世界経済フォーラムの『Future of Jobs Report 2025』によると、今世紀のこの10年間に約1億7,000万人分の新たな雇用が創出されます。
同報告書は、労働市場の変化を牽引する世界的なマクロトレンドを示しています。
ここでは、需要が最も大きく伸びると予測される仕事と、働く人々が将来必要とする可能性の高いスキルを見ていきます。
今世紀のこの10年間に、世界的なマクロトレンドによって約1億7,000万人分の新たな雇用が創出されます。世界経済フォーラムの新たな報告書が、今後5年間の仕事の未来を詳しく分析し、そう予測しています。
『Future of Jobs Report 2025』によると、技術の発展、グリーントランジション、経済・人口動態の変化を背景に、世界の労働市場は再編されています。
創出される雇用は、現在の雇用の14%に相当します。一方、同じトレンドによって9,200万の職が失われます。つまり、雇用は純増で7,800万件となります。
では、どのような仕事が生まれ、就くためにはどのようなスキルが必要になるのでしょうか。
その答えを探るため、報告書は世界最大級の雇用主1,000社以上を対象に調査を実施しました。対象企業は22の業界クラスターを代表し、従業員数は合計1,400万人を超えます。
未来の仕事5選
急速に伸びている仕事もあります。人工知能(AI)などの技術進歩によって生まれる職種は、割合で見ると需要が急増しています。ビッグデータの専門家、フィンテックのエンジニア、AI・機械学習の専門家などがその例です。
では、実数で見るとどうでしょうか。報告書は、調査対象企業の推計と国際労働機関(ILO)の雇用データを組み合わせ、純増数と純減数が最も大きい15の職業を挙げています。
最も増加する仕事の上位は、多くの経済に欠かせない職種が占めています。
最も増加する仕事の筆頭は農業従事者です。温室効果ガスの排出削減や気候危機への適応に向けた取り組みなど、グリーントランジションのトレンドが成長を促し、2030年までに3,400万件の雇用を新たに創出すると見込まれています。現在の農業従事者2億人に加わる形です。デジタルアクセスの拡大と生活費の上昇も、この職業の伸びに寄与しています。
上位5職種には、配送ドライバー、ソフトウェア開発者、建設作業員、小売販売員も入っています。
食品加工従事者も、最も増加する仕事の上位に入っています。また、看護職、ソーシャルワーカー、カウンセリング職などのケア関連の仕事も、今後5年間で大幅に増えると予測されています。報告書によると、特に就労年齢人口の高齢化といった人口動態のトレンドがその背景にあります。
働く人々が活躍するために必要なスキル
雇用主は、2030年までに労働市場で求められる主要スキルの39%が変化すると予想しています。大きな変化を示す数字ですが、2023年の44%からは低下しています。継続学習、スキルアップ、リスキリングのプログラムへの注目が高まったことで、企業は将来必要となるスキルをより的確に予測し、対応できるようになったと『Future of Jobs Report 2025』は述べています。
今後5年間で、技術スキルは他のどのスキルよりも急速に重要性を増すと予測されています。筆頭はAIとビッグデータで、次いでネットワークとサイバーセキュリティ、技術リテラシーが続きます。
創造的思考力や、レジリエンス、柔軟性、適応力も重要性を増しています。好奇心や生涯学習も同様です。
需要が高まるスキルの上位10項目を締めくくるのは、リーダーシップと社会的影響力、人材管理、分析的思考力、環境管理です。
企業は、変化するニーズに合わせて従業員のスキルを整えるため、リスキリングやスキルアップのプログラムへの投資を拡大していると報告書は述べています。世界経済フォーラムの新経済・社会センターは、明日の経済に備えられるよう世界中の人々を支援するため、企業、学術界、政府と連携しています。その取り組みには、Jobs InitiativeおよびReskilling Revolutionの各プラットフォームも含まれます。
仕事の未来が進化し続けるなか、働く人々が技術スキルと人間的スキルを適切に組み合わせて身につけられるよう支援することが不可欠です。




