欧州連合がシリコンバレーに「大使館」を開設する理由

European Union flags wave in the wind as the EU opens a new office in California's Silicon Valley.
The European Union is opening a new office in Silicon Valley ahead of new EU tech regulations being implemented.Image: Photo by Guillaume Périgois on Unsplash
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  • 欧州連合はサンフランシスコに新たな拠点を開設する。

  • このオフィスは、欧州の規制当局と大手テクノロジー企業の協力を促進する。

  • 欧州委員会の報道官は、このオフィスが「大西洋を挟んだ技術協力をさらに強化する」と述べた。

欧州連合はカリフォルニア州のシリコンバレーに新たなオフィスを開設し、欧州の規制当局が大手デジタルテクノロジー企業に直接アクセスできるようにする。逆もまた同様だ。

9月1日に正式に開設されるこのオフィスは、EUが画期的な2つのテクノロジー規制、デジタル市場法(DMA)とデジタルサービス法(DSA)の施行を準備する中で設置される。いずれもこの秋に発効する予定で、世界的な影響を及ぼし、MetaやGoogleなどの巨大テクノロジー企業の世界各地での事業運営に影響を与えると見込まれている。

「このオフィスは、デジタルテクノロジー分野の政策立案者、ビジネス界、市民社会など、官民の主要な関係者に働きかけるEUの能力を強化する」と、欧州委員会の報道官、チャールズ・マヌーリー氏は述べた。

このオフィスは、欧州委員会のデジタル経済局長であり、サイバーセキュリティとデジタル政策を担当してきたEUのベテラン職員、ジェラール・ド・グラーフ氏が率いる。サンフランシスコ市内に置かれ、ワシントンD.C.のEU代表部の管轄下で運営される。

EUのデジタル政策、基準、規制、ガバナンスモデル、技術を推進し、米国の関係機関との協力を強化する

チャールズ・マヌーリー、欧州委員会報道官

新たな拠点の開設は、欧州理事会によるEUデジタル外交に関する結論の採択を受けたものだ。これは、世界各地のパートナーと連携し、EUの規制能力を高めることを目指す幅広い枠組みである。この合意では、あらゆるデジタル政策は「普遍的な人権、基本的自由、法の支配、民主主義の原則に基づくべきだ」とされている。

「米国はテクノロジー・イノベーションのリーダーである一方、欧州連合はテクノロジー規制のリーダーを目指している」と、非営利のテクノロジー業界団体であるコンピューター・通信産業協会(CCIA)の欧州事務所責任者兼副会長、クリスチャン・ボルグリーン氏は述べた。同協会にはGoogle、Amazon、Twitter、Facebookなどが加盟している。

2018年、EUは一般データ保護規則(GDPR)を制定した。これにより、テクノロジー企業による消費者データの取り扱いは大きく変わり、テクノロジー規制の旗手としての欧州の地位向上にもつながった。特筆すべき点として、GDPRは、いわゆる忘れられる権利を定め、デジタルテクノロジー企業に対し、消費者が自身の個人データの消去を求められる選択肢を提供するよう義務づけた。

DMAとDSAは、それぞれ2022年3月と4月に欧州委員会で可決され、ブリュッセル発の最新の主要テクノロジー規制となった。この政策パッケージは、インターネット利用者にとってより安全なデジタル環境を築くとともに、テクノロジー企業にとってより開かれた公正なデジタル市場を実現することを目指している。例えば、違法なヘイトスピーチを抑制し、競争を阻害する商慣行を制限する新たな規則が盛り込まれている。

「10年前、『大きすぎて潰せない』銀行をめぐる転換点が訪れた。今、DSAとDMAによって、『大きすぎて配慮しない』プラットフォームをめぐる転換点を迎えている」と、EUの域内市場担当委員ティエリー・ブルトン氏は、2022年7月に欧州議会が両規制を採択した後の声明で述べた。

この規制枠組みは、大手テクノロジー企業によるロビー活動を受けたものだが、国際的な非政府組織や人権団体からも広く歓迎された。

EUの新たなサンフランシスコ・オフィスについて、ボルグリーン氏は、EUの存在によって「テクノロジー企業は、これから押し寄せるEUの新規制を確実に理解できるようになる。すべての企業が、これらの新規則を実施し、遵守する公平な機会を得るべきだからだ」と述べた。

欧州委員会の報道官、マヌーリー氏は、このオフィスが「大西洋を挟んだ技術協力を強化するという欧州の決意」をさらに前進させると付け加えた。

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