職場で感情的レジリエンスを高める5つのステップ

For every dollar invested in employee wellbeing, $4 is earned back in employee retention and productivity.Image: REUTERS/Dado Ruvic
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世界人口の大半は、成人期の少なくとも3分の1を仕事に費やしています。多くの人と同じように、あなたも仕事に対して数えきれないほどの不満を抱えていることでしょう。実際、仕事のせいで不幸だとさえ感じることがあるかもしれません。

世界保健機関によると、うつ病は障害の主な原因の一つとして世界中で広がっており、多くの国でGDPの約2%に相当する経済損失をもたらしています。

職場環境が従業員のストレス、不安、燃え尽き症候群の一因となっていることを踏まえれば、雇用主が前向きで健全な職場づくりに向けて新たな取り組みを進める必要があるのは明らかです。

Google、Zappos、HP、Draperなどの企業はこの分野を先導しており、前向きで健全な職場文化の最高水準として評価されています。しかし、規模の大小を問わず、すべての職場が従業員の感情的レジリエンスを高められない理由はありません。職場でこの考えを広めるべき理由をいくつか紹介します。

1)長期的に企業の支出を抑えられる

職場にマインドフルネスを取り入れることで、従業員のストレスが軽減され、レジリエンスと仕事への意欲が高まり、従業員全体のウェルビーイングと組織の業績が向上することが示されています。

今ほど、費用対効果の高い技術や柔軟に適応できる方針が、こうした取り組みを支えるために利用しやすくなった時代はありません。WHOによると、従業員のウェルビーイングに1ドル投資するごとに、定着率と生産性の向上を通じて4ドルのリターンが得られます。PwCが2014年に実施した別の調査では、心の健康を支える職場づくりのプログラムは、支出1ドルにつき2.30ドルのリターンをもたらしました。

オーストラリアの職場におけるメンタルヘルスの問題の経済的影響Image: PwC

2)簡単に始められる

感情的レジリエンスを高める取り組みに、費用や時間のかかるプロセスは必要ありません。モバイルアプリ、ウェビナー、短時間の研修で、従業員に重要な考え方を伝えられます。

従業員のメンタルヘルスを向上させる方法のうち、十分な睡眠、定期的な運動、自然に触れる機会、勤務中の休憩を促すことなどは、雇用主にとって実質的に費用がかかりません。一方、休暇を増やしたり、マインドフルネスや思いやりの研修を提供したりする場合も、初期投資はわずかです。

3)国連も推進している

国連は、健康的な生活とウェルビーイングの促進を目指す17の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、3番目の目標としてメンタルヘルスを優先課題に掲げています。目標達成に向けた行動計画をすでに策定した国もあります。

たとえばブータンは、繁栄を測る指標として国民総幸福量(GNH)を導入し、環境の健全性や心身のウェルビーイングなどの要素を従来のGDP指標に取り入れています。

また、アラブ首長国連邦(UAE)は、幸福を政府の政策立案の柱に据えています。2016年、UAEは「幸福とポジティブさのための国家プログラム」を開始し、幸福・ウェルビーイング担当国務大臣を任命しました。同大臣には、幸福、ポジティブさ、ウェルビーイングを促進し、これらの原則が政府の活動の中核にあり続けるようにする役割が与えられています。

それ以来、UAEの同プログラムは、政府職員向けとして世界初となる「幸福政策マニュアルと評価ツール」を発表し、初の「幸福とポジティブさに関する全国調査」を実施するとともに、「職場における幸福とウェルビーイングのマニュアル」を作成しました。

4)メンタルヘルスへの偏見を減らせる

世界の多くの地域で、メンタルヘルスはいまだに強い偏見を伴い、公の議論から遠ざけられています。そのため、人々はメンタルヘルスの問題について話すことをためらい、問題が深刻化することも少なくありません。

雇用主は、心のウェルビーイングを重視し、多くの従業員が直面するメンタルヘルス上の課題について公に話し、従業員が利用しやすい支援や情報を提供することで、メンタルヘルスに関する対話の開放性と透明性を高められます。

5)従業員に力を与える

感情的レジリエンスを組織の優先課題に位置づけ、その育成に取り組むことで、あらゆる階層の人々が自らの心のウェルビーイングを管理できるようになり、悪化の可能性を防ぐ支えにもなります。

感情的レジリエンスがあり、心の健康を保つ従業員は、所属する組織にも良い影響を与えます。ウェルビーイングは職場の生産性を高め、イノベーションを促します。組織も政府も、この課題に長らく必要とされながら十分に割かれてこなかった時間と注意を注ぐことで、大きな恩恵を得られるでしょう。

UAEは、世界政府サミットの一環として、2018年2月に「幸福に関するグローバル対話」を開催します。

この記事は、メンタルヘルスに関する神経技術・脳科学グローバル・フューチャー・カウンシルのシリーズの一編です。

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