テクノロジー主導の自動化は世界経済において重要な役割を果たしており、私たちの生活の中でもその存在感が高まっています。
テクノロジーがますます多くの仕事に影響を及ぼすなか、個人も企業も、現在の自動化の波が将来の経済的見通しにどのような影響を与えるのかと考えています。
ロボット工学とAIの進歩によって現代の商用ドローン技術が生まれ、企業が世界と関わる根本的な方法を変えつつあります。
ドローンは物理世界とデジタル世界をつなぎます。企業は、拡張可能なコンピューティング資源の力と、どこへでも持ち運べる、広く普及した手頃な価格のセンサーを組み合わせられます。
これにより、物理世界から得られる膨大なデータセットに基づいて、企業が迅速かつ正確に意思決定できる環境が生まれます。
危険を取り除く
インフラ点検や現場管理など、企業の事業地域の端まで移動したり、見通しを得るために不安定な高所に登ったりする時間が多い仕事に就く人々には、新たな機会が訪れています。
これまで、物理世界の状況を把握し、その情報を分析して報告する仕事には危険が伴いました。高層建築物や不安定な場所に登ったり、稼働中の送電線や大規模なダムなど、重要インフラを点検するため遠隔地まで出向いたりする必要があったからです。
現在の自動化技術の波の一部である商用ドローンは、このプロセスを根本から変えるでしょう。
関連する仕事がなくなるわけではありませんが、その内容は変わります。
マッキンゼーが2017年1月に発表した、「自動化、雇用、生産性」に関する調査は、実証済みの技術で完全に自動化できる職業は全体の5%未満である一方、全職種の3分の2では業務の30%を自動化できる可能性があると報告しました。
多くの仕事は効率が高まるだけでなく、より安全になります。また、求められるスキルは身体的なものより、知的なものが中心になります。
データを収集する新たな方法
かつて過酷で単調だと考えられていた仕事は、近い将来、知識労働者の仕事により近いものになるでしょう。
これまで、こうした仕事に就く人々は、分析や意思決定に使うデータを集めるために大きな労力を費やしてきました。
今では、人々を危険にさらさずにデータを収集できます。安全帯を着けたり、危険な高さまで登ったりする必要がなくなれば、こうした仕事に就く人々はキャリアを長く続けられます。
私たちは、米国最大手の保険会社の多くに商用ドローン操縦の研修を実施するなかで、これを実際に目の当たりにしてきました。各社のチームには、キャリア後半に差しかかった損害査定人が多く含まれています。
50歳になると、点検のために屋根に登る身体的負担から、早期退職や転職を考えることもあります。
培ったスキルを職場で生かし続ける
しかし、こうした労働者は数十年の経験を持つ、業界屈指の人材です。
身体的な制約を理由に、苦労して身につけたスキルを手放したい人はいません。
私たちは、こうした業界のベテランが、屋根の点検に商用ドローンを導入することに最も熱心な人々の一部であると実感してきました。
1週間の研修を受けた後、これらの損害査定人は、屋根に登ることなく屋根のデータを収集するために商用ドローンを操縦できるようになりました。
損害査定に関する深い知識を、従来のような身体的負担を伴わずに現場で生かせます。
ベテランの保険損害査定人のように、知識と経験を備えた専門家は、商用ドローンシステムの使い方を習得できる人よりも、はるかに見つけにくい存在です。
データを自ら現場で集める必要がなくなれば、専門性を世界規模で生かせるようになり、こうした職務を担う人材の獲得競争も世界規模になります。
デジタルスキルの重要性が高まる
関連するデジタルスキルの向上に力を注ぐことで、労働者はこの変化の中で優位に立てます。
日常的に使ってきた従来の手作業用工具は、デジタルを通じて影響力を発揮するためのツールに比べ、重要性が大きく低下するでしょう。
iPadやクラウドソフトウェアを使った作業が増えるにつれて、巻き尺やはしごは使われなくなっていきます。
この移行によって、今日では実施されていない仕事に取り組む機会も大幅に増えるでしょう。
商業ビルの点検を例に考えてみましょう。
以前は、点検のために事業を停止するコスト、作業員を屋根に送ることに伴う責任、そして現場の広大さなど、多くの難点を考慮して、建物点検の価値を判断する必要がありました。
データの空白を埋める
その結果、大きなデータの空白が生じています。
商業ビルの大半は、その所有者や保険引受人にとって、実態が分からないままです。
点検にドローンを使えば、データ収集に伴う課題が大幅に軽減され、より多くの建物を点検できるようになります。また、新たなデータセットを分析する人材への需要も生まれます。
この需要に応えるには、専門知識と特定分野に特化したスキルが必要です。私たちの研修グループにいた、現場を離れかけていたベテランのような既存の労働者は、そうした能力を提供するのに最適な立場にあります。
この傾向は、保険、通信、鉱業、建設など、多様な業界で起きています。
今から備える
この技術の影響を受ける業界の企業は、今すぐ変革への準備を始める必要があります。
そうしなければ、10年後には存続していないでしょう。
身体的なリスクのためにキャリアが短くなりがちな仕事に就く人々は、デジタルスキルの習得に投資する必要があります。それによって、身体への負担を抑えながらキャリアを長くし、自らの価値を高められます。
雇用主がイノベーションで後れを取っていると感じる人には、より意欲的な競合企業でのキャリアを追求する自由があります。また、社内で取り組みを立ち上げるリーダー役を担い、変化に遅れずついていく道もあります。
世界には、取り組むべき課題や解決すべき問題が尽きることはありません。
商用ドローンと、より広範な自動化技術の波によって、私たちはそうした課題のより多くに取り組めるようになります。この技術を活用する準備ができている労働者には、多くの機会が生まれるでしょう。その準備は今すぐ始めなければなりません。
2017年のテクノロジー・パイオニアについて詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。


