持続可能性を重視する企業がパンデミック後の働き方を構築する5つの方法

The office may become a purely collaborative space.
The office may become a purely collaborative space.Image: Getty Images/iStockphoto
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  • パンデミックはすでに進行していた労働力のトレンドを加速させました。

  • 今後、組織は従業員のニーズを支えながら、持続可能性とのバランスを取る必要があります。

  • デジタル化の進展によって得られる豊富な新しいデータが、この変革を後押しします。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、従業員と雇用主の関係そのものを変え、すでに進行していたトレンドを加速させるとともに、パンデミック前には当然と思われていた多くのこと、たとえば出社を義務づけられることに疑問を投げかけました。多くの従業員が、自身のキャリアに何を求めるのか、どのように働きたいのかを根本から考え直しています。そして、何百万人もの人々が仕事を辞めています。雇用主は、多様な労働力を構成する一人ひとりのニーズをどう支援するかを見極めようとしているだけでなく、今日、仕事がどのように進められているか、その基本についても多くを再考しています。

パンデミック後の新たな日常を築くうえで、組織が事業の持続可能性と従業員のニーズへの支援をどう両立させるかが鍵となります。ここでは、仕事の進め方がどのように変化しているか、企業が多様性、公平性、包摂性(DEI)や環境・社会・ガバナンス(ESG)の課題にますます注目していることについて見ていきます。こうしたトレンドが組織に同じように影響するとは限りませんが、新型コロナウイルス感染症を受け、持続可能な働き方のモデルを計画し始める雇用主にとって、これらに留意することが重要です。

1. ハイブリッド型の働き方

ほとんどの従業員は、何らかの形でオフィスに戻りたいと考えています。パンデミックの間、多くの人がリモートワークをしていた時期には、生産性が向上したように見えました。しかし、同僚や職場とのつながりが薄れていると感じる人が増えており、通常は週に2、3日、職場に戻りたいと考えています。当社の2020年グローバル福利厚生意識調査によると、たとえば従業員調査では、10人中ほぼ4人(38%)が、出社と在宅勤務を組み合わせた働き方を希望していることが分かりました。

雇用主は、従業員の要望に応えるため、ハイブリッド型の働き方を整えることを検討すべきです。計画を立てるには、まず従業員の各層のニーズと、実際に行われている仕事の種類を理解するのが最善です。先を見越したハイブリッド勤務戦略により、従業員体験への注力を続けながら、仕事をどのように、どこで行うかを雇用主が再考できるようになります。これにより、従業員エンゲージメントが強まり、生産性も高まります。

2. オフィス空間の新たな優先事項

パンデミック前は、オフィスの主な目的は個人作業を行う静かな空間を提供することであり、同僚との協働やコミュニケーションの場としての役割は二次的なものであることが多くありました。オフィスや職場は、従来の個人作業向けの静かな環境よりも、協働を中心とする形へと進化していくことが、次第に明らかになっています。2021年柔軟な働き方と報酬に関する調査によると、雇用主の3分の1以上が不動産予算の削減を見込んでいます(36%)。ほぼすべての組織が、協働のために少なくとも一部のオフィス空間を維持する計画です。

また、従来型の定型業務や、段階的なイノベーションに取り組む場合、リモートワークが有効であることも、ますます明らかになっています。しかし、革新的または変革的な仕事をリモートで進めるのは難しいことが分かっています。頻繁な協働が必要だからです。そのため雇用主は、建設的な対立を通じて変革をもたらすイノベーションを促すために、オフィスでの協働を必要とするでしょう。

3. デジタル化の加速

TeamsやZoomなどの協働ツールの利用は、デジタル化の加速を反映しています。また、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、データと分析、ブロックチェーン、暗号資産などの分野への投資も増加しています。

現在、多くの人がリモートワークをしているため、私たちは以前よりはるかに大きなデジタル「フットプリント」を残しています。そこで生み出されるデータは、より良い意思決定に役立ちます。AIベースのツールを活用して従業員体験を向上させ、よりパーソナライズされた体験を実現する企業は、より良い成果を得られるでしょう。

組織では、自動化やネットワーク分析の活用が始まっています。Teams、Zoomなどの協働ツールの利点は、人事部門がこれらのツールから生成されるデータを使い、従業員がどれだけの時間、誰と協働しているかを評価できることです。これにより、組織内のネットワークや、協働がどのように可能になっているかをよりよく理解できます。

また、デジタル化によって既存企業内で新たなビジネスモデルが生まれ、ブロックチェーンの導入が進み、暗号資産を含む新たな決済手段が広がると予想しています。

4. DEIへの配慮

パンデミックは、女性、介護を担う人々、有色人種、働く親、低所得層など、さまざまな従業員グループに異なる影響を与え、それぞれ異なる経験をもたらしました。DEIに関する重大な課題が前面に浮上しています。雇用主が新しい働き方を計画し始めるなか、賃金、福利厚生、キャリアの見通しなど、複数の側面で意図せず不平等を生み出すおそれがあります。

組織は、不公平な扱いを受けるリスクがあるグループや、職場で無意識の偏見の影響を受ける可能性があるグループに対し、自社の方針が及ぼす影響を監視すべきです。また、管理職がこうした問題を認識し、包摂的な方法でリードし、意図しない偏見につながる柔軟な働き方の方針を変更できるよう、準備を整える必要があります。雇用主は報酬制度を見直し、現行の福利厚生の内容について、従業員グループごとの希望や影響を把握して、改善すべき領域を特定すべきです。

5. ESGへの対応の必要性

ESGは、気候変動を中心的な議題として、取締役会でますます話し合われるようになっています。最近の気候変動に関する政府間パネルの報告書が地球温暖化の影響について厳しい警告を発したことを受け、企業は自社のカーボンフットプリントをより強く意識するようになっています。多くの企業が、温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すと表明しています。

私たちの見解では、企業がハイブリッド型の職場環境へ移行するなかで、カーボンフットプリントの削減とネットゼロ目標の達成に向け、意識的に選択を行い、戦略を採用する必要があります。これは企業のビジネスモデルやバリューチェーンに大きな影響を及ぼす可能性があります。

気候変動は、従業員に対する価値提案を語るうえでも重要なテーマになりつつあります。従業員からは、「気候変動に対して何をしていますか」「具体的な方針はありますか」といった質問がますます増えています。雇用主の回答は、求職者がその組織に加わるかどうかの判断に影響する可能性があります。これは、労働市場の競争が激しく、多くの従業員が離職している状況では特に重要です。同様に、こうした質問への回答は、従業員の定着にも役立ちます。

さらに、企業統治や社会的慣行の面で、組織は一層厳しい監視を受けるでしょう。ESGに積極的に取り組み、自社の戦略を反映したESG指標を、これまで以上に報告していく必要があります。長期的には、成功する企業はESGを事業戦略に組み込むでしょう。

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