ディアスポラの労働者はすでに故郷に送金している。知識も送ることができるだろうか?

Workers are reflected in an office building's windows in Sydney's Barangaroo business district in Australia's largest city, May 8, 2017. REUTERS/Jason Reed - RC11A5782D60
Could successful professionals help their companies, their fellow employees and their home economies all at once?Image: REUTERS/Jason Reed
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よくある移民の物語だ。向上心にあふれた若者が、機会を求めて故郷を離れる。別の国に移り、仕事を見つけ、懸命に働き、キャリアの階段を上っていく(シリコンバレーで時に「ジャングルジム」と呼ばれるものだ)。文化や言語に不慣れな環境にもかかわらず、新たに専門職に就いた彼女は成功を収める。自分の会社を立ち上げることもあれば、ほかの会社に加わったり、投資したりすることもある。新しい故郷に根を下ろすと、彼女は受け入れてくれた国への感謝と深い忠誠心を抱く。同時に、故郷に残してきた人々への責任も感じている。恩返しをしたいが、帰国するつもりはない。

聞き覚えがあるだろうか。STEMや金融、大手企業で働いているなら、この説明に当てはまる人を知っている可能性は高い。従来、第一世代と第二世代の移民は、送金という形で故郷に資金を送ってきた。その規模は年間6,000億ドルに上る。ところが近年、第二の形の送金が広がりつつある。企業や従業員、国全体にも恩恵をもたらすものだが、スマートモバイル端末が登場する数年前までは、大規模に行うことはできなかった。

金銭の送金から知識の送金へ

成功した移民の専門職の間で、自分の時間や専門知識、いわゆる「知識の送金」を共有したいという人が増えている。世界銀行が実施した最近の調査によると、中東・北アフリカ出身の専門職の87%超が、「出身国にいる人々のメンタリングに時間を投資する意思がある」という意見に強く同意した。実際、知識やスキルの共有にすでに取り組んでいると答えた割合は43%で、故郷への送金を行っている割合(42%)をわずかに上回った。

成功を収めた専門職と、同じルーツを持つ意欲ある労働者をつなぐことは、企業、高等教育、そして世界経済にとって有益だ。その理由を見てみよう。

強固で多様な人材パイプラインを築き、収益を高める

高等教育への在籍者数は急増しており、過去15年間で米国外ではほぼ3倍に増え、2億5,000万人に達した。その増加の大半は新興市場で起きている。そこでは大学に、急速に変化する世界経済で学生が優良な仕事について学び、職を得て、活躍できるよう支援する、充実したキャリア支援や卒業生向けサービスが不足している。そうした世界経済では、工業生産や農業生産より知識が重視されるようになった。初めて、大学卒業生が大企業に採用され、母国から働くことが可能になり、頭脳流出の抑制にもつながる。翻訳プラットフォームMotaWordの創業者エヴレン・アイは、「今日、新興市場の教育を受けた現地人材は、インターネットを通じて仕事にアクセスし、収入を得られる可能性が高まっている」と述べている。

頭脳流出を食い止める……ダンス大会で優勝したインドの子どもたち。 Image: Reuters/Ajay Verma

しかし、導いてくれる人がいなければ、彼らはそうした機会をつかめない。ディアスポラの専門職、つまり言語やルーツ、文化的背景を共有する人々は、助言や専門知識を提供するのに最も適しており、調査からも、彼らがその意欲を持っていることが分かる。こうした人々が時間と才能を提供できる機会を設けることは、従業員にとって意義あるエンゲージメントの一形態であり、収益にも寄与する。政府もこの取り組みの価値を認識し始めている。たとえばヨルダン政府は、私たちのチームとともにLocalizedで、ディアスポラの専門職とヨルダンの大学生をつなぎ、学生が私たちの言う「事情を理解してくれる人からの助言」を得られるよう取り組んでいる。

世界的な分散型労働の潮流に対応する

によると、FlexJobsの創業者兼CEO、サラ・サットン・フェルによると、過去10年間でリモートワークは115%増加した。ギャラップの調査によると、2012年から2016年にかけて、米国ではほぼすべての業界で分散型人員の増加が報告された。フォーチュン500企業のうち少なくとも59社がリモート勤務者を雇用しており、その先頭に立つ企業もある。Automatticは評価額が10億ドルを超えるが、オフィスを持たない。同様に、Dellは2020年までに、全従業員の50%が週に少なくとも数日、リモートで働く体制を目指している。起業家のサンジブ・ライは、こうした企業について「情報のハイウェイを通じて事業を展開し、高速道路や港湾といった物理的インフラの障壁を越えている」と語る。そのため、事業を行う場所にかかわらず、優秀な従業員を見つけ、育成し、定着させる必要がある。新興市場に進出し、新たな言語的・文化的・地政学的環境に踏み込む企業にとっては、とりわけ重要だ。

新入社員がすぐに力を発揮できるよう支援する

雇用主からよく聞かれる課題の一つは、職務で力を発揮するための専門スキルと対人スキルの両方を備えた従業員を採用することだ。同じ適応の過程を経験し、コミュニティ全体の成功を心から願う人々以上に、新興市場の意欲ある専門職が環境に慣れるのを手助けできる人がいるだろうか。言語やルーツ、文化的背景を共有する世界各地の専門職の助言や専門知識を活用すれば、企業は新市場で人材を見つけ、育成し、定着させるまでの時間を短縮できる。

自社や同僚、業界に貢献しながら、不均衡な世界の競争環境を是正する助けにもなることを、誰もが日常的にできるわけではない。海外にルーツを持つ成功した専門職が、メンタリングやキャリア相談、研修を通じて苦労して得た教訓を共有できれば、明日のキャリアの階段、あるいはジャングルジムを、より上りやすくすることにつながる。

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