ITUCの「グローバル権利指数2022」は、労働者の権利をどれだけ尊重しているかに基づき148カ国を評価しています。
同指数によると、2022年には労働者の権利侵害が過去最悪に達しました。
労働者の権利をめぐり、中東・北アフリカが最も状況の悪い地域と評価されています。
今年、評価が改善した国は世界でわずか3カ国でした。
国際労働機関によると、労働者の権利が改善すれば、生産性が高まり、雇用も増えます。
労働者には権利があります。
しかし、世界の多くの地域で、こうした権利が侵害されています。
グローバル権利指数2022は、2022年に労働者の権利侵害が過去最悪に達したことを明らかにしました。
この報告書は148カ国を対象としており、世界最大の労働組合連合である国際労働組合総連合(ITUC)が発表しています。
ITUCのシャラン・バロウ書記長は、最新の調査結果を受け、政府に対し、労働者が「雇用、賃金、権利、社会的保護、平等、包摂」を得られるよう求めました。
世界ランキングから分かるその他の動向を紹介します。
ストライキ権の行使がますます犯罪扱いに
報告書の対象となった148カ国のうち129カ国で、ストライキが厳しく制限されるか、禁止されています。
これらの国でストライキ権を行使した労働者は、即座に解雇される可能性があり、ストライキに参加した組合幹部は訴追される可能性があります。
ITUCによると、一部の国では労働争議が「残忍な弾圧」を受けています。
ストライキ権を侵害する国の割合は、2014年の63%から2022年には87%に増加しました。
団体交渉権が損なわれている
労働組合が組合員の賃金や労働条件を改善するため雇用主と交渉することを、団体交渉と呼びます。これはすべての労働者にとって基本的な権利です。
しかし、団体交渉には「深刻な制限」が117カ国で設けられていると、グローバル権利指数2022は指摘しています。
ITUCによると、「制限はあらゆる地域で、公的部門と民間部門の双方において記録されています」。
これは、雇用主が時に政府と連携して労働者の権利を制限しようとする「組織的な試み」を反映していると、同連合は付け加えています。
労働組合を設立・加入する権利の侵害
国際労働基準の下で、すべての労働者には労働組合を設立したり、加入したりする権利があります。
しかし、指数の対象となる148カ国のうち115カ国では、特定の労働者層にこの権利が認められていません。該当するのは、移民労働者、家事労働者、臨時労働者、一部の公務員です。
この権利を侵害する国の割合は、2014年の58%から2022年には77%に増加しました。
労働者が司法を利用できない
司法を利用できなければ、労働者は声を届け、権利を主張することができません。
しかし、グローバル権利指数2022によると、148カ国のうち97カ国で、労働者は司法を利用できないか、利用が制限されています。
ITUCによると、労働組合の幹部はしばしば、不当に重い罪状で拘束・訴追されています。
また、裁判は公平性を欠くことが多く、「適正手続きが軽視」されています。
労働者の権利はどこで侵害されているのか?
グローバル権利指数2022によると、中東・北アフリカは労働者の権利をめぐり世界で最も状況の悪い地域です。
この地域の労働者は、権利を組織的に侵害されているか、権利がまったく保障されていません。
労働者の権利は、権利状況が世界で2番目に悪いアジア太平洋地域でも組織的に侵害されています。ITUCによると、2022年にはストライキを抑え込むための「極端な警察の暴力」などが確認されました。
指数によると、アフリカと南北アメリカでは、労働者の権利が「常習的に侵害」されています。
労働者の権利に改善は見られるのか?
グローバル権利指数2022で、欧州の順位は前年から改善しました。しかし、39カ国を含むこの地域では、依然として労働者の権利が「繰り返し侵害」されています。
これには、ほとんどの国で団体交渉権が「著しく踏みにじられている」ことや、暴力に直面する労働者がいる国の割合が2021年の12%から2022年には26%へと2倍以上に増えたことが含まれます。
グローバル権利指数2022で評価が改善した国は、世界でわずか3カ国でした。中米のエルサルバドル、西アフリカのニジェール、中東のサウジアラビアです。
労働者の権利はなぜ重要なのか?
国際労働機関(ILO)は、仕事は何十億もの人々の日常生活の一部であり、人間としての尊厳、幸福、成長を支えるものだと述べています。ILOは、働く上での権利を推進する国連機関です。
ILOによると、労働者の権利は、人々の人権を守る助けとなります。
人権とは、世界のすべての人が持つ基本的な権利と自由です。平等、正義、表現の自由に対する権利などが含まれます。
ILOによると、労働者の権利は平等で公正な社会の基盤です。労働者が権利を持つことで、労働条件の改善、生産性の向上、消費者需要の拡大、そしてより多くの質の高い雇用につながると、同機関は付け加えています。





