Entrepreneur Insidersネットワークは、米国のスタートアップ界で最も思慮深く影響力のある人々が、起業やキャリアに関する時宜を得た質問に回答を寄せるオンラインコミュニティです。「新しい職務で、従来とは異なる経歴をどう生かせますか?」という質問への今日の回答は、Courseraのグローバル企業開発担当バイスプレジデント、リア・ベルスキーが執筆しました。
テクノロジー業界で働くための最初の一歩は、法律の道は自分には合わないと認めることでした。ロースクールに在籍していた私は、シリコンバレーの法律事務所で夏の仕事をしながら、範囲の狭い単調な案件に取り組んでいました。周囲では、新進のテクノロジー企業が世界を変えつつありました。私もぜひその一員になりたいと思っていましたが、そこへ移る明確な道筋はありませんでした。プログラミングやプロダクトマネジメントの経験も、そうした企業が求めていると思われるスキルも、何一つ持っていなかったのです。
それから数年後、私は有力な教育テクノロジー企業の幹部になりました。開発者として自分を一から作り変えたのではありません。代わりに、ほぼすべての業界に共通するいくつかの中核的なスキルを生かしました。
法律からテクノロジーへ、金融からマーケティングへ、医療から教育へ、あるいは一見無関係に思える別の分野へ移る場合でも、次の4つがあれば転身はずっと容易になります。
ゼロから何かを築いた経験
どの業界で働いてきたとしても、新しいものを築いた経験がいくらかあるはずです。ゼロから始めて物事を実現するには、粘り強さと熱意が必要です。これは、どのキャリアにも欠かせません。
法律の仕事に就いていた時期も、その前も、私はアイデアを考え、プロジェクトを立ち上げ、組織づくりや創造的な取り組みに携わり、チームと協力して改善を重ねながら一緒に形にしてきました。今、私の周りには、調査、設計、反復改善という同様のプロセスでテクノロジー製品を作る人たちがいます。
私の場合、チームづくりに自分の得意分野を見いだしました。現在の職務で最初に直面した課題は、営業・事業開発チームをゼロから作ることでした。私は、どんなプロジェクトを立ち上げるときにもそうするように取り組みました。解決すべき課題を把握し、必要となる人材のタイプやスキル、個性を考え、学びを支えるチーム文化を築くための手を打ちました。今もチームと絶えず協力しながら、社内外の業務を改善しています。ごく短期間で大きく前進し、全体として順調に成長しています。
絶えず学び続ける力
今日の職業に共通するものが一つあるとすれば、それは学ぶことの価値です(否定的に捉えるなら、学ばないことのリスクです)。新しい手法や基準が日々生まれ、前例は変わり、ツールは磨かれていきます。誰もが仕事に必要なスキルを絶えず学び直しています。一つの業界で学ぶのが得意なら、その力はほかの業界にも生かせます。
私自身の例を挙げると、数年間ほかの職種を経験した後、収益部門のチームリーダーとして知識を取り戻しているところです。その短い期間にも、習得中のツールは大きく進化しました。特に分析や自動化の分野で顕著です。それでも私の取り組み方は、ロースクール時代に使っていた実績ある方法、つまり読書し、質問し、さまざまなユースケースに照らして理解度を確かめることを基本にしています。他の分野と同じように、学んでいることの一部は1年以内に時代遅れになるかもしれません。大切なのは、必要なときにいつでも専門知識を更新し、そのために意識的に取り組めることです。
率先して手を動かし、必要なことをやり遂げる姿勢
法律の仕事で長く不満の募る夏を初めて過ごした後、私はオープンソースの動画スタートアップを立ち上げたイェール大学時代の友人に電話しました。「君の会社で働きたい」と、私は率直に伝えました。「必要なことは何でもやる。法律の仕事から抜け出したいんだ」
彼は私を無給のパートタイムインターンとして採用し、顧客への電話や開発チームへのフィードバックの伝達を任せました。決して華やかな仕事ではありませんでしたが、業界に足掛かりを得る機会でした。私は粘り強く働き、できる限り多くを学びました。結局その会社に5年間在籍し、退職する頃には上級幹部チームの一員として160人を率いていました。
業界を問わず、新しいことを始めるときは、最下層かその近くから始めることになる可能性が高いでしょう。しかし、書類の編集や電話、ファイルの調査など、一見単調な仕事にも、学び、自分のスキルを証明する機会があります。チームに価値をもたらすために必要なことをいとわず実行する姿勢を示せば、すぐに昇進できるでしょう。
テクノロジー業界は法律業界と違いますか?もちろんです。何より、私はテクノロジーの仕事のほうが好きです。しかし表面的な違いの奥に目を向け、リーダーとして成功するための中核的なスキルや人格的な特性を考えれば、両者には多くの共通点が見つかるはずです。何かを築く力があり、生涯にわたって学び続け、必要な時間を惜しまないなら、テクノロジーでも法律でも、どんなキャリアでも成功できます。


