障害のある人の雇用は、ビジネスの観点からも大きな意義があります。その理由とは

There exists a vast and largely untapped talent pool of people with disabilities, and businesses should take note
There exists a vast and largely untapped talent pool of people with disabilities, and businesses should take noteImage: REUTERS/Kim Hong-Ji - GF20000034440
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  • 障害のある人は世界人口の大きな割合を占めていますが、世界の労働力人口に占める割合は著しく低くなっています。

  • 今日の労働力における障害のある人の就業率を高めることは、世界的に重要な課題であり、とりわけテクノロジー分野で喫緊の課題です。

  • 経済、テクノロジー、世界のウェルビーイングをめぐるあらゆる議論の中心に、障害を据えるべき時です。

障害のある人は世界人口の15%、つまり10億人を占めますが、これは大幅な過小評価である可能性があります。世界では5人から6人に1人が障害のある人であるにもかかわらず、障害のない人に比べ、雇用される可能性は半分です。たとえば2016年の米国では、障害のある米国の就労年齢層のうち労働力に参加していた人は36%で、障害のない労働者では79%でした。これは、障害のあるすべての人を雇用差別から保護するため、1990年に米国で法律が制定された後のことです。今日、世界的に重要なのは、同様の保護が世界の規制環境の一部となったことです。国連障害者権利条約は2006年に採択され、現在までに177か国が批准しています。

障害のある人の世界的な就業率格差について議論することは不可欠です。障害は、経済、世界の健康とウェルビーイング、環境に加え、テクノロジーや芸術に関するあらゆる議論に織り込まれるべきテーマだからです。たとえば、デジタル製品やサービスの設計で障害のある人のニーズを考慮することは、Apple、IBM、Microsoftなどの大手IT企業が長年取り組んできた課題です。こうした関心は、Facebook、LinkedIn、Googleなどのソーシャルメディア企業の製品設計にも、ますます取り入れられています。これらの企業は、目の見えない人や耳の聞こえない人がウェブサイトを利用できるようにする機能は、高齢化が進む世界の人々にとっても製品を使いやすく、魅力的にする可能性が高いと理解しています。こうした設計は製品の潜在的な市場シェアを大きく広げるとともに、テクノロジー主導の職場で働きたい高齢の労働者や障害のある人にとっても、使いやすさを高めます。

障害のある人の雇用成果を高める

今日の労働力における障害のある人の就業率を高めることは、世界的に重要な課題です。とりわけテクノロジー分野では、求人が増加し、新たな人材層が大いに求められています。新たに登場した革新的な取り組みの例として、SAP、DXC Technology(旧Hewlett-Packard Enterprise)、Microsoftなど、テクノロジー業界を率いる企業が、求人への採用に向けて、自閉症のある有能な人材を積極的に求めるようになったことが挙げられます。たとえば、細部に集中し、パターンを見つける能力など、自閉症のある人の特性の一部は、サイバーセキュリティ関連の業務に役立つことが分かっています。

経済、テクノロジー、世界のウェルビーイングをめぐるあらゆる議論の中心に、障害を据えるべき時です。この議論の重要な要素は、障害のある人の雇用成果を高めるために民間部門が果たす役割です。雇用主が障害の包摂を進められる機会は、採用、キャリア開発と定着、アクセシビリティと合理的配慮、報酬と福利厚生、多様性と包摂など、雇用の全過程に数多くあります。また、これらの各分野での進捗を測るために企業が活用できる指標や分析もあります(関連する6つのチェックリストで組織を自己評価できるオンラインツールを、無料でこちらから利用できます)。

この分野の研究は、学術誌『リハビリテーション研究、政策、教育』に掲載され、過去1年間に障害のある人を採用できた企業である可能性を大幅に高める、雇用主の採用慣行を特定しました。人事担当者約700人を対象に、職場の障害包摂に関する方針や慣行を調査したところ、障害のある人にインターンシップを提供していると答えた人は、そうした人を過去1年間に採用できた可能性が約6倍でした。経営幹部が障害のある人の採用施策への明確な姿勢を示した企業では、その可能性が5倍になりました。障害のある人の採用目標を明示する、積極的に採用活動を行う、社内の多様性と包摂の戦略に障害のある人を含める、障害のある候補者を見つけるため地域団体と連携するなど、その他の優れた慣行を実施した企業では、過去1年間に目指す採用成果を達成した可能性が3~4倍になりました(下の図1を参照)。

こうした採用戦略を用いる企業では、障害のある人が採用される可能性が高いImage: Erickson, W.A., von Schrader, S., Bruyère, S.M., VanLooy, S.A., & Matteson, D.S.(2014年)「障害包摂型の雇用主の慣行と障害のある人の採用」『リハビリテーション研究、政策、教育』28巻4号

障害のある人は世界人口の大きな割合を占めていますが、世界の労働力人口に占める割合は著しく低くなっています。これは、能力が十分に活用されていない障害のある人にとってだけでなく、企業や経済、そして社会全体にとっても重要な課題です。障害のある人の雇用成果を高める可能性が実証された雇用主の方針や慣行を導入し、この分野でより強いリーダーシップを発揮するよう企業に求める時です。

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