MITとハーバード大学の専門家が、従業員のウェルビーイングを促進する新たなツールキットを開発しました。
同ツールキットは、ウェルビーイングの低下を不健康な職場環境の症状として扱います。
このツールキットは、管理職向けの実行可能なステップと資料を提供します。
労働者の健康とウェルビーイングの改善は、特に職場のストレス要因への適応に関しては、従来、従業員自身の責任とみなされてきました。
しかし、新たな雇用者向けツールキット(MITスローン経営大学院およびハーバード大学の研究者によるもの)は、インセンティブ付きの集団ヨガセッションやジムの割引プロモーションにとどまらず、労働者のウェルビーイングの低下を、不健康な職場環境に起因する対処可能な症状として捉え直しています。
MITスローン経営大学院のErin Kelly教授と、ハーバード大学人口・開発研究センターのMeg Lovejoy氏が設計したこのツールキットには、管理職が従業員に仕事に対するより大きな裁量を与え、過度な業務負荷を軽減し、職場における人間関係を改善するための、実行可能なステップと資料が含まれています。
共著者らによると、管理職はこのツールキットを活用することで、労働者のウェルビーイングを支援し、健康的な職場文化を構築する方法を学ぶことができます。健康な従業員は医療費が少なく、生産性が高く、欠勤率が低く、離職率も低い傾向があります。
ツールキットは次の5つのパートで構成されています。
概要 ― 健康のための仕事のデザイン:労働者のウェルビーイングに向けた有望なアプローチ。同ツールキットは、「職場の慣行や人間関係がどのように設計され、組織化されているか」という考え方に基づいていると、共著者らは述べています。このアプローチには、労働者の健康低下の根本原因の特定や、従業員と管理職の協力関係の構築といった要素が含まれます。
仕事のデザイン原則1 ― 従業員に仕事に対するより大きな裁量を与える。日々の業務をどこで、いつ、どのように行うかについて発言権がないことは、ストレスの原因になると共著者らは述べています。仕事の裁量が低いこと(および関連して業務負荷が高いこと)によるストレスは、欠勤や遅刻の増加につながるほか、心臓発作のリスクの高まりにもつながるとされています。
仕事のデザイン原則2 ― 過度な業務負荷を抑制する。業務負荷にはさまざまな形があります。締め切り、複雑な意思決定、長時間にわたる肉体労働などです。支援的な環境がなければ、こうした負荷は従業員のバーンアウトにつながりかねず、さらには負傷や重篤な病気につながる可能性もあると共著者らは述べています。
仕事のデザイン原則3 ― 職場における人間関係を改善する。職場での人間関係は、情緒的な支えや職場のストレス要因からの保護といった恩恵をもたらしうると共著者らは述べています。こうしたつながりは、幸福で健康的、かつ生産性の高い従業員の育成に寄与します。
「健康のための仕事のデザイン」アプローチの計画と実施。ただし、このツールキットはどのような組織にも同じように当てはまる万能の解決策ではありません。とはいえ、誰でも取り組みを始められるステップがあります。組織内で変革の必要性を訴えること、従業員の参加を促すこと、行動計画を策定すること、そして職場の変革プロセスについてフィードバックを募ることです。
ツールキットの事例研究およびより詳細な資料は、「仕事とウェルビーイング・イニシアティブ」(ハーバード大学とMITの共同取り組み)を通じて閲覧できます。その他の共著者は、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のLisa BerkmanとLaura Kubzanskyです。


