PwCが新たに実施した世界調査によると、労働者の5人に1人が、2022年に仕事を辞める可能性が極めて高い、または非常に高いと回答した。
この傾向は、PwCが「退職の方程式」と呼ぶ5つの主要な要因によって引き起こされている。
その要因には、仕事にやりがいを感じられないこと、職場で本来の自分らしくいられると思えないこと、チームが自分を気にかけてくれていると感じられないことなどが含まれる。
人材を惹きつけ、定着させるため、企業は「従業員一人ひとりの固有のニーズに合わせて人材戦略を調整する必要がある」とPwCは述べている。
「大退職」という言葉は、パンデミック中に記録的な数の人々が仕事を辞めていることが明らかになった後、2021年5月に生まれた。それから1年以上が経過しても、この現象が収束する兆しはない。コンサルティング会社PwCは、「退職の方程式」で説明できるとしている。
同社が最新の世界の労働者の希望と不安に関する調査で明らかになったのは、世界の5人に1人が今年、退職を計画しているということだ。この調査では44カ国の5万2,000人以上を対象としており、同種の調査として最大規模の一つとなった。また、従業員が辞める主な理由について、同社の見解を明らかにした。
退職の方程式
「別の仕事を探す可能性が極めて高い、または非常に高い」と答えた労働者には、5つの共通点がある。これらの要因が合わさって退職の方程式を形作ると、PwCは述べている。
こうした従業員は、ほかの従業員に比べて次のように感じる傾向が低い。
仕事にやりがいを感じる
職場で本来の自分らしくいられる
経済的に公平な報酬を得ている
チームが自分を気にかけてくれている
上司が自分の話に耳を傾けてくれている
退職する可能性が高いと答えた人と、退職を考えていない人の両方を含む労働者全体を見ると、退職を考える主な理由として給与が挙がったが、僅差だった。約71%が給与は大きな要因だと回答し、仕事のやりがいを挙げた69%がそれに続いた。
働く時間や場所を選べることは大幅に順位が低く、これが職を変えたいと思う要因だと答えた人は半数以下だった。
今も何百万人もの人々が仕事を辞めたいと考えている
人材開発・人事管理公認協会(CIPD)が最近実施した調査をはじめ、ほかの多くの研究もこれらの結果を裏付けている。同協会の調査では、英国では今後1年で650万人を超える人々が仕事を辞めると予想されていることが分かった。主な理由は賃金と福利厚生だ。
次に多い理由は、仕事への満足度を高めたいことと、より良いワークライフバランスを求めることだ。
一方、エンジニア、弁護士、ジャーナリストなど、知識や情報を扱ったり活用したりする仕事に就く「ナレッジワーカー」が最も気にかけているのは、ストレスと、正当に評価されていないと感じることだと、シカゴに拠点を置く金融会社Paroの調査は示している。
この調査の回答者は、給与よりもワークライフバランスを重視すると答えた。40%弱がワークライフバランスを仕事で最も重要な要素に挙げ、給与を最上位に挙げた人は28%だった。
雇用主は労働者の声に耳を傾けているか?
こうした状況を受け、雇用主は生き残るために変わる必要がある。特に、景気後退が迫っているとの予測があるうえ、パンデミックは決して終息しておらず、生活費危機も深刻さを増している。
PwCの調査によると、人材を惹きつけ、定着させるため、企業は「従業員一人ひとりの固有のニーズに合わせて人材戦略を調整しなければならない」。
同社は次のような取り組みを提案している。
従業員の意識に関するデータを収集する
従業員が社会問題や政治問題について取り上げられる環境を整える
給与の透明性に取り組む
インクルージョンに注力する
リーダーシップ開発に投資する
従業員の満足度を保つための取り組みを伝える
健全で、強靭かつ公平な未来の働き方を築こうとする先進的な企業の取り組みには、グッド・ワーク・アライアンスがある。これは世界経済フォーラムの「新経済・社会センター」の一環として進められている、世界規模の業種横断プロジェクトだ。
このプロジェクトは、公正な賃金の促進、柔軟な働き方の提供、従業員の健康とウェルビーイングの確保など、5つの目標を通じて仕事の質を高めることを目指している。
状況が変わらなければ、退職者数の記録が更新され続けることになるだろう。




