コロナウイルスで生じたスポーツの空白を埋めようと、バーチャル世界が急浮上

Formula One F1 - Australian Grand Prix - Melbourne Grand Prix Circuit, Melbourne, Australia - March 12, 2020 Red Bull's Max Verstappen arriving to the Circuit REUTERS/Loren Elliott - RC2ZHF95PMIY
Participants in an online race included F1 driver Max VerstappenImage: REUTERS/Loren Elliott
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  • コロナウイルスの感染拡大により、世界各地でスポーツイベントが中止となっている。

  • eスポーツとオンラインゲームがその空白を埋める一助となり、需要と視聴者数は急増している。

コロナウイルスによってスポーツは停止状態に陥ったが、バーチャル世界はこの空白を埋める機会を捉え、需要と視聴者数が急増するなか、アスリートたちもオンラインゲーマーに続々と加わっている。

トルク・eスポーツの社長兼CEOで、オーストラリアGPの中止を受けて先週日曜日にオールスター・レースを主催したhttp://www.the-race.comの創設者でもあるダレン・コックスは、これまでこんなことは見たことがないという。

「ル・マンの週を2週連続で過ごしたような気分です。眠れていません」と、彼はロイターに語った。

「次のレースに取りかかっています。来週末に開催する予定で、今は実際のドライバーが多すぎるので形式を変更しています。参加が確定している実際のドライバーは、希望者が30人に達したと思います」

日曜日のレースには、レッドブルF1ドライバーのマックス・フェルスタッペンやインディ500優勝者のシモン・パジェノーらが出場し、The RaceのYouTubeチャンネルでは合計1,210万分の視聴時間が記録された。

コックスによると、その配信は100万回を超える再生数を記録し、51万5,000人がライブで視聴した。

「シミュレーターは完売しました」と、トロントに拠点を置く上場企業を率いる英国人のコックスは付け加えた。同社は、トーナメントプラットフォームのUMGやゲーム用ハードウェアなど、さまざまなeスポーツ関連資産を保有している。

「つい先ほど、(2004年のインディ500優勝者)トニー・カナーンから、文字どおり懇願するように『このシミュレーターを1台いくらで譲ってくれる?』と言われました。世界中の人々がシミュレーターを欲しがっています。

「何年も前から話をしてきた人たちで、ゲームにまったく関心がなかった人まで、突然参加したがっています。信じられません。こんなことは見たことがありません。

「シミュレーションレースにまったく関心を示さなかった人たちが、突然、機材を買って練習しようとしている……そうなれば、何かが変わったと分かります」

元F1レーサーでフォーミュラEチャンピオンのジャン=エリック・ベルニュが共同創設者に名を連ねるベローチェ・eスポーツ主催の「Not the Aus GP」には、日曜日、マクラーレンのランド・ノリスとともに、レアル・マドリードのサッカー選手でゴールキーパーのティボー・クルトワが参加した。

ベローチェによると、Twitch.TVとYouTubeでの総視聴回数は200万回を超え、ソーシャルメディアでのインプレッションは600万回に達した。ノリスのTwitch配信はその日、世界で最も視聴された配信となり、ライブ視聴者は7万人に上ったという。

10億ドル規模の産業であるeスポーツは、多くの実際のスポーツが夢見ることしかできないほどの視聴者数と交流を実現できる。

北米は世界最大のeスポーツ市場Image: Statista

巨額の資金

GlobalDataのSportcalによると、昨年12月に開催されたリーグ・オブ・レジェンド世界選手権のコンテンツを視聴した人は、約4,400万人に上った。

特にテレビで生中継されるスポーツが姿を消した今、スポンサーからも大きな収益を得られる。

Sportcalインテリジェンス・センターによると、インテルはオーバーウォッチ・リーグのスポンサーに年間1,000万ドル超を支出し、ナイキはリーグ・オブ・レジェンド・プロリーグのチームに用具を提供するため800万ドルを支出している。

「対応しきれないほどの問い合わせが殺到しています」とコックスは話す。「もっと人を採用しなければなりません。ESPNはどうでしょう。生中継のスポーツ番組として何を放送していますか。何もありません。BET365は何に賭けてもらっているのでしょう。誰もが何かを必要としているのです」

バーチャルのレーシングカーやサーキットにはブランドを掲出でき、無料で視聴できるレースではリアルタイム広告も展開できる。

ファンは、現実世界のヒーローたちの意外な一面も見られるようになっている。

「ドライバーたちに『シミュレーターに座った自分のセルフィーを撮って』とメッセージを送りました」とコックスは語った。

「普段、この人たちは身なりを整え、帽子の角度やサングラスにも気を配っています。それが、パジャマ姿で座っている人もいる。何十万ドルもの報酬を得ている本物のドライバーたちですよ。

「4週間前には想像もできなかった転換点です。

「私たちはずっと、バーチャルと現実の境界を曖昧にしていると言ってきました。その境界は曖昧になり、消え、なくなりました。永遠に」

独自のeスポーツ世界シリーズを持つフォーミュラ・ワンも、新たな現実に適応しつつある。同シリーズは5月末にレースを再開したい考えだが、さらに長く待つ可能性も認めている。

F1のeスポーツ責任者ジュリアン・タンはロイターに対し、中国GPが延期された2月以降、バーチャル分野を加速させる計画を練っており、金曜日以降にその計画を練り直したと語った。

「こうした時期には、eスポーツをめぐって新たに開発した製品を活用し、F1のカレンダーに生じた空白をどう埋められるかを探る大きな可能性があると思います」と彼は述べた。

「今後数日以内に、この件について発表があるでしょう」

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