企業は従業員への支援を進めているものの、米国企業ではトランスジェンダー女性が依然として取り残されていると、マッキンゼーの報告書は指摘しています。
企業は人々の違いを認め、性自認や望む呼称について従業員に教育する必要があると、報告書は述べています。
次の5つのヒントは、経営幹部がトランスジェンダーの従業員を包摂する文化を育み、多様性に富んだ豊かな職場をつくるのに役立ちます。
現代の企業には、かつてとは異なる形で進歩を遂げ、従業員を支援することが期待されています。それでも、米国企業ではトランスジェンダー女性が依然として取り残されています。実際、トランスジェンダーの成人はシスジェンダーの成人と比べて失業する可能性が2倍高く、マッキンゼーの報告書によると、トランスジェンダーの成人にはさらに厳しい現実があります。就業しているトランスジェンダーの人々の給与は、シスジェンダーの従業員より年間32%低くなっています。
米国の組織はLGBTQ+の従業員を支援するうえで大きく前進してきましたが、さらに改善する必要があります。トランスジェンダー女性にとって真に包摂的な職場環境をつくるには、企業のリーダーがDEIBに真摯に取り組まなければなりません。
経営幹部として、また人種的背景の異なる3人の子どもを育てる母親として、私は、十分に代表されていないマイノリティ(URM)が絶えず直面する課題をよく知っています。だからこそ、企業における真のDEIBの推進に力を注いできました。とりわけ、現代の職場で支援を得ることに今なお苦労しているトランスジェンダー女性のために取り組んでいます。
経営幹部の皆さん、トランスジェンダーの従業員を包摂する文化を育むため、次の5つのヒントを参考にしてください。
性自認についての教育を行う。
人々の違いを無視して偏見を放置するのではなく、性自認の違いについて従業員に教育しましょう。従業員が調査する時間を業務時間内に確保し、差別的な行動とは何か、またそれに対処する方針について、従業員にしっかりと研修を行ってください。Formstackは2023年、DEIBを推進するため、真のアライとは何か、従業員がどう行動できるかについての充実した研修を含む、一連のテーマを網羅した研修プログラムを開始する予定です。
率直さを歓迎する文化をつくる。
従業員が安心して私生活について話し、自分らしさを表現できる、誠実なリーダーシップのスタイルを育みましょう。たとえば、今年初めに開催した年次全社会議で、非常に実りあるダイバーシティ・パネルをきっかけに有意義な対話が生まれた後、私たちのチームは、参加者に個人的な経験を共有するよう促しました。一人が話せる場を設けることで、ほかの人たちも同じように話すようになると分かりました。実際、そのパネルの後、DEIB評議会の新たな役職を募集したところ、応募が殺到しました。
雇用主は、従業員がSlackのプロフィールやメール署名に代名詞(例:he、she、they、ze)を記載できる機会を設けられます。性自認を非公開にする従業員もいますが、多くの人はこの取り組みを歓迎するでしょう。
トランスジェンダーに配慮した方針を導入する。
性別適合のための医療処置を受ける従業員を支援する方針を策定し、トランスジェンダー女性が利用するトイレや服装規定について柔軟に対応しましょう。また、嫌がらせや不当な扱いを受けた場合、従業員がどこに相談すればよいかを周知してください。給与、採用、昇進、その他あらゆる形の差別に関する不平等に直面するトランスジェンダー女性の従業員を支援するため、すべての企業が明確な行動計画を持つべきです。
ERGを設立し、活動を促進する。
URMは企業環境のなかで孤立し、寂しさを感じることがあります。つながりを生み出すため、企業は従業員が主導する、トランスジェンダー女性の従業員を明確な対象とした任意参加のERG(従業員リソースグループ)を支援できます。ERGは、性自認を非公開にしている従業員も含め、互いに集まり、支え合い、組織の包摂性における課題の解消を助ける、心理的に安全な場となります。Formstackは今四半期、女性のための初のERG「StackHers」を立ち上げました。従業員のニーズに応じて、2023年を通じて複数のERGを立ち上げることを目指しています。
真のアライシップを促す。
どれほど善意があっても、従業員全員がDEIBの価値観を受け入れ、体現しなければ、企業のリーダーだけで真の包摂性を実現することはできません。そこで重要になるのがアライシップです。トランスジェンダーのアライは、性的指向や性自認を問わず、トランスジェンダーの権利と包摂性に強い関心を持つ人なら誰でもなれます。アライはトランスジェンダー女性の声に耳を傾け、直面する課題を理解し、その日々の暮らしに影響するニュースや出来事を追います。アライシップは行動で示されます。トランスジェンダー女性の平等を支持して声を上げ、ときには居心地の悪い対話にも踏み込み、職場のなかに力強い包摂の動きを少しずつ生み出すことで、自らの存在を示します。
トランスジェンダー女性の従業員を包摂する職場をつくることは、従業員構成の豊かな多様性につながります。DEIBの価値観を実践することは、間違いなく正しいことです。それに加えて、さまざまな視点や人生経験を従業員が持ち寄る助けにもなり、生産性を高めるとともに、創造性や問題解決能力の向上にもつながるでしょう。


