リアルな触覚、熱、においを再現するVRゲーム

The designers hope to create a more immersive gameplay.Image: Photo by Stella Jacob on Unsplash
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新しいバーチャルリアリティーゲームでは、他のVRゲームより多くの感覚を使う。触覚や熱を感じる感覚、嗅覚などだ。

ゲームでは4つの感覚情報が同時に融合され、際立ったリアリティーを実現している。

その名はThe Lost Foxfire。10分間のこのゲームでは、視覚、聴覚、嗅覚、体性感覚(触覚)、そして温度感覚(熱の強さを感じる能力)を使う。視覚と聴覚に頼るだけでなく、ゲームをクリアするには嗅覚や触覚から手がかりを得る必要もある。

「熱やにおいという追加の感覚的な手がかりによって、プレイヤーはより没入感のあるゲーム環境を体験できます。こうしたものは、現在のゲームではほとんど見られません。」

従来の多くのバーチャルリアリティーゲームでは、ヘッドセットや触覚フィードバック機能を備えたボディスーツを使い、感覚へのフィードバックを再現・増幅している。たとえば、その場面の映像に合わせて涼しい風を感じさせるといった具合だ。一方、シンガポール国立大学のKeio-NUS CUTE Centerの研究者たちが開発したゲームは、VR用の多感覚ボディスーツを新たな段階へと引き上げた。プレイヤーは現実さながらの感覚フィードバックをリアルタイムで受け取り、それを基にゲームの展開を直接左右する判断を下す。

ゲームシステム全体は、研究者が調整可能な多感覚スーツと組み合わせたバーチャルリアリティーヘッドセットで構成される。スーツは熱、風、においの刺激をプレイヤーに与え、ゲームを進める手助けをする。

Image: Keio-NUS CUTE Center

調整可能なスーツには5つの熱モジュールがあり、首の前後や両側面、さらに顔で熱を感じられる。熱刺激は調整でき、個人の温かさに対する耐性に合わせて設定できる。ゲーム内でキツネのキャラクターに出会うと、キツネの好物であるリンゴの香りが漂う。ゲーム内で火に近づくと、火が発する熱を感じられる。

「The Lost Foxfireのゲームシステムは完全に持ち運び可能で、どの部屋にも設置できます。熱やにおいという追加の感覚的な手がかりによって、プレイヤーはより没入感のあるゲーム環境を体験できます。こうしたものは、現在のゲームではほとんど見られません」と、プロジェクトを監督するKeio-NUS CUTE Centerの准教授兼共同所長、Yen Ching-Chiuan氏は話す。

ハードウェアおよびプロダクトのエンジニア、アーティスト、技術研究者、デザイナーからなるチームは、実験的なゲームの開発に9カ月を要した。構想、コーディング、専用ハードウェアの製作から、グラフィックのデザインやアニメーション制作までを手がけた。調整可能な多感覚スーツの基盤技術について、特許を出願している。

「The Lost Foxfire」は当初、実験的なゲームとして開発されたが、その没入型シミュレーションと体験技術は、ほかの用途にも広げられる可能性がある。より没入感のあるゲーム体験への道を開くだけでなく、たとえば、訓練目的で独自のシナリオをシミュレーションしたり、火災安全を実演したりする用途にも使える。ユーザーは危険にさらされることなく、シナリオ全体を実際に体験するような感覚を安全に得られる。

The Lost Foxfireは2019年9月、東京ゲームショウに初登場した。

この研究は、シンガポール首相府傘下の国家研究基金が、シンガポール国際研究センター助成イニシアチブを通じて支援した。

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