COVID-19パンデミックによって、在宅勤務やオンライン研修は実用的でなく効果もないという通説は覆された。
デジタル学習やテレプレゼンスを通じた学習は、働き方と学び方を組み合わせた環境に欠かせない要素として受け入れられるようになる。
従来のインストラクショナルデザインは、モバイルファーストの設計を参考にし、スマートフォン、タブレット、PCを介する機会が増えている教育に、成人学習の科学を取り入れるようになる。
多様な解決策を受け入れる姿勢が広がれば、企業内でトップダウン式の画一的な技術ソリューションが減り、オンライン学習や業務にどのプラットフォームを採用すべきかについて、エンドユーザーとの相談が増えるだろう。
私たちは、世界規模の大きな社会実験のただ中にいる。日々行われてきた対面での研修や会議、仕事のあり方そのものが、根本から問い直されている。
同僚や顧客と直接会えないとしたら、働くとはどういうことだろうか。従業員であり、生涯学習者でもある私たちは、何十年もの間当たり前だった、グループで進める講師主導の研修や授業なしに、どう学び、新たなスキルを身につければよいのだろうか。リーダーとして、リモートチームの業績をどう管理し、リアルタイムの参加やフィードバックを得ればよいのだろうか。
ロックダウンが終わってからずっと後になっても、COVID-19パンデミックの影響の一つとして、現代社会における従来型の学習、コミュニケーション、働き方は恒久的に変化するだろう。この新たな「接触の少ない」経済では、研修への参加や人々との交流、仕事の体験はどのようなものになるのだろうか。
このパンデミックを乗り越えた先には、「研修」の本当の意味や、その提供方法について、考え方が変わるだろう。デジタルスキルの開発に対する姿勢が開かれ、最終的には、職場で自分たちの研修に使うテクノロジーをどう選ぶかについて、より包摂的なアプローチが生まれると思う。
考え方の転換
大半の企業にとって、在宅勤務の普及は現実的ではないと、どれほど長く言われてきただろうか。対面での研修こそが学ぶための唯一の「本当の」方法だと、どれほど長く聞かされてきただろうか。パンデミックのおかげで、どちらも実は正しくなかったと分かった。
多くの企業は、リモートでの業務や学習への移行にまったく備えがないまま直面し、新たな現実にすばやく適応しなければならなかった。そして実際に適応した。対面でのやり取りが常に必要な企業もあるが、多くのホワイトカラー業界の多くの職種では、COVID-19がもたらす長期的な影響の一つとして、「対面が最善」という考え方が終わるだろう。リモートのデジタル手段でサービス水準を維持できる企業がこれほど多い以上、パンデミック後に仕事を常時オフィスでの対面業務に戻す必要があるという考えは、成り立たないばかりか、必ずしも最も効果的とは限らない。
今後、ほとんどの企業で、デジタルやオンラインの研修は「あれば望ましいもの」から、働き方と学び方を組み合わせた環境に欠かせないものとして受け入れられるようになるだろう。それは単に「新しい日常」の一部になる。
新たなデジタルスキルの開発
パンデミックがもたらした考え方の変化は、職場での研修のあり方や新しいスキルの習得方法にも波及する。
現在のモデルは、対面の講師が主導するグループ研修か、比較的単調な内容や技術的な内容(コンプライアンス研修など)を扱うウェビナーに大きく偏っている。後者は、スライドを読み上げた後に質疑応答を行うだけのものが少なくない。
パンデミック後、従来のインストラクショナルデザインは、モバイルファーストの学習に関するより現代的な考え方に置き換わると考えている。リモートや在宅勤務の選択肢を増やす必要も、その背景にある。モバイル向けのインストラクショナルデザインは、スマートフォン、タブレット、PCを介する機会が増えている学習の場に、成人学習の科学を取り入れるのに役立つ。
同様に、多くの人が「デジタルへの移行」と呼ぶ、一方通行のウェビナーによる「情報の垂れ流し」は、デジタルで教材を提示しながら、パンデミック前のオンライン学習モデルで従来可能だったものより、はるかに人間味のある形で進める、より仮想的なグループ体験へと軸足を移すだろう。
新たな意思決定基準
テクノロジーに関する決定は、従来トップダウンで行われてきた。経営幹部やCIOが、事業上のニーズや課題だと考えるものを解決するため、どのテクノロジーを採用するかを決めてきた。多くの場合、日々それらのテクノロジーを使う従業員には、利用できるプラットフォームやプログラムが一方的に告げられ、その使い方について研修を受けることもあれば、受けないこともあった。
しかしパンデミックを経て、リモートワークや在宅勤務の選択肢がさらに一般化すると見込まれるなか、職場のテクノロジーに関する意思決定は、より民主化されていくだろう。
現場で働く従業員には、企業全体でどのプログラムを使うべきかについて、より幅広く、頻繁に意見を求めるようになるだろう。また、多様な解決策を受け入れ、イノベーションを重視する姿勢が強まる一方で、トップダウン式の画一的な技術購入は減ると予想される。ユーザーは、それぞれの職務に役立つアプリやソフトウェアをより自由に選べるようになり、管理職や経営幹部も、どのプログラムを選ぶべきか、またその理由について、従業員の意見をより柔軟に取り入れるようになるだろう。
私たちは、新たな「接触の少ない」経済を生きている。俊敏性とつながり、人間らしさを保つために、適応して考え方を変え、スキルを身につけ、意思決定の方法を見直す時だ。




