パンデミックの始まり以降、記録的な数の人々が仕事を辞めている「大退職時代」は、収束の兆しを見せていない。
世界の労働者を対象とする最大規模の調査の一つによると、2022年に労働者の5人に1人が仕事を辞める計画だ。
大半はより高い賃金を求めているが、3分の2を超える人が職場でより大きな充実感を求めていると答えている。
2021年5月に生まれた「大退職時代」という言葉は、パンデミックの始まり以降、記録的な数の人々が仕事を辞めている状況を表している。通勤せずに在宅勤務をする期間が長く続いた後、多くの人がワークライフバランスをより重視するようになった。
仕事の世界におけるこの変革は、引き続き急速に進んでいるようだ。世界の労働者の5人に1人が、2022年に退職を計画しているこれは、コンサルティング会社PwCが2022年3月に44カ国・地域の5万2,000人超を対象に実施した「世界の労働者の希望と不安」調査の主要な調査結果だ。転職を望む主な理由は、予想どおり賃金であり、71%が重要な理由として挙げた。
男性は女性より、自分の報酬が経済的に公正だと答える傾向が強かった。報告書の執筆者は、これは富の不平等が長年続いている問題を反映していると述べ、賃金の透明性や女性の労働参加率の向上など、ジェンダー平等の課題を前進させる必要性を強調している。
仕事への満足度と「大退職時代」
しかし、労働者を引き留めるにはお金だけでは不十分で、意味や意義に関わる目に見えない要素も、ほぼ同じ割合で挙げられた。転職を検討する従業員が挙げた理由のうち、仕事の充実感は2位、職場で本来の自分らしくいられることは3位だった。
一部の管理職は、職場でデリケートで意見が分かれかねない社会・政治問題について従業員が話し合うことを懸念するかもしれない。しかし調査では、労働者の65%が同僚とそうした問題について頻繁に、または時々話し合うと分かった。この割合は若年層(69%)や民族的マイノリティ(73%)でさらに高い。PwCの報告書は、こうした対話を促し、支援するために雇用主がさらに取り組むよう促している。
柔軟性が鍵
報告書によると、勤務形態の柔軟性は従業員にとってますます重要になっている。しかし、雇用主の見方との間には隔たりがある。従業員の26%がフルタイムのリモート勤務を希望すると答えた一方、雇用主がその形態を採用しそうだと答えた人は18%にとどまった。
また、従業員の18%は雇用主がフルタイムの出社勤務を求めそうだと答えたが、その形態を望む従業員はわずか11%だった。
もちろん、世界の労働者のかなりの割合はリモート勤務ができない。調査によると、このグループ(回答者の45%)は、ハイブリッド勤務または完全なリモート勤務をしている人々より仕事への満足度が低かった(50%に対し63%)。
また報告書によると、この人々は他の人々と比べて、「自分の仕事に充実感を見いだしている、チームが自分の幸福を気にかけている、自分の報酬が経済的に公正だ、あるいは仕事で創造性を発揮できる」と答える可能性がはるかに低い。
専門性が大きな力に
調査によると、専門的な訓練を受けた労働者は高い需要があり、本人たちもそれを自覚している。
このグループは、今後12カ月以内の昇給(41%。専門的な訓練を受けていない労働者では25%)や昇進(37%。同21%)を求めることに、はるかに自信を持っていた。
PwCによると、従業員の力を引き出すことは仕事への満足度を高め、それは企業にとっても好ましいことだ。こうした従業員は、自分の勤務先を推薦する可能性がはるかに高かった(45%。専門的な訓練を受けていない労働者では29%)。
雇用主は重点を変える必要がある
調査は、今日の厳しい環境で企業が成功するには、「従業員一人ひとりの固有のニーズに合わせて、労働力戦略を調整しなければならない」と結論づけている。
ミュンヘン工科大学のイザベル・ヴェルペ教授も、おそらくこれに同意するだろう。2021年に世界経済フォーラムの取材に応じた際、同教授は、従業員を採用し定着させるには、雇用主が重点を変える必要があると述べた。「非同期型の働き方の可能性が広がる新たな日常は、労働者と組織の双方にとって、ウィンウィンの状況を可能にするはずです」と同教授は述べた。
「パンデミックはまた、信頼性が非常に高く、仕事への意欲が強く、成果を重視する人材の採用に力を入れてきた企業ほど、より柔軟で将来を見据えた働き方への移行が容易だったことも示しました。」





