ジョー・バイデン大統領は、気候変動対策に加え、いわゆる「クリーンエネルギー分野の仕事」を創出するため、インフレ抑制法に署名した。
クリーンエネルギー分野の仕事とは、天然資源の保全・保護、またはその使用削減に重点を置く仕事である。
クリーンエネルギー分野の仕事の賃金は、時給で少なくとも2ドル高く、米国の全国平均である時給23.86ドルを、ほぼ10%上回る。
ジョー・バイデン大統領がインフレ抑制法に署名した2022年8月、同法を気候変動対策に向けた「史上最大の投資」と呼んだ。また、「経済のあらゆる部門で排出量を削減するために、待遇の良い組合加入の仕事が生まれるとも述べた。こうした仕事は「クリーンエネルギー分野の仕事」とも呼ばれ、エネルギー安全保障と気候変動対策に向けた同法の3,690億米ドルの投資を受けて、今後数年間でその数が増えると見込まれている。
ここでは、キャリア・技術教育の専門家であるショーン・ドハティ氏が、クリーンエネルギー分野の仕事、その見込まれる成長、就職に必要な教育について、5つの質問に答える。
1. 「クリーンエネルギー」分野の仕事とは?
一般に、この用語は天然資源の保全・保護、またはその使用削減に重点を置いた製品の製造やサービスの提供に関連する、あらゆる仕事を指す。
例えば、太陽光パネルや風力タービンの部品を製造するための設備を作る仕事がある。太陽光エネルギー分野には、住宅所有者や家主に太陽光パネルを販売する営業職のほか、太陽光・風力両業界での設置、保守、修理の仕事もある。また、環境エンジニアや環境科学者への需要も高まっており、その仕事には、太陽光パネルや風力タービンの設計を支援し、設置場所を決めることも含まれる。
2. 今後数年間でグリーンジョブは何件生まれる?
マサチューセッツ大学アマースト校の政治経済研究所による分析によると、今後10年間で約900万件のクリーンエネルギー分野の仕事が生まれる。
連邦政府も、今後10年間にクリーンエネルギー分野の仕事が大幅に増えると予測している。その多くは、太陽光・風力エネルギー分野の設置作業員や技術者の仕事になると見込まれる。例えば、風力タービンのサービス技術者の仕事は68%、太陽光パネルの設置の仕事は52%増加すると予測されている。ただし、こうした仕事の実数の増加は比較的小さく、それぞれ4,700件、6,100件となる見込みだ。
また、環境科学者や環境専門家の需要も高まっている。彼らは科学の知識を生かして環境と人々の健康を守る。連邦政府は、今後10年間でこれらの分野に7,300件の新たな仕事が生まれると予測している。
3. これらの仕事の賃金はどれくらい?
クリーンエネルギー分野の仕事の賃金は、時給で少なくとも2ドル高く、全国平均の時給23.86ドルをほぼ10%上回る。
推計によると、労働省は、職種を問わずクリーンエネルギー分野の仕事は高賃金だとしている。例えば、太陽光パネル設置作業員の年収は約47,000ドル、風力タービン技術者は約52,000ドル、エンジニアは約100,000ドル近くになる可能性がある。
4. グリーンジョブに就くにはどのような教育が必要?
高校卒業後に必要な教育はそれほど多くない。太陽光パネルの設置の仕事では、通常、高校卒業資格だけで十分だ。タービン技術者にはより高度な訓練が必要だが、通常は専門学校やコミュニティ・カレッジで取得できる資格で足りる。一方、環境科学者やエンジニアのような高賃金の仕事には、2年制または4年制大学の学位が必要となる。
また、クリーンエネルギー分野の仕事に就く道は大学だけではない。ジョブ・コープスを通じて就職することもできる。これは、教育や雇用の機会を得るのが難しかった若者を支援する連邦政府のプログラムだ。少なくとも過去の調査では、ジョブ・コープスが参加する若者の収入を増やすことが示されている。
ただし、地元の高校で必要な技術教育を受けるのは難しいかもしれない。住んでいる地域にも左右される。
5. グリーンジョブに就くには、どこに住むのが最適?
現時点では、再生可能エネルギーを供給でき、クリーンエネルギーのインフラ整備を促す優遇措置を設けている地域に、グリーンジョブが多い。太陽光発電の場合、これは日照の良さで知られる地域、例えばカリフォルニア州、ネバダ州、ニューメキシコ州、ユタ州、テキサス州、フロリダ州、コロラド州を指す。また、ノースカロライナ州、ニューヨーク州、マサチューセッツ州など、クリーンエネルギー利用の可能性を高める優遇措置を設けた州も含まれる。風力エネルギー関連の雇用ではテキサス州が首位だが、ダコタ両州など、他のグレートプレーンズの州も好調だ。
ワシントンD.C.に拠点を置く非営利の公共政策機関、ブルッキングス研究所の最近の報告書は、風力・太陽光エネルギーを最も低コストで生産できる地域を取り上げた。そこには、クリーンエネルギーとは対照的に、非再生可能エネルギー分野の仕事が多い地域も含まれている。
これは希望の持てる兆しだ。再生可能エネルギーへの依存を高める国の移行に伴い、そうでなければ取り残される可能性のある地域にも、クリーンエネルギー分野の仕事が生まれるかもしれない。


