トルコの復興でリスキリングが重要な役割を果たす方法

Image: Mimi Thian/Unsplash
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  • リスキリングの取り組みは、トルコの新型コロナウイルス感染症からの復興に不可欠です。

  • トルコでは、仕事の未来のニーズに応えるため、2,100万人を超える労働者のリスキリングが必要です。

  • 新たなスキルギャップ解消アクセラレータープログラムは、政府や企業が自国を仕事の未来に備えさせるのを支援します。

トルコが新型コロナウイルス感染症からの復興期に経済変革を加速させようとするなか、人的資本を活用することが極めて重要になります。

トルコ経済は2020年、GDP成長率1.8%を達成して厳しい状況を乗り越え、中国を除くG20諸国すべてを上回りました。2021年第1四半期も成長を続け、成長率は7%となりました。経済復興の結果、鉱工業生産と雇用はパンデミック前の水準まで非常に速やかに回復しました。しかし、新型コロナウイルス感染症の社会的影響は深刻で、2021年6月時点の失業率は10.6%でした。

マッキンゼー・アンド・カンパニーが2020年1月に発表した報告書「仕事の未来:デジタル時代におけるトルコの人材変革」は、自動化、人工知能、デジタル技術によって国内で一部の雇用が失われる一方、生産性の向上、投資の拡大、サービス経済の成長により、2030年までに純増で310万人分の新たな雇用が生まれ、そのうち180万人分は現在存在しない仕事になると推計しました。

こうした成果を実現するには、2,110万人の労働者がリスキリングを受ける必要があります。

世界的なリスキリング革命

各国が将来、経済を成長させ、変革するための重要な資産として、人的資本がますます認識されるようになっています。世界経済フォーラムがPwCと共同で実施した調査によると、大規模なスキル向上への投資は、2030年までに世界のGDPを6.5兆ドル押し上げる可能性があります。教育・訓練制度は、労働市場の新たなニーズに対応するとともに、新型コロナウイルス感染症への対応としての経済復興策の柱となる必要があります。

新型コロナウイルス感染症は、仕事の未来を加速させました。「仕事の未来レポート2020」によると、2025年までに26カ国で8,500万人分の雇用が失われる一方、9,700万人分が新たに生まれます。また、世界のデータからは、現在労働市場から押し出されつつある人々は、平均して女性、若年層、低賃金労働者である可能性が高いことも分かります。同レポートによると、雇用主の80%超がリモートワークをより広く活用し、業務プロセスをデジタル化する見込みです。雇用主のおよそ半数は、一部業務の自動化も準備しています。

Image: 「仕事の未来レポート2020」

成長が見込まれる職種や分野への投資をさらに進めなければ、雇用なき復興に向かうおそれがあります。ケア経済は明日の雇用創出で大きな役割を果たしますが、デジタル化とグリーン化への移行、職場の変革を可能にする職種も大きく成長するでしょう。具体的には、データと人工知能、エンジニアリングとクラウドコンピューティング、人材と組織文化、製品開発、販売、マーケティング、コンテンツ制作などです。

「仕事の未来レポート」は、労働者のほぼ半数がリスキリングを必要とすると推計しています。雇用主は従業員のスキル開発に投資する価値をますます認識しており、調査対象者の平均66%が、リスキリングとスキル向上への投資から1年以内にリターンが得られると見込んでいると回答しました。こうした取り組みもオンラインプラットフォームへと移行しつつあり、デジタルを優先する学習への大きな転換を示唆しています。

Image: 「世界男女格差レポート2021」

トルコのスキルギャップ解消

OECD国際成人力調査(PIAAC)によると、トルコでは、生産性を高め、より効率的な働き方を可能にする技術を活用するため、国民のかなりの割合について基礎スキルの習熟度を高める必要があります。幸い、OECD諸国との差は縮まっており、15~24歳ではその差が最も小さくなっています。

トルコは、現在と将来の仕事に必要な適切な対人スキルと技術スキルを引き続き育成し、すべての人により良い機会を提供すべきです。

トルコで産業・技術政策を策定する主要機関である産業技術省(MoIT)は、技術主導の変革を導くとともに、労働市場のニーズに応えるための雇用可能性とスキルを高める、効果的な戦略やインセンティブの開発を最重視しています。

人的資本の課題が、今後数年間のトルコの技術・デジタル発展を形づくる主要な戦略や取り組みに完全に組み込まれているのは、このためです。なかでも「トルコ産業・技術戦略2023」と「国家技術イニシアチブ」が挙げられます。

この変革には、公共部門、企業、社会的パートナー、市民社会組織がより緊密に連携し、共通の政策や戦略を策定することも必要です。

トルコは「国家技術イニシアチブ」を通じて、イノベーションと技術開発への投資も拡大しています。今後2~3年で研究開発費をGDPの1.8%に引き上げるという意欲的な目標を掲げています。

若く、活力にあふれた人口を擁するトルコには、そのスキルを磨き活用して、新興経済の新たなニッチ分野で世界をリードする国へと前進する大きな機会があります。

適切なスキル育成戦略は、教育の質だけでなく、労働者のリスキリングを継続し、若い労働力を受け入れて定着させる雇用を生み出すエコシステムの質にも重点を置くべきです。

すでにいくつもの取り組みが進行しています。たとえば、ソフトウェア開発者のエコシステムを改善し、熟練したソフトウェア開発者の数を増やす官民学連携の取り組み「オープンソース・プラットフォーム」が始動しました。

MoITはまた、新世代の無料コーディングスクールであるエコール42とともに、2校のコーディングスクールを設立しました。プロジェクト型、ピア・ツー・ピア型、ゲーム要素を取り入れた学習システムを採用しています。2校の定員は計2,000人で、期間は約3年、就職率は最大100%が見込まれます。民間部門はカリキュラムの開発、プロジェクト、メンタリングに貢献しています。

もう一つの取り組みは「DENEYAPテクノロジー・ワークショップ」です。2017年以来、小学4年生から中学3年生までの生徒に基礎的な技術教育を提供しています。DENEYAPでは、デザイン、コーディング、ロボット工学、電子プログラミング、モノのインターネット、ナノテクノロジー、航空、宇宙の各分野で3年間の研修を実施しています。ワークショップは30県に設置され、5,600人の生徒が研修を開始または修了しました。今後5年以内に81県で計100カ所を設置し、5万人を超える生徒に研修を提供することを目指しています。

取り組みの加速

政府と企業のリーダーが連携し、これらの取り組みの多くを拡大・加速するため、トルコ・スキルギャップ解消アクセラレーターを通じた活動を開始します。同アクセラレーターは、イスタンブール開発庁が世界経済フォーラムと協力して調整します。この取り組みにより、トルコは「リスキリング革命」の一環としてこのモデルを導入している10カ国のグループに加わりました。

スキルギャップ解消のための国別アクセラレーターは、スキル育成と教育のエコシステムを改善し、政府や企業が自国を仕事の未来に備えさせるための、各国の官民連携プラットフォームです。このモデルは、生涯学習とスキル向上、積極的な配置転換と再就職、革新的なスキル資金調達モデル、スキル需要の予測と労働市場に関する知見という4つの主要目標に沿って、的を絞った取り組みを実施するよう設計されています。

この4つの目標全体で、アクセラレーターが選定する戦略は、制度の枠組みや政策に加え、規範や意識、リーダーたちの共同の関与を通じて、協働を促すための体系的なアプローチを取ります。スキルを基盤とする復興を実現することは、トルコの人々の長期的な繁栄と包摂を確かなものにするうえで不可欠です。

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