Apple従業員の新しいApple Park本社への移転は、報道によるとすでに始まっている
Apple Parkには、講堂、フィットネスセンター、研究開発施設、ウォーキング・ランニングコース、自転車、果樹園、草地、池がある。
日曜の夜に感じる軽い憂うつを除けば、オフィスが従業員の心を大きく動かすことはめったにない。だがこれからは、Appleの従業員が足取り軽く出勤しても不思議ではない。
テクノロジー大手の新本社「Apple Park」にまつわる数字は驚くべきものだ。今後およそ6カ月で、従業員1万2,000人が175エーカーのキャンパスに移る。建設費は50億ドルに上ったと報じられている。
6年前、Appleの共同創業者スティーブ・ジョブズは、カリフォルニア州クパチーノ市議会の会合で、「世界最高のオフィスビル」をつくる計画を明らかにした。
それはジョブズが亡くなる前、最後に公の場に姿を見せた機会だった。今、その構想は実現し、完成したのは、着陸した宇宙船を思わせる未来的な円形の4階建て建築物だ。
Apple Parkには、1,000席の講堂、床面積10万平方フィート(9,292平方メートル)のフィットネスセンター、厳重なセキュリティを備えた30万平方フィート(27,870平方メートル)の研究開発施設、全長2マイル(3.2キロメートル)のウォーキング・ランニングコース、自転車1,000台、果樹園、草地、池がある。
Apple従業員の新しいApple Park本社への移転は、報道によるとすでに始まっており、大規模な移転が完了するまで、毎週500人が新しい本社で勤務を開始する見込みだ。
これほど野心的で、言うまでもなく費用もかさむ移転は、いったいどのようにAppleの利益になるのだろうか。
Apple Park:「イノベーションの拠点」
ほとんどの人が職業人生の大半をオフィスで過ごすというのは、少し気が滅入る事実だ。Appleは、最先端の職場に移ることで、従業員の意欲が高まることを期待している。
時価総額が8,000億ドルを超えるAppleに資金不足の心配がないのは明らかだ。それでも支出が厳しく精査されないわけではない。Apple Parkの巨額の費用は、当初、一部の株主の眉をひそめさせた。
しかしジョブズやAppleの上級幹部たちは、従業員のイノベーションを育み、今後も優秀な人材を引きつけられるようにするためなら、推定50億ドルの費用を払う価値があると考えた。
昨年3月の発表イベントで、CEOのティム・クックはこう語った。「スティーブのAppleに対する構想は、私たちと過ごした時間をはるかに超えるものでした。彼は、Apple Parkをこれから何世代にもわたるイノベーションの拠点にすることを望んでいました。
ワークスペースと公園は、チームの意欲を高めるとともに、環境にも貢献するよう設計されています。世界で最もエネルギー効率の高い建物の一つを実現し、キャンパスは再生可能エネルギーだけで稼働します。」
世界各地のほかのクールなオフィス
Apple Parkはカリフォルニアからコルカタまで、うらやましがる従業員たちの注目を集めたかもしれないが、平均的な職場をはるかにしのぐオフィスは世界各地に数多くある。
Amazonはシアトル中心部に壮観なオフィスを建設中で、従業員は間もなく、植物や小川、さらにはツリーハウスまである3つの巨大なガラスドームの中で会議を開いたり、昼休みを過ごしたりできる。
ガラスと金属でできたドームのうち最も高いものは、高さ90フィート(27メートル)、直径130フィート(40メートル)を超え、その両側に小さなドームが一つずつある。
コンサルティング会社デロイト向けに設計されたアムステルダムの「The Edge」ビルは、世界で最も環境に優しく、おそらく最もスマートなオフィス空間とうたわれている。従業員を「認識」するエスプレッソマシンも備え、それぞれの好みのコーヒーを覚えている。
しかし、Apple ParkやThe Edgeのような優れたオフィスに投資しているのは、大手の一流企業だけではない。
昨年、英紙ガーディアンは、世界で最もクールなオフィスを特集し、そこで働く一般の従業員たちが、並外れた職場の魅力を語った。
取り上げられたのは、バーベキューやビールを楽しめ、朝のヨガ教室も開かれるベルリンの屋上テラス、カナダのオフィスビル内にある屋内ゴーカートコース、そしてロンドンのアーンスト・アンド・ヤングのオフィスにあるトレッドミル付きデスクなどだ。
こうした環境で働くことは、私たちの大半にとって夢でしかない。しかし、雇用主が優秀な人材を引きつけ、定着させるために職場環境を充実させるにつれ、将来はもっと多くの人が喜んで出勤するようになるかもしれない。


