人材をめぐる新たな選択:求職者の優先事項で、柔軟な働き方を雇用可能性が上回る

The new 'give and take' presents an opportunity for employers to cultivate a motivated workforce.
The new 'give and take' presents an opportunity for employers to cultivate a motivated workforce.Image: Unsplash/Austin Distel
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  • 経済の先行きが不透明ななか、人材は長期的な雇用可能性の確保とストレスの軽減のために、一定の仕事上の特典を手放す傾向を強めています。

  • 新たな報告書によると、急速に変化する職場に従業員が適応するなか、職場での存在意義、労働時間の裁量、ストレス軽減の重要性が高まっています。

  • 雇用主にとって、従業員が改めて「与えるものと得るもの」の両方を受け入れる姿勢を示していることは、人材戦略を見直す機会となります。

マクロ経済の変動、人口動態の変化、そして構造的な人材不足を背景に、世界各地で人材にとって新たな優先事項が浮上しています。それは雇用可能性です。これは労働者にとって大きな変化であると同時に、逼迫する労働市場で競争力を高めるため、人材戦略のあり方を雇用主が再考する戦略的な機会でもあります。

柔軟性も引き続き重要ですが、当社の最新のWorkmonitor Pulse報告書によると、変化する雇用市場で関連性と雇用可能性を保つため、人材は新たな条件の交換に応じる意向を示しています。同様に、安定とウェルビーイングのためにも、こうした妥協を受け入れることがデータから分かります。

組織にとって、こうした変化は、進化する人材の優先事項を事業目標や戦略に合わせ直す機会となります。交渉の余地が広がるなか、人材との「与えるものと得るもの」のやり取りをうまく進められる企業は、信頼と忠誠心を築けるでしょう。それはひいては、レジリエンス、生産性、人材の定着という形で成果をもたらします。

かつては柔軟性より優先度が低かった雇用可能性が、今や人材の期待の中心にあります。Image: Randstad

選択その1:リモート勤務ややりがいのある仕事より雇用可能性を重視

7カ国の5,000人を超える労働者を対象とした最近の調査は、この変化を示しています。雇用可能性、つまり関連性、スキル、安全性を保つことと、リモート勤務を比較してもらったところ、67%が雇用可能性を優先しました。同様に、52%はリモート勤務よりスキル習得や研修の機会を重視し、59%は雇用され続けられることが、刺激ややりがいのある役割に就くことよりも重要だと答えました。

これらの調査結果は、キャリア開発と継続的な学習への投資が、雇用主による将来を見据えた人材育成と長期的な忠誠心の構築を支える事業上の推進力であることを示唆しています。

Z世代は、ストレスを減らすために給与を手放すことに、上の世代より前向きです。Image: Randstad

選択その2:高い給与よりストレスの軽減を優先

ワークライフバランスは、引き続き多くの従業員にとって重要な関心事です。世界全体では、回答者の60%が、たとえ高い給与を諦めることになっても、ストレスの少ない役割を選びたいと答えました。

すでに40%が行動に移し、給与は低くてもストレスの少ない役割を受け入れていました。Z世代の回答者(1997年から2007年生まれ)は、年上の世代と比べて、こうした選択をした割合が高くなりました(44%)。

ストレス軽減に続いて、柔軟性も重要な優先事項として浮上しました。多くの人材が、働く時間や場所の自由度を高めるために、給与(39%)やキャリアアップ(43%)を手放す意向を示しています。

雇用主にとって、こうした知見は、より健全な職場づくりにおいてウェルビーイングと業績が結び付いており、それが優秀な人材の獲得と定着に重要であることを示しています。

人材にとって、柔軟性とは勤務地だけでなく、時間を自分で決められることでもあります。Image: Randstad

選択その3:通勤先より時間の使い方を自分で決められることが重要

柔軟性が人材にとって何を意味するのかをさらに詳しく見ると、当社のデータは、どこで働くかより、いつ働くかを自分で決められることの重要性が高まっていることを示しています。

人材の半数以上(56%)にとって、在宅勤務ができるといった勤務地の柔軟性よりも、労働時間を自分で決められることが重要です。さらに多くの人が、労働時間をより自由に決められるなら、高い給与を諦めてもよいと答えています(59%)。ここでも、Z世代は、より柔軟で給与の低い役割を実際に選んだ割合が上の世代より高くなりました(49%)。

同様に、46%は昇給より休日が増えることを望むと答えました。この傾向は、完全リモート勤務者で最も強く見られました(53%)。

雇用主には、柔軟性の定義と提供方法を見直すことが求められます。現在の慣行を評価し、人材が時間をより自由に使える新たな方法を探ることで、組織はより魅力的でレジリエンスの高い職場を築けます。

選択その4:フルタイム出社義務の代償

雇用主が現在の勤務形態に関する方針を見直すなか、柔軟性に対する考え方の変化は、フルタイムでの出社(RTO)に対する回答者の姿勢にも表れています。

多くの労働者は、フルタイムでの出社を避けるためなら、高い給与(50%)や昇進(53%)を諦めるなど、大きな譲歩をする意向です。一方で、RTO方針が義務付けられた場合に、見返りとして何を求めるかも明確です。

フルタイムの出社義務を受け入れる条件として、人材が求めるのは、より高い給与、より柔軟な労働時間、追加の休暇です。こうした条件は、完全リモートで働く人々に特に強く見られます。4分の3は給与の増額を復帰の条件とし、74%は時間の裁量拡大を、66%は休暇の増加を求めています。

忠誠心は自動的に得られるものではありません。人材は見返りとして、公正な給与、意義ある支援、共有された目的を期待しています。Image: Randstad

明らかになった、人材の長期定着を促す上位3つの要因

雇用可能性と柔軟性は、人材と雇用主の間の持ちつ持たれつの関係における出発点にすぎません。当社の調査によると、長期的な忠誠心の構築には、さまざまな要因が関わっています。

今後5年間、現在の職場にとどまる理由について尋ねたところ、回答者の74%が生活費の上昇に見合う毎年の昇給、68%がキャリア開発を支援する上司、67%が組織の価値観の共有が重要だと答えました。長期定着に影響するその他の要因として、サバティカル休暇の取得(58%)、家族(42%)や高齢の親族(41%)の介護支援も挙げられました。

雇用主が人材の動機や状況を理解すれば、信頼を築き、長期的な定着を促す職場環境を整えやすくなります。

人材の定着には、一人ひとりの動機を理解することが重要

人材が優先事項を検討し、条件を選び取るなかで、雇用主には関係における自らの役割を見直し、協力して共通点を見つける機会があります。

人材不足が続くなか、組織は個人の心に響き、事業戦略にも合致するキャリアパス、働き方、支援的な環境を提供しなければなりません。最も効果的な戦略は、人々に硬直的な働き方を求めるのではなく、一人ひとりのニーズに合わせて仕事を調整することに重点を置きます。

事業目標と変化する個人の期待のバランスを取る雇用主は、人材を定着させるだけでなく、意欲的で柔軟に対応し、将来の成功を推進できる労働力を育むことができます。

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