ここ20年ほど、スウェーデンの労働者は、半年間休んで自分の事業を始める法的権利という、珍しい特典を享受してきました。
事業活動を行うための休暇に関する法律は、スウェーデンの従業員に認められている一連の権利の一つで、学業や家族の介護のために休暇を取ることができます。また、これも首都ストックホルムが欧州のスタートアップの中心地となった理由の一つです。人口当たりのユニコーン企業(評価額10億ドルのテクノロジー企業)輩出数では、カリフォルニア州のシリコンバレーに次ぐ位置にあります。
スウェーデンのスタートアップ成功例の一つがSpotifyです。2006年に設立された同社は、昨年ニューヨーク証券取引所に上場し、時価総額は245億ドルに達しています。他には、2011年にマイクロソフトに買収されたSkype(買収額85億ドル)や、Minecraftを手がけるMojangがあります。同社も2014年にマイクロソフトに25億ドルで買収されました。
少なくとも6カ月間フルタイムで働いている人は、無給休暇(スウェーデン語でtjänstledighet)を申請する権利があります。雇用主が申請を却下できるのは、その従業員が事業運営に不可欠な場合に限られます。また、新たな事業案が現在の雇用主と競合したり、重大な不都合をもたらしたりしてはなりません。

副業に取り組む
多くの国で、通常の勤務時間外に事業を立ち上げ、空いた時間をその成長に充てる人が増えています。いわゆる副業です。
これはギグエコノミーの考え方と一致しています。空き時間、余力、余剰資源は、すべて収益化できるものとして待機しているのです。たとえば、数時間だけ宅配料理を配達する、タクシー運転手や宅配便の配達員として登録する、あるいは自作の工芸品をインターネットで販売するといったことが含まれます。
米国労働統計局(BLS)によると、ギグエコノミーで働く米国人は1,650万人いました。これに対し、米国の石炭産業で雇用されている人は8万人です。BLSの調査対象は、独立請負業者、オンコール労働者、人材派遣会社の臨時労働者、契約会社から派遣される労働者など幅広いものでしたが、その数字は、従来とは異なる雇用形態が経済の主流にどれほど浸透しているかを示しています。
北欧諸国では、平等が社会や経済に深く組み込まれていることで知られています。いわゆる「北欧モデル」です。無償の教育と医療は、税金で賄われる包括的な福祉制度の一部であり、それに応じて税率も高くなっています。労働力に占める組合加入者の割合は高く、汚職は少なく、活力ある自由市場経済が存在します。必要なときに人々を支え、繁栄できるようにし、平等を確保することが重視されています。育児休業について、スカンジナビア諸国は他国が手本とすべきモデルとしてたびたび取り上げられます。
たとえばスウェーデンでは、すべての新しい親に16カ月の有給育児休業が認められ、その間、給与の約80%を受け取れます。父親もその一部を取得することが期待されています。ノルウェーも同様で、1977年に両親で取得する育児休業を導入しました。さらに1993年には、育児休業期間中に父親が取得する10週間の枠を設けました。
デンマークでは、親は52週間の休業を取得できます。母親は出産前に4週間、出産後に14週間取得できます。デンマークの父親は最初の14週間のうち2週間休業でき、その後、残りの32週間を両親で分け合うことができます。
イノベーションの必要性
世界経済フォーラムの最新の「世界競争力報告書」は、イノベーションは世界各国にとって不可欠である一方、多くの国がそれを成長の原動力にできていないと指摘しています。
ドイツ、米国、スイスはイノベーションを牽引する国に挙げられましたが、多くの国ではイノベーションの能力が限られているか、地域に偏っているか、あるいはごく一部の産業にしか存在していません。



