸化カリウムとともに加熱すると、メタンを貯蔵できる材料が生成されます。
処理したコーヒーかすからできるこの材料は、自重の最大7%に相当するメタンを貯蔵でき、室温で安定しています。
二酸化炭素の貯蔵にも利用でき、現在利用可能な他の炭素回収・貯留方法に比べて、処理は比較的速く低コストです。
4. 肥料
コーヒーかすのリサイクル方法として、おそらく最もよく知られているのは肥料として使うことです。多くのカフェやコーヒーチェーンが、顧客に無料でコーヒーかすを配り、持ち帰って庭で使ってもらうようになりました。
ただし、ご注意ください。研究によると、コーヒーかすは植物に施す前に、少なくとも98日間堆肥化する必要があります。
それまでは、コーヒーかすに含まれるカフェイン、クロロゲン酸、タンニンの濃度が高く、植物にとって有害です。
しかし、コーヒーかすを堆肥化すると、こうした毒性は弱まり、植物は焙煎豆に含まれるカリウムや窒素を利用できます。
5. 髪を洗う
コーヒーかすは天然の油分、カリウム、窒素が豊富なだけでなく、研磨性のある質感を持つため、家庭で使うさまざまな洗浄剤の代わりとして再利用できます。
髪をきれいにするのにも使えます。スタイリング剤を使う人は、シャワー中にコーヒーかすを髪になじませると、スタイリング剤の残留物を浮かせて取り除きやすくなります。





