多様性のその先へ:企業はいかに帰属意識を育んでいるのか

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1月、シティグループの幹部たちは、96カ国にライブ配信された全世界の組織向け集会で、自身の体験を語った。ある幹部は、キャリアの初期に、大学に進学しなかったことを明かすのを常に避けていたと話した。グループでの会話が「どこの学校に行ったの?」という話題になるたび、答えをはぐらかしたり、話題を変えたりしていたという。

「その話が聴衆に与えた[前向きな]影響の大きさは、信じられないほどです」と、シティのグローバル・ダイバーシティ・アンド・タレント・マネジメント担当上級副社長、サム・ラランヌ氏は語った。職場になじもうと苦労した経験や、ありのままの自分で働くことについての逸話は、とりわけ幹部など上層部の人々が語る場合、従業員全体の帰属意識を育む強力な手段になり得ると同氏は指摘した。

ラランヌ氏が紹介した別の話は、東南アジア系の幹部にまつわるものだった。以前の職場で、その人物は白人の同僚たちの中でひどく目立っていると感じていた。ラランヌ氏によると、本人はその状況を「受け入れる」ことにし、非常に長いひげを伸ばして、さらに目立つようになった。「それによって彼は、自分がそこに属していると改めて確信したのです。」

多くの企業が、多様性とインクルージョンだけでは不十分で、すべての従業員に帰属意識が必要だという考えを取り入れるようになっている。ラランヌ氏は、帰属意識を「取り組みの進化」と表現した。では、それは具体的に何を意味し、企業はどうすれば実現できるのだろうか。リーディング・ダイバーシティ講演シリーズの一環として最近ウォートンで開催された「職場で帰属意識を育む」イベントで、同氏と著名企業のパネリストたちは、それぞれが続けている取り組みについて話し合った。

パネルの司会を務めたのは、ウォートン校の経営学教授、ステファニー・クリーリー氏で、アイデンティティと多様性を研究している。「この『帰属意識』とは、いったい何なのでしょう。新しい言葉が本当に必要ですか」と、登壇者たちに問いかけた。

ジロー・グループで文化・コミュニティ担当副社長を務めるレベッカ・バスティアン氏は、多様なチームがもたらすとされる優れた事業成果は、帰属意識なしには実現できないと述べた。人々を単にテーブルに着かせるだけでは足りず、「誰もが声を上げられるようにし、障壁を取り除き……それぞれの固有の背景を認め合う」必要があるという。同氏とラランヌ氏はともに、帰属意識とは、人がありのままの自分で働けて、職場と家庭で別人のように感じずに済むことだと述べた。

ストーリーを語ることの重要性についてラランヌ氏が述べた点に関連して、バスティアン氏はジローでも同じ手法を使っていると語った。「社内では、さまざまな従業員の経験や、異なる文化、伝統、背景について、よく話を共有しています。」

多様性は数値や割合と結び付けられることが多い一方、帰属意識は職場で「自分がどう感じるか」だとラランヌ氏は指摘した。「自分は大切にされていると感じますか。そこにいるべきだと感じますか。自分の知見や発言、視点が重要だと感じますか。」

人々を単にテーブルに着かせるだけでは足りず、「誰もが声を上げられるようにし、障壁を取り除き……それぞれの固有の背景を認め合う」必要があると、バスティアン氏は述べた。

ブラックバード・グローバルのエグゼクティブ・イン・レジデンスを務め、グーグルの元幹部でもある最高マーケティング責任者のエリック・ソロモン氏は、帰属意識を実現するには、思いやりと受容の雰囲気をつくり、土台を整えることが重要だと述べた。「チームを率いるときはほぼ毎回、まず、人は互いに思いやりを持つ方法を学べるし、心理的安全性について話し合える、という考えから始めることに力を入れています。」

クリーリー氏は、白人男性のマーケティング幹部であるソロモン氏は、今日のビジネス界で多様性推進の旗振り役として一般に思い描かれる人物像とは異なると指摘した。また、「多様性の取り組みの顔となるのは、私のような人――女性で、米国で過小評価されているマイノリティーグループに属する人――であることが多い」と述べ、ソロモン氏に多様性の取り組みに関わるようになった経緯を尋ねた。

ソロモン氏は、大手テクノロジー企業で約10年働く中で、柔軟な対人スキルを生かそうとしていたと語った。そうした企業は「必ずしも温かさや思いやりで知られているわけではない」という。また、チームメンバーの給与などで不公平があると感じた場合には、行動を起こす決意をした。「同じ職位の女性が男性より低い給与しか受け取っていない、と声を上げるようにしていました……当時グーグルの人事責任者だったラズロ・ボック氏のところへ行き、『これは容認できません。私は見過ごしません』と伝えるうえで、大きな役割を果たしました。」

トップの姿勢が重要

ソロモン氏は以前、ウォルマート傘下のデジタル発の紳士服ブランド、ボノボスで最高マーケティング責任者を務めていた。クリーリー氏は、ボノボスには幹部、とりわけ白人男性幹部が、多様性、インクルージョン、帰属意識に向けた取り組みとのつながりを感じられるようにする有効な方法があったかと尋ねた。

ソロモン氏は、現在ウォルマートでデジタル消費者ブランド担当上級副社長を務める創業者、アンディ・ダン氏のような人物がいたことが助けになったと述べた。「アンディ・ダンは、女性が世界を動かせば、世界はもっと良くなるだろうと語ったことで知られています……組織の中核的な価値観にそれが組み込まれていると、皆が同じ考えを持ちやすくなります。」

