なぜ私は感情的知性が嫌いなのか

なぜ私は感情的知性が嫌いなのか
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頭が悪い人は、自己肯定感を試してみて、それでどうなるか見てみるといい。

これは、迫害されたくないので名前を明かせない、親しい尊敬すべき米国人教授の言葉です。感情的知性という概念は、1990年代に職場や教育の場に導入されて以来、ほとんど異論を唱えられることがありませんでした。EIが私たちの生活に入り込むきっかけとなったのは、1995年にダニエル・ ゴールマンの研究書『EQ こころの知能指数――なぜ、IQより大切なのか』が刊行されたことでした。
感情的知性とは、思考と行動の両方の指針として感情を用いる能力と定義されます。子どもや教育に関しては、「自己肯定感」を育む実践と密接に結び付いています。個人の反応や応答を重視することで、EIは生徒中心の学習アプローチ(英国では子ども中心の学習)と強く結び付いています。

生徒中心の学習では、生徒一人ひとりの関心、能力、学習スタイルを重視し、クラス全体ではなく個々人の学びを支援する役割を教師に置きます。

異なる「学習のペース」を認めることで、SCLはすべての子どもを対等な立場に置きます。SCLでは、ある子どもを別の子どもより「遅れている」あるいは「知能が低い」とは見なしません。この枠組みのもとでは、ある子どもは同級生より感情的知性の水準が高い一方で、IQは低いと言える場合があります。子ども同士のこうした「知性」の差は問題とは見なされず、むしろ害のない興味深い「違い」と捉えられます。

教育制度に加えて、感情的知性は職場でも次第に中心的な役割を担うようになりました。管理職やリーダーシップの研修では、感情的知性という概念が、従業員の行動原理として理性や判断に取って代わるようになっています。何を生み出すかではなく、互いにどう関わるかが重視されるのです。

失敗を慰めるもの

感情的知性には、いくつかの理由から大きな問題があると私は考えています。第一に、それは失敗を慰めるものだと思います。ある子どもが読めないことについて、同じ子どもは感情的知性が高いのだから親は心配しなくてよい、と教師が言うのを聞いたことがあります。大人が、読み書きはできないけれど、いわゆる優れた「対人スキル」があると言うのも、よく耳にします。

判断を下すことの拒絶

気まずく、不評を買うような判断を下す代わりに、私たちは「感情的知性」の陰に隠れます。この場合、EIとは優しくすることです。相手の見方を理解し、その人を批判しないことです。その間に相手の自己肯定感を高められるなら、それは何よりよいことだというわけです。判断を下すには、理性を働かせ、感情を排することが前提となります。また、何が正しく何が間違っているかをわきまえていることも前提です。批判と同じく、判断は人を不快にさせ、自己肯定感を絶えず高めようとする必要性に反します。

理性を感情に置き換える

何かについてどう感じるかは、今やそれについてどう考えるかより重要だと見なされています。何かに対する「感情」は、より真正で、深く、強いものと見なされます。問題は、感情は行動や理解の指針として劣っていることです。さらに、理性とは異なり、感情の状態は一時的です。このため、感情は理性よりはるかに信頼性に欠けます。

「自分、自分」という文化を助長し、長続きさせる

感情が主導権を握ると、私たちは他者よりも自分自身をはるかに気にかけるようになります。「自分の」考えや「自分の」感情であるというだけで、それは正しいに違いなく、異議を唱えられてはならないということになります。これは「不快にさせる」という問題に表れています。気分を害されたなら、気分を害されたというだけで道徳的権威を持つことになります。言い換えれば、あなたを動揺させたというだけで、それは間違っているのです。

感情の優位性を基盤とする「不快原則」は、言論の自由と率直な表現の権利に大混乱をもたらしてきました。一部の人を動揺させることがあり、必ずしも「優しい」ものではないとしても、教育や判断、理解において、理性を感情に置き換えるべきではありません。

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著者:ダン・トラヴィスは、LinkedIn、ソーシャルメディア、SEOに代わる手法について講演するパブリックスピーカーです。

画像:ニューヨーク証券取引所の取引終了の鐘の後、反応するトレーダー。REUTERS/Lucas Jackson

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