睡眠がわずか16分不足するだけで、翌日の仕事の集中力に悪影響が及ぶ

Cui Meng, a Co-founder of Goopal Group, takes a nap in his seat after lunch, in Beijing, China, April 21, 2016. Office workers sleeping on the job is a common sight in China, where a surplus of cheap labour can lead to downtime at work. But in China's technology sector, where business is growing faster than many start-up firms can hire new staff, workers burn the midnight oil to meet deadlines and compete with their rivals. Some companies provide sleeping areas and beds for workers to rest during late nights. REUTERS/Jason Lee SEARCH "JASON SLEEP" FOR THIS STORY. SEARCH "THE WIDER IMAGE" FOR ALL STORIES - S1BETDIDHOAD
Sleep can have a big effect on 'cognitive interference' at work.Image: REUTERS/Jason Lee
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最近、あまり芳しくない勤務評価を受けたことはありませんか。ぼんやりしたり、判断を誤ったりしていませんか。

原因は仕事ではなく、睡眠かもしれません。そして、それはすべてあなたのせいというわけではありません。

私たちはそれぞれ、健康と加齢の異なる側面を研究しています。私たちが最近行った研究では、睡眠不足が判断力を妨げ、仕事中に本来の業務からそれた、注意をそらす思考につながることが分かりました。睡眠を優先すれば、仕事での認知能力を高められます。

睡眠が少ないほど、集中力も低下

米国のIT企業で働く中年従業員130人を対象に、8日間の日誌データを用いて調査したところ、前夜の睡眠の特徴から、翌日の「認知的干渉」、つまり本来の業務からそれた、注意をそらす思考を経験することが予測できると分かりました。

これを測定するため、頻度を5段階(0=まったくない~4=非常によくある)で評価し、いつもより本来の業務からそれた、注意をそらす思考を経験したかを測る9項目への回答を平均しました。たとえば、「今日は、次々と頭に浮かんでくる考えをどのくらい頻繁に経験しましたか」という質問がありました。

Image: ペンシルベニア大学

普段より睡眠時間が短く、睡眠の質も低かった日の翌日、従業員は認知的干渉が増えたと報告しました。参加者全体では、普段より睡眠がわずか16分短いことが、翌日の認知的干渉尺度で1ポイント高いことと関連していました。

また参加者は、特定の日に認知的干渉が増えたと感じた後は、疲労のため、普段より早く就寝し、早く目覚めると報告しました。

前夜の睡眠と翌日の認知的干渉との関連は、非勤務日より勤務日に顕著でした。勤務日は、認知的干渉が生じる機会が多く、睡眠を取る機会が少ないのかもしれません。睡眠の健康を最適化することを重視すれば、仕事のパフォーマンスがより高まることを、結果は示唆しています。

この研究結果から、睡眠時間の短縮は仕事の生産性を低下させる可能性があると考えられます。これまでの実験室での実験研究では、睡眠時間を4~5時間に制限するなどの睡眠不足が、認知テストの成績に悪影響を及ぼすことが示されています。

しかし、参加者の日常生活における睡眠と認知機能の関係を調べた観察研究は不足していました。今回の研究は、仕事の前夜に睡眠の質が低いと、思考の速度が落ち、意思決定が遅れ、ミスが増える可能性があることを示す実証的な証拠を加えるものです。

睡眠が少ないほど、ストレスが増える

以前の共同研究では、私(スーミー・リー)も、睡眠不足は、より多くのストレス要因を経験することにつながるほか、翌日の対立も増えることを明らかにしました。普段より睡眠時間が短く、睡眠の質も低かった日の翌日、参加者は仕事と家庭の間の葛藤が普段より強かったと報告しました。また、普段より睡眠時間が短く、質も低かった日の翌日には、自分が運動する時間も、子どもと過ごす時間も少なかったと報告しました。

両研究のデータは、より大規模な研究「Work, Family & Health Study」から得られたもので、この研究は情報技術分野と介護施設分野の複数拠点を持つ企業を調べるために設計されました。

2つの研究では、比較的高所得の専門職層を代表するIT従業員を対象としました。この職種の従業員は長時間働く傾向があり、仕事と私生活の境界が曖昧になりやすいものです。残業、勤務時間外の頻繁な電話、夜遅くの仕事関連メール、午前7時や8時などの早朝会議が、従業員の睡眠を妨げる可能性があります。

調査結果は、従業員の睡眠が、意思決定や頭に入り込んでくる思考など、さまざまな形で仕事のパフォーマンスに影響することを示しています。睡眠に関する悩みは成人、とりわけ従業員の間で広く見られます。米国の従業員の約40%が不眠症状を報告しています。こうした症状は、中年の従業員の日常生活にさまざまな支障をもたらす可能性があります。したがって、充実した職業生活を送るうえでも、睡眠の健康に注意を払うことが重要だと考えられます。

同様に、雇用主も、従業員の睡眠を促進する、少なくとも組織的に妨げないよう努める必要があります。質のよい睡眠は仕事の生産性を高め、職場のストレスを軽減する可能性があります。

睡眠のためのヒント

睡眠を優先するには、個人と組織の双方が行動する必要があります。組織は、勤務時間外の仕事関連の電話、時間外メールに返信しなければならないという意識、早朝会議など、仕事に起因する睡眠を妨げる活動を最小限に抑える文化を築き、支えることができます。

従業員一人ひとりも、よい睡眠習慣を確立し、毎日続けることができます。たとえば、就寝前にリラックスした状態に切り替え、少なくとも7時間眠れるよう、午後9時以降など一定の時間になったら携帯電話の電源を切り、メールを見ないようにします。

定期的な運動も、睡眠の質を高めるのに役立ちます。多くの従業員が、やるべきことが多すぎて、睡眠や運動の時間がないと感じていることが課題です。しかし、睡眠不足とパフォーマンス低下の悪循環を断ち切る必要があります。日々睡眠時間を削り続ければ、後年の健康に大きな代償を払うことになり、明日の生産性にも影響するかもしれません。

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