ソロモン氏はさらに、同社は思いやり、共感、自己認識、判断力、知的誠実さなどの中核的価値観を確立するために努力してきたと付け加えた。「私たちの取り組みの中心には、人を大切にする姿勢があるという考えがすでにありました。ですから、皆に賛同してもらうことはまったく難しくなかったと思います。」

チームを率いるときはほぼ毎回、まず、人は互いに思いやりを持つ方法を学べるし、心理的安全性について話し合える、という考えから始めることに力を入れています。

エリック・ソロモン

シティグループのラランヌ氏も、帰属意識を育むうえで「トップの姿勢」が重要だと述べた。「CEOのマイク・コルバットは、多様性、インクルージョン、帰属意識に関する私たちの取り組みを強く後押ししてきました。それは結局、彼が何を説き、何を口にし、周囲で目にする事柄に対してどう行動するかということです。」

ラランヌ氏によると、シティは2017年に多様性とインクルージョンの戦略を大きく転換した。それまでは、発信はすべて最高多様性責任者からで、「CEOからでも、経営陣からでもありませんでした。実際、二つの組織は分かれていました」。その後シティは、アフィニティ・グループ(アフリカ系米国人、LGBTQの人々、退役軍人などの従業員を支援する社内ネットワーク)を再編した。新体制では各グループに2人のリーダーを置き、1人はそのグループの一員と自認する人、もう1人はCEO直属の経営陣から選ばれた。

ラランヌ氏によると、この変更は多様性とインクルージョンの取り組みを組織のトップと結び付けるためのものだった。経営陣のメンバーは、アフィニティ・グループの「アライ(支援者)」としても活動する。

アライとして支援する

パネリストたちは、アライシップは帰属意識の醸成に大きく役立つという点で一致した。アライとは、特定の過小評価されているグループの一員ではないものの、その支援者や擁護者となる人を指す。クリーリー氏は、近年アライシップがますます重視されていることに触れ、各社が組織内でそれをどう育んでいるかを尋ねた。

バスティアン氏によると、ジローには8つのアフィニティ・ネットワークがあり、どのネットワークも社内上層部による後援とアライの支援を必要としている。一方で、ネットワークをまたいで互いのアライになることも強調した。「アイデンティティの中に特権的な側面もあれば、抑圧される側面もあります……誰もが誰かのアライになれます。」

同氏が挙げた具体的なアライ活動には、各ネットワークのSlackチャンネルでの会話への参加、アフィニティ・イベントへの出席、メンタリングや後援の提供などがある。また、アライにどのように関わってほしいかについて、各アフィニティ・ネットワークが独自の基準を定められるよう、同氏のチームが促していると述べた。

CEOのマイク・コルバットは、多様性、インクルージョン、帰属意識に関する私たちの取り組みを強く後押ししてきました。それは結局、彼が何を説き、何を口にするかということです。

サム・ラランヌ

「今年のチームの大きな目標の一つは、アライシップへの道筋を増やすことです」とバスティアン氏は語った。さらに、「ここに立って、すべて分かっていると言うつもりはありませんが、私たちが力を入れて取り組んでいることの一つです」と付け加えた。

ラランヌ氏によると、シティグループの同氏のチームは、アライとして支援するための「ツールキット」、つまり段階を追ったガイドを実際に作成した。聴衆から小さな笑いが起こり、ラランヌ氏は「逆の発想に聞こえるかもしれませんが、そうではありません」と述べた。アライシップに前向きでも、どう行動に移せばよいか分からない従業員は多く、ガイドが役に立つと説明した。

米国外で帰属意識を育むには

パネリストたちは、米国外にも従業員がいる企業で帰属意識を高める難しさについて話し合った。ソロモン氏は、シリコンバレーを拠点とする企業でチームを率いた際、他国で働くメンバーは「疎外感を抱き……[シリコンバレーの]組織の性質上、しばしば仲間に含まれていないと感じている」と受け止めていたと述べた。

大手多国籍企業の多様性担当幹部であるラランヌ氏も、障壁に直面したと語った。例として挙げたのは、前年5月に施行されたEUの包括的なデータプライバシー法、一般データ保護規則(GDPR)などだ。「目的は正しいのですが、多様性の観点から私たちにできることを大きく制限しています。」多様性担当者は、さまざまな人口統計上のグループのニーズや機会をよりよく理解するために、データを減らすのではなく「ますます多く」必要としていると説明した。

米国外の従業員に情報提供を自発的に求めること、つまり調査で自らの属性を申告してもらうことさえ問題になり得ると、ラランヌ氏は述べた。たとえば一部の国では、特定のグループに属すると自ら明かすことが違法であるため、シティグループは従業員に性的指向やジェンダー・アイデンティティについて尋ねられない。しかし進展はあるという。過去1年間で、こうした質問の対象国は8カ国から39カ国に増え、「シンガポールやインドのように難しい国も含まれます」。

国際的な制約はあるものの、帰属意識を高める取り組みを成功させるには、できるだけ多くの従業員を含める必要があるという点で、パネリストたちは一致した。「前進するには、すでに賛同している人たちだけに語りかけていてはいけません」とラランヌ氏は指摘した。「全員を巻き込む必要があります。誰もが果たすべき役割を持っています。」同様にバスティアン氏は、「取り組むべき障壁の多くは、過小評価されている人々とその経験に直接結び付いていますが、解決策は全員に関わるものです」と述べた。

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