他者の道徳性を評価することが協力を促す理由

Matteo Achilli (R) works with one of his assistants in his office in Formello, north of Rome July 25, 2013. Achilli, dubbed the Italian Zuckerberg by Panorama Economy, is the 21-year-old founder of Egomnia, a social network created to match companies looking to hire graduate job seekers. According to Achilli, Egomnia, which was founded in February 2012, has around 100,000 users, about 600 multinational companies in Italy as clients and a 2013 sales volume of about 500,000 euros. Picture taken July 25, 2013.REUTERS/Tony Gentile (ITALY - Tags: BUSINESS EMPLOYMENT) - RTX1201Y
Moral judgments showed lower rates of retaliation and higher levels of generosity.Image: REUTERS/Tony Gentile
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互いの道徳性を評価するよう促すと、よりよく協力するようになることが、研究で示された。

『Scientific Reports』に掲載された研究で、研究者らは、互いの道徳性を評価する機会があった人々は、そうした評価ができなかった人々よりも、集団内で協力し、互いを信頼する傾向が強いことを明らかにした。

「人々は自分の道徳的な評判をとても気にかけています。批判されるかもしれないと知っているだけで、協力が続くのです」

「一般に、人々は道徳的な判断を否定的に捉えています」と、スタンフォード大学の社会学者ロブ・ウィラー氏は言う。「しかし、社会で望ましい行動を促すうえで、道徳的判断は重要な手段です」

研究者らはまた、互いに肯定的または否定的な評価を下すことが認められた集団では、メンバー同士の信頼や寛大さがより高まることも見いだした。

さらに研究によると、そうした集団の協力の水準は、金銭的な罰によって集団内の協力を促した集団と同程度だった。」

よりよい制裁の形?

道徳的判断が社会秩序の基盤であるという考えは、19世紀後半から存在している。しかし、これまでの研究の大半は、道徳的な推論や判断を個人の内面的な心理過程として捉えてきた。

好意や不賛成を費用をかけずに表明することが、集団内の個人の行動にどう影響するかを調べた研究は、これまでほとんどない。また、こうした研究で、道徳的判断と金銭的制裁を比較したものは一つもなかった。金銭的制裁も協力を高めることが示されていると、ウィラー氏は言う。

研究の一環として、ウィラー氏らは4人からなる集団を54組募り、対照群、対人道徳評価群、物質的制裁を用いる2種類の条件の計4条件に無作為に割り当てた。

研究参加者はそれぞれ、最初に20金銭単位を受け取り、個別のコンピューター端末を使って、割り当てられた集団のメンバーと匿名でやりとりした。約1時間にわたるやりとりでは、集団に利益をもたらす基金に自分のお金を寄付するよう促す一連の課題が行われた。参加者は、集団の誰かが寄付したかどうかを確認でき、割り当てられた条件に応じて、その人の道徳的な行動を称賛するか、金銭的制裁を科すことができた。

研究結果は、集団内の協力を実現するうえで、道徳的判断は金銭的制裁よりも優れているようだと示している。どちらの条件でも協力の水準は同程度だったが、望ましくない行動を互いに金銭で罰した集団では、報復が生じた。金銭的な罰を受けたメンバーが、自分に制裁を科した相手に報復したのだ。

道徳的判断を用いた集団では、物質的制裁を用いた条件と比べ、報復の割合が低く、寛大さ、信頼、信頼性の水準が高かった。

「人々は自分の道徳的な評判をとても気にかけています」とウィラー氏は言う。「批判されるかもしれないと知っているだけで、協力が続くのです」

研究者らはまた、人々は費用のかかる金銭的制裁を科すよりも、他の集団メンバーについて意見を述べる傾向が強いことを見いだした。金銭的制裁が科されたのは約36%だったのに対し、評価が下されたのは74%だった。

ただし、そうした評価の多くは肯定的だった。研究によると、人々が互いの行動を称賛した割合は約60%で、否定的な評価は14%だった。

低コストの動機づけ

ウィラー氏によると、この研究結果は、集団行動に関する既存の研究に重要な貢献をもたらす。物質的制裁は過去10年の間に、集団内の協力と調和を実現する有力な方法として浮上している。

物質的制裁に焦点を当てた研究からは、制裁制度の進化について重要な知見が得られてきた。一方、ウィラー氏と共同研究者らは、集団内の協力を促すうえで、より効果的で低コストに見える道徳的判断の力について、さらなる研究が必要だと訴えている。

「自分自身を道徳的な行為者と見なし、他者からもそう見られたいという動機は、物質的利益を最大化しようとする意欲に劣らず強い動機になり得ることを、今回の知見は示唆しています」と、ウィラー氏ら共著者は報告書に記している。

サウスカロライナ大学の社会学教授ブレント・シンプソン氏と大学院生アシュリー・ハレル氏も、この研究の共著者である。研究資金は米国国立科学財団が提供した。

